ストレス溜まってませんか? 日記は日々の鬱憤を晴らすにも効果的!
日記とは『その人が経験した個人的な出来事を記録した文書』と言えます。ただし、単なるプライベートな記録として書いたり、ブログなどの媒体で世界に公開したり、また日記を文学作品として活用するなど内容は様々に展開されていますね。
しかし、本を読むという習慣が根付いてない割合のほうが多いのも事実です。平成30年度の世論調査を紹介によると『1か月に大体何冊くらい本を読むか?』に対し、それぞれの割合は以下の通りでした。
・まったく読まない
47.3%
・1 ~ 2冊
37.6%
・3 ~ 4冊
8.6%
・5 ~ 6冊
3.2%
・7冊以上
3.2%
・分からない
0.2%
おおよそ半分が「読まない」と回答していますね。月1 ~ 2冊を含めると、なんと国民の『84.9%』がほとんど読書をしないことになります。また「人が最も読書すべき時期はいつ頃だと考えるか?」の問いで最も多かったのは『10代』で、30代以降は軒並み1 ~ 2%程度という結果になっています。
これは由々しき事態ではないでしょうか? 読書にかぎらず、多くの方はプライベートで『書く・読む』といった活動がものすごく減っているのではないかと思います。
書くという行為は脳に刺激を与え活性化してくれる良い運動でもあります。日記を書く上で最も大切なのは『テーマ・自分にとって大切なこと』をイメージすることです。今回はそんな日記で使えるテクニックをご紹介していきましょう。
文化庁
平成30年度「国語に関する世論調査」の概要については こちら
成長 メンタル 記憶力向上 なにをとっても日記がイチバン
個人的なことを書き連ねるのが基本的な“日記”の形式ですが、それに囚われてアレコレは書かないなどと決めつける必要はありません。日記に関して厳密なルールなどはなく、アナタ自身が思うように筆を走らせれば良いのです。
基本中の基本というわけではありませんが、日記を書く上では以下の点を順番に記述する意識でいくと良いでしょう。ちょっとした例を併せて表記します。
・なんらかの出来事、イベント
久しぶりに古い友人と遭遇した
・その時に感じた感情
故郷の情景を思い出し懐かしさに包まれた
・その時に感じた思考
故郷の駄菓子屋に通っていた記憶を辿った
友人と過ごした学校での日々を思い出した
・実際に起こした行動
思わず笑顔で手を振って声をかけていた
・さらなる詳細、次同じことがあったらどうしたいかなど
挨拶をかわししばしば言葉を交わした
次に会ったらその人の予定をキャンセルして食事に誘いたい
アナタの感性のままに文体を構築しましょう。小説のような文章形式でも良いですし、箇条書きのようなシンプルな構造でも構いません。とくに『感情』に関してはありのままの姿をぶつけると良いですね。
日記を書くことのメリット
慣れないうちはシンプルな構造で書き進めればよいでしょう。プライベートな空間を気軽に書く作業のため、日記にそこまで時間をかける必要はありません。ここでは日記を書くことでもたらされるメリットを紹介します。
自分を見直すことができる
人は自分が普段なにを考えているのか意外と意識できてないものです。人間の脳は『システム1/システム2』という2通りの思考回路が存在し、基本的にシステム1の直感的、瞬間的な判断のもと生活を行っています。システム2は理性的にじっくりと判断する作業を担います。日記は衝動的に感じた“システム1“の出来事を“システム2“の感覚で観察する作業とも言えますね。
これは良いメタ認知の訓練になります。自分を客観視することで余計なストレスを抱え込まないことにも繋がる非常に大きなメリットです。
記憶力増強に役立つ
覚えておきたいことを書いておけば『記録媒体』としても活用できます。また、そうそう巡り合うことはないかもしれませんがなんらかのトラブルに巻き込まれた場合証拠としての能力を有する場合がありますね。
記憶力増強として活かしたい場合は『日付・参照にした情報源・そこで得た知識や出来事』を順番に書くと良いでしょう。型付けをすることで脳がスムーズに理解してくれます。
語彙力が上昇する
書くという行為を繰り返すと、習慣化された脳はそれに最適化されていきます。気づけばイロイロな語句を操れるようになり、はたまた「この感情をうまく表現する言葉ってないかなぁ」と辞書を引きはじめるかもしれません。知識欲はさらなる脳への刺激となるでしょう。
より語彙力形成を目指したい場合、手元に国語辞書などを用意しておくと検索がスムーズです。さらに様々な文学作品を読むことでインプットとアウトプットのバランスもとれるでしょう。
目的を明確化しよう
日記は『なんのために書くか?』を考えると人の数だけ書き方が存在する面白い題材です。ここでは日記を書いたことがない、日記の書き方がわからないという方のために、日記を書く上で役に立つテクニックをいくつかご紹介しましょう。
筆記開示
上司に理不尽な怒られ方をした! 確かにボクにも責任はあるけど人前であんなに怒ることないじゃないか! ボクがどれほど辛く悲しかったかわかるか! しかも大事な仕事中に呼び出して!!
