【入門用】タンパク質も食べ過ぎれば太ります【栄養学】

3大栄養素の吸収方法とは? アミノ酸”BCAA”についてもわかりやすく解説

 糖質、脂質、タンパク質の3大栄養素。それぞれの主な役割は以下の通りです。

糖質
 エネルギー源
脂質

 エネルギー源
 身体の材料
タンパク質

 エネルギー源
 身体の材料
 身体の調子を整える

 これらを見ると「糖質はいらない?」と思われガチですが、糖質は1日に動員されるエネルギーのほとんどで使われるので必須の栄養素となります。ただし糖質や脂質を摂りすぎると脂肪として溜め込まれるのはご存知ですよね? ――実はそれと同じようにタンパク質も摂取しすぎれば脂肪に変えらてしまうのです。

 タンパク質をたくさん食べるアスリートは、それらをきちんと筋肉の合成や代謝に活用できているからあの体型をキープできるのですね。

 タンパク質は過剰にある場合多くは吸収されず排出されてしまいます。この時肝臓や腎臓に多大な負荷をかけてしまうので、ほどよい量を摂取する必要がありますね。これらについて知識を深めるには、それぞれの栄養素がどのように消化されているか、把握することが重要でしょう。

 以前の記事で『3大栄養素の消化』について解説しました。今回はそれぞれの栄養素がどのように活用されるかについて書いていきます。また、1日にどれほどタンパク質を摂取すればよいか、『厚生労働省』が設けた『日本人の食事摂取基準(2020年版)』の情報を参照していただくと良いでしょう。

厚生労働省
 1日に必要なタンパク質摂取量については こちら
内部リンク
 消化までの過程は こちら

筋肉を動かす糖質 リンパを流れる脂質 代謝に必要なタンパク質

 糖質、脂質、タンパク質それぞれ消化吸収ルートと活用のされ方があります。ひとつずつ解説していきましょう。

糖質

 糖質は小腸にて『単糖類』にまで分解され吸収されます。その後は必要に応じて以下のルートをたどりエネルギー源になります。

① 小腸から吸収した単糖類(フルクトース、ガラクトースなど)
  → グルコース(ブドウ糖)に変化
② 血中に出て全身へと運ばれる
  → エネルギー源
   一部は肝臓でグリコーゲンとして貯蔵

 糖質はエネルギー源としての利用がメインです。血中のグルコース量が増える(血糖値が上昇する)と膵臓から『インスリン(インシュリン)』が分泌されます。インスリンは以下の効果をもたらします。

・血糖値の低下
・筋肉へグルコースを取り込む

  グリコーゲン
・脂肪組織へグルコースを取り込む

  脂肪

 筋力トレーニングをした後はグリコーゲンが不足するため筋トレ後にスイーツを食べる方もいます。ただし余分な糖質は脂肪になるので必要な分だけ摂取するようにしましょう。

 血糖値は、本来一定に保たれています。糖質が不足した場合、『グルコガン』をはじめとしたホルモンが放出され、まず肝臓のグリコーゲンを動員し、さらにアミノ酸からグルコースを合成します。現在、脳のエネルギー源として『ケトン体』が注目されていますが、それでも『脳のエネルギー源は糖質』だということをしっかり覚えて置かなければなりませんね。

脂質

 脂質のなかでも『短鎖脂肪酸中鎖脂肪酸』はそのまま血中に溶けるので、糖質と同じように小腸から肝臓、血中に乗り全身へと運ばれます。ただし『長鎖脂肪酸脂溶性ビタミン』などは血中に溶けない性質をもつため、以下のような処理を行います。

① 小腸で油滴化した脂質(長鎖脂肪酸など)
  → タンパク質と結合しキロミクロンに変化
② リンパ管に入りそのまま血中へ
  → 脂肪酸コレステロール(LDL)へ変化
   細胞膜やコレステロール、ホルモン等の材料
   もしくはエネルギー源

