北京パラリンピック2022正式競技”パラアイスホッケー”について
アイスホッケーは別名『氷上の格闘技』と呼ばれるほど激しいスポーツです。男子ルールでは相手に対しチェック行為(妨害)が許されており、場合によってはスケートリンクを囲うボードを割ってしまうほどの衝突も珍しくありません。パラアイスホッケーもアイスホッケーに勝るとも劣らないレベルで衝突の激しいスポーツです。
YouTubeチャンネル、Paralympic Games:投稿動画より
パラアイスホッケーは別名『アイス・スレッジ・ホッケー』と呼ばれており、下半身に障害をもつ人が参加できるスポーツとして、北欧スウェーデンで誕生しました。今回はパラアイスホッケーについて書いていきましょう。
パラリンピックとは?
パラリンピックは『国際パラリンピック委員会(IPC)』が主催する、障害者スポーツの総合競技大会です。以下の障害に対応したスポーツが公式競技として用意されています。
・身体障害
肢体不自由(上肢、下肢)
欠損、麻痺
・脳性麻痺
・視覚障害
・知的障害
障害の度合いが個人により異なるため、それぞれの障害に適応した『クラス分け』が行われ、公平なルールのもと競技を行なうことができます。パラリンピック競技については、以前のブログ記事で紹介しましたのでそちらをご参照ください。ちなみに健常者でもパラリンピックの競技をプレーすることが可能です。もし興味がある方は挑戦してみてください、
日本パラリンピック委員会(JPC)
公式サイトは こちら
国際パラリンピック委員会(IPC)
公式サイトは こちら
内部リンク
パラリンピック競技一覧は こちら
夏期パラリンピックのクラス分けについては こちら
パラアイスホッケーのルール
パラアイスホッケーは『下肢障害』をもつ人のため、『アイスホッケー』のルールを一部変更して行われるスポーツです。スティックの長さや本数が変わったり、ソリのような用具を用いて滑走したりとなかなかユニークな競技へと変貌し、スティックについているブレードで漕ぎ、さながら『クロスカントリー』のような動作で前に進みます。
パラアイスホッケーで使用するリンク、ゴールなどの規格はアイスホッケーと同じものを使用します。詳しくは以前ブログ内で書いた記事をご参照ください。ほとんどアイスホッケーと共通していますが、いくつか異なる場合があるのでご紹介します。
共通点
プレイヤーはゴーリー含めて6人
選手交代は自由
相違点
女子選手も登録できる(登録枠が1増える)
→ 平昌パラリンピックにおいてノルウェー代表に女子選手が出場
登録メンバーは15人
1ピリオド15分、15分のインターバル
→ 計45分間の試合
内部リンク
アイスホッケーのルールについて書かれた記事は こちら
パラアイスホッケーの道具
通常のアイスホッケーはホッケー用のスケート靴を履きますが、パラアイスホッケーの場合は『スレッジ』と呼ばれる特殊なソリを用いてプレーします。
画像:日本パラアイスホッケー協会、公式サイトより一部加工
上がプレーヤー用、下がゴーリー(ゴールキーパー)用のスレッジです。プレーヤーは足を前に投げ出す形で座り、ゴーリーはあぐらをかくような座り方をします。
画像:日本パラアイスホッケー協会、公式サイトより一部加工
スティックは全長1メートル以下で、形や素材は自由に設定することができます。ゴーリー以外は両手に持つ二刀流のスタイルになり、股下でパックをドリブルしながら前進することになります。
前進する際、スティックの柄の部分にある『ピック』でクロスカントリーのような漕ぎ方を行います(画像下)。そのほかの道具はすべてアイスホッケーと同じものを使用するので、現在アイスホッケーをやっている方はとっつきやすいかもしれませんね。
日本パラアイスホッケー協会
使用する道具に関しては こちら
パラアイスホッケーの魅力
YouTubeチャンネル、Paralympic Games:投稿動画より
15分の3ピリオド、インターバルを挟んで合わせて1時間15分ですが、実際は頻繁に中断やロスタイム加算がされるため1試合2時間に及ぶ熱戦が繰り広げられます。アイスホッケー大国として名高いアメリカとカナダですが、パラアイスホッケーでもその強豪ぶりを発揮しており世界でもトップレベルの選手層を誇ります。
アイスホッケーと並び、ウィンタースポーツは北欧諸国やロシア、アメリカ北部、カナダなど北国が強国として名高いですが、近年は中国や韓国、そして日本などのアジア圏も世界選手権で奮闘するなど世界に対抗できるレベル層を形成しつつあります。
残念ながら日本代表は北京パラリンピック出場をかけた最終予選で敗退を喫してしまいましたが、この悔しさをバネに今後の世界選手権ではぜひ健闘していただきたいですね。
日本パラアイスホッケー協会
歴代パラアイスホッケー大会参加国成績は こちら
2022年3月2日現在、新型コロナウイルス感染症の災禍にあり、またロシア連邦とウクライナの関係悪化が国際的な問題となっていますが、その中でもパラリンピック選手たちの活躍は、見る人に勇気と感動を与えてくれるでしょう。今後行われるパラリンピック大会が楽しみですね!
YouTubeチャンネル、Paralympic Games:投稿動画より
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