これは日記というよりも『日々の鬱憤を晴らす行為』とイメージしていただいたほうが良いかもしれません。その手法はものすごくシンプルで『なぐり書きで吐き出して“捨てる“』だけです。
大切なことなのでもう一度書きますが、これは吐き出して捨てるというテクニックです。1度書いた内容はもう2度と書かずぜんぶ忘れましょう。なんならそのままゴミ箱にポイしても構いません。
大切なのは『心を偽らない』こと。怒りを覚えた、恥ずかしいと思った、ひどく妬んだなど、社会生活ではあまり吐き出せない思いをすべて書きなぐってぶつけてしまいましょう。心を偽ろうとした自分を併せて書くとひとつの自己認識としても利用できます。
後で見返すと……
え? ボクってあの時こんなこと感じてたの? へぇ~、まあたしかに恥ずかしかったけどここまで怒ることじゃなかったような……ああ、プロジェクトがキツキツだったからイライラしてたんだっけ
心は不安定なもので、どんな人でも無性にイライラしたり、なにかに当たってしまったりすることがあります。そんな思いをすべて日記にぶつけるのですが、ふと自分が書いた内容を思い返してみると「なんでこんなバカなことを考えていたんだ?」とか「そんなイライラすることじゃないだろ」と自分にツッコミを入れたくなるような内容だったりするのです。
これはイライラしていた自分を観察するメタ認知の良い練習になります。筆記開示用の日記は書きなぐった後捨てる、もしくは忘れるのが理想ですが、自分を客観視する能力を養いたい場合はたまーに見返してみるのもアリですね。
とはいえ、それを眺めてまたイライラが募ってしまっては元も子もないので、読み返すタイミングは睡眠で脳が回復した朝方にすることをおすすめします。あくまでもたまーに、ですよ?
ポジティブ3行日記
自動販売機の下で100円拾った、ラッキー。あと久しぶりに映画を見に行ったよ! 戦闘シーンが大迫力で面白かったな。あ、メンドくさがってゴミ箱に放り投げたゴミがキレイに入ったのなにげにキモチーよね
わたしが個人的に尊敬している精神科医の『樺沢紫苑』氏がたびたび紹介する手法です。どんな小さなことでも『幸せ』を感じたらそれを3つ書きこむというシンプルな手法となりますが現役精神科医がおすすめするだけあってとても役に立つテクニックとなります。
アナタが『幸せ』を感じた出来事ならどんな小さなことでも構いません。1ヶ月でも書き続ければ、アナタの周囲には意外と『幸せ』で満ちていたんだなという実感が湧いてくるはずです。
文章形式が難しい場合まずは箇条書きにして要点を掴み、それから文章をつくるとより効率的に書くことができるでしょう。
テーマごとに分けて書く
これは「仕事とプライベートは分けて考えたい!」とか「〇〇に関して書いている時ほかのことは考えたくない!」という方におすすめのテクニックになります。
仕事日記はその日の反省などを書くのも良いですが、最後に明日の予定を書いておくと当日の記憶整理にもなり、やるべきことがハッキリすることによって脳の余計なストレスも緩和できます。脳はわからない・ハッキリしない状態が大の苦手なのです。
また、ある事柄に関してだけは別の日記帳に書き連ねるという手法も良いでしょう。わたしもお仕事に関する日記は毎日(記憶が薄れないよう帰宅後すぐ)書くようにしていますし、プライベートの日記とは別にしています。このブログ『犬物語のつれづれグサッ』もわたし個人の日記と言い換えることができますね。
日記の媒体はなんでも
直接手で書くという運動が良い刺激になるため理想の媒体は紙ということになりますが、アウトプット自体が脳に良いため媒体は紙、パソコン、スマホなんでもござれです。文房具ではたくさんの日記帳が販売しています(自由帳や学習ノートでも構いません)し、パソコンやスマホなどは無料のアプリなども手に入ります。もちろんすべてのパソコンに標準装備されている『メモ帳』などで書いてもかまいません。
それに「ゼッタイ毎日書くんだ!」という妙なプレッシャーを感じる必要もありません。記憶の整理などで利用するなら毎日書くに越したことはありませんが、使命感にかられて書き始めると何のために日記を書いているのかわからなくなってきますからね。日記はあくまでも『なんのために書くか?』を主題において実践しましょう。
日記は『自分の心』と向き合う時間でもあります。自分が何を思い、何を考えているのか、日記を通してじっくり考えてみてはいかがでしょうか?
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