 摂りすぎた脂肪は、皮下脂肪内臓脂肪として貯蓄されていきます。また、余分に摂りすぎた『糖質アミノ酸の一部』からも合成され脂肪組織に蓄えられます。

 つまり『食べ過ぎほぼ全て脂肪になる』ということですね。

 逆に食事をせず空腹が続いた時は体内に蓄えられた脂肪がエネルギーとして利用されます。脂質は他栄養素の倍以上のエネルギー(1グラム9kcal、糖質とたんぱく質は1グラム4kcal)を生み出すため、脂質は貴重なエネルギー源として貯蓄されているのです。だからといって、健康を害するレベルの断食はしないよう気をつけなければなりませんね。

リンパ管

YouTubeチャンネル、SCIENCE CHANNEL(JST):投稿動画より

 リンパ管は『血管から溢れた液体を集め血管に戻すのような器官』です。血管と同じように全身に張り巡っています。血液と細胞が栄養のやり取りをする『血しょう』中にあり、白血球(リンパ球)を多く含む特徴があります。

 上記動画中、ところどころに存在するリンパ腺膨らみは『リンパ節』と呼びます。ここはリンパ管に侵入した雑菌を捕らえる要所で、風邪をひく腫れる場所です。お医者さんからこんなことを言われた経験はありませんか?

<strong>お医者さん</strong>
お医者さん

ああ、リンパが腫れてるねぇ……カゼのお薬だしときますねー

 ふだんはゴマ粒ほどのリンパ節が、風邪をひくとそら豆ほどに大きくなるので、知ってる人が触れればすぐわかります。扁桃腺とか虫垂とか聞いたことがありませんか? もちろん、リンパ節が腫れる = 風邪とは限らないので、違和感を覚えた場合はすぐお医者さんに通うようにしましょう。

タンパク質

 タンパク質はとても複雑な構造をしていますので、消化するにはそれらを『アミノ酸』まで分解しなければ吸収できません。

① 小腸でアミノ酸まで分解され血中へ
  あらゆる物質材料
  もしくはエネルギー源

 つまり、いちどアミノ酸に分解した後、体内で再度タンパク質を合成する材料になるのです。

 アミノ酸はあらゆるタンパク質の材料になります。身体は代謝によって次々と新しいタンパク質が合成され続け、この仕組を『代謝回転(ターンオーバー)』と呼びます。分解されたタンパク質は以下のような活用法があります。

・新たなタンパク質合成
・脂肪酸などの合成の材料
・エネルギー源

 臓器により代謝回転の速度は異なり、たとえば『肝臓』は10 ~ 15日で半分が新しいものに置き換わりますが『筋肉』のタンパク質は180日で半分が置き換えられます。ちなみに、タンパク質が足りているかどうかは『血しょうアルブミン濃度』を調べればわかるので、筋トレ中など気になる方は検査してもらってはいかがでしょうか?

 アミノ酸の一部は『アンモニア』に変化し、肝臓から『尿』として排出されます。

必須アミノ酸

 人間は自力ですべてのタンパク質を合成することができます。ただし9種類のアミノ酸に関しては自力で合成できず食事でのみ補われ、これを『必須アミノ酸』と呼びます。トレーニング界で有名な『BCAA』は、必須アミノ酸中、運動の筋肉においてエネルギー源になる必須アミノ酸を指します。

必須アミノ酸一覧
 ・イソロイシン(BCAA)
 ・ロイシン(BCAA)
 ・リジン
 ・メチオニン
 ・フェニルアラニン
 ・トレオニン(スレオニン)
 ・トリプトファン
 ・バリン(BCAA)
 ・ヒスチジン

 通常の食事を摂れば不足することはありませんが、それぞれ成分が豊富な食品があります。たとえばBCAAは『鶏肉牛肉納豆牛乳』などに多く含まれています。

環境再生保全機構
 食品中のBCAAに関しては こちら

 3大栄養素は生きていくために必要な栄養素です。しっかり食べてこれらの栄養を摂取していきたいですね。

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