“特定保健用食品”とは? 国が認める食品についても解説
特定保健用食品とは『特定の保健的効果が期待できる成分のうち、実際に人の臨床試験で効果が確認されたもの』です。消費者庁の審査により認められたものは専用のマークを表示することができ、指定された条件のもとで商品を販売することができます。
今回は消費者庁が管理する特定保健用食品について、また栄養機能食品や健康食品の違いなども書いていきましょう。
“トクホ”の概要 表示義務などをわかりやすく解説
保健は健康を保つという意味があります。以下の機能を調節し体調を整え病気を予防できる効果が認められ(機能性成分)、それらを含む食品としてさらに国から認められたものが始めて『特定保健用食品』として認められます。認可は『消費者庁』が行い、消費者庁より届け出審査を受けなければなりません。
要求される各機能の保健効果
・免疫系
マクロファージ活性化、免疫増強など
・内分泌系
アドレナリン分泌、インスリン作用増強など
・神経系
脳神経鎮静など
・循環系
血圧効果、コレステロール低下など
・消化系
カルシウム吸収促進、整腸など
さらに、特定保健用食品として販売する場合以下のような表示が必要になります。
・栄養成分含量
対象となる栄養成分の含有量
例)この食品はカルシウムを多く含みます
・保健用途
対象となる成分を摂取した時期待される効果
例)食生活で不足しガチな食物繊維が摂れ
おなかの調子を整える飲料です
・栄養成分機能
対象となる栄養成分のもつ機能
例)ビタミンEは、抗酸化作用により体内の脂質を
酸化から守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です
すべての審査をクリアした証として、消費者庁から以下のマークを表示することが許可されますが、商品によっては“トクホマーク”の中心に『条件付き』の文字が打たれ『限定的な科学的根拠の元認められた』旨を表示しなければなりません。これは特定保健用食品として認められるレベルに届かなかったものの一定の有効性が確認された食品に表示されます。
画像:厚生労働省、e-ヘルスネットより
特定保健用食品の歴史
特定保健用食品制度は平成3年7月(1991年)に開始された制度ですが、当時はまったくと言っていいほど知名度がありませんでした。
内閣府ホームページ内『「特定保健用食品」制度のあゆみ』によると、制度開始当時は厚生省(現、厚生労働省)の管轄でしたが後に消費者庁に移ったようです。はじめて表示許可された商品は平成5年(1993年)の『株式会社資生堂:ファインライス』と『森永乳業(株):低リンミルクL.P.K』という商品で、令和4年9月16日に更新された最新版では1059種類の“トクホ”が承認されています。
健康食品との違い
いわゆる健康食品と呼ばれる食品の中には、科学的根拠はないものの通説として健康に良いとされていたり、多くの人に親しまれているものもあります。国はそれらから区別するため以下の3種類の『食品』を定めています。
・特定保健用食品
臨床試験の結果効果が確かめられたもの
・機能性表示食品
事業者の責任において、科学的根拠に基づいた
保健の目的が期待できる機能性が表示された食品
・栄養機能食品
通常の食生活で不足しガチな成分(ビタミン・ミネラルなど)
の補給、補完のため利用できる食品
特定保健用食品
上記のように、身体の生理機能に影響を与える機能をもつ食品ですので、国からの最も厳しい審査基準が儲けられています。ただその分信頼性の担保が大きいので企業としても大々的に販売することができますね。スーパーなどでも特定保健用食品専用棚が設けられている場合があり、トクホを常用している方も多いのではないでしょうか?
消費者庁
特定保健用食品については こちら
機能性表示食品
国が定めた一定のルールに基づき、事業者の責任で機能性表示が行える制度です。販売前に消費者庁へ届け出をすれば表示をすることができます。届け出はしますが審査や許可などは必要ありません。
科学的根拠に基づいた表示は行われますが国からの担保が無く、信用するかどうかは個人の評価によって分かれることになります。2024年3月、小林製薬の製品『紅麹』を含んだ機能性食品サプリメントの問題が浮上し社会問題となりました。
消費者庁
機能性表示食品については こちら
栄養機能食品
特定の栄養成分を補給するため利用される食品で、栄養成分の機能を表示するものを指します。すでに科学的根拠が確認された栄養成分を、一定の基準量含む食品であれば国への申請や届け出を必要とせず表示することができます。当然ながら事業者の責任における表示となります。
消費者庁
栄養機能食品については こちら
食と健康はとても強い結びつきがありますね。みなさんも日々の食生活で何を食べ、何を避けるべきかをしっかり考えていきましょう。
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