【驚愕の事実】日本で「犬を食べられる」って知ってた?

世界の”犬肉事情”をわかりやすく解説!

 わんちゃん大好きな方には心苦しい話ですが、犬は食用としても世界各地で取り引きされており、犬肉を食べられるレストランもあります。

 日本でも食べられますが、これはチャイナタウンや犬食文化があるベトナム人が多い地域などにあるのみで、現代の犬を食べない日本人の間では犬はペットという認識のため、日本で犬肉を食べられるレストランはほぼ無いでしょう。

 ただし、日本もひと昔はふつに犬を食べる用途で飼育していました。世界ではどのような犬食文化があり、日本ではどのようにして犬を食べていたのでしょう? 犬に関するちょっと恐ろしい話といっしょに紹介します。

犬食文化がある国! アナタは犬を”食用”として見られますか?

 犬ってかわいいですよね。わたしは『犬物語』という名前で活動していますが、わたし自身、現在黒のラブラドール・レトリーバーと同居しているので、この記事は複雑な気持ちで書いています。

 アナタはどうでしょう? 犬を食べるなんてムリ! と思いつつも、どこか「どんな味するんだろう?」と気になったりしませんか? ――犬肉はどの国で食べられるのでしょう?

昔の日本人は犬を食べていた!

 現在の日本では犬を食べる文化風習自体がないので、犬を食べるという言葉に違和感を覚えると思います。しかし、昔の日本において犬の肉は基調な食料として重宝されていました。

 日本は縄文時代から犬と共に暮らしていたとされます。どのような用途で使われていたかは諸説ありますが、そのなかのひとつに食用として飼育されていた説もあります。

 日本の弓術として犬を囲に閉じ込め、騎乗してそれらを仕留める『犬追物』という鍛錬がありました。矢は軽く空洞のあるものでしたが、言うまでもなく矢で打たれた犬たちは無事では済まされません。動けなくなった犬たちは食料として利用されることになったのです。ちなみに、犬追物は江戸時代まで盛んに行われており、明治時代にも明治天皇の前で島津忠義が披露した記録が残っています。

J-STAGE 史学雑誌、服部英雄氏著
 犬追物の詳しい内容に関しては こちら

動物愛護法で守られた犬

 ここまで犬食文化が盛んであった日本は、なぜ現代食べられていないのでしょう? ――日本では歴史上多くの肉を食べることを禁じる法律が登場しており、たとえば天武天皇(即位年:673年~)犬食禁止令や徳川綱吉(在位年:1680年~)生類憐みの令が有名ですね。当時の日本では”米”に価値があったこともあり、日本では徐々に「肉食は穢れる」と考えられるようになり、犬食文化も自然となくなっていきました。

 戦時中は貧困に食糧難もあって犬を食べることが増え、あの忠犬ハチ公の孫が食べられてしまうこともあったようですが、明治維新以降の改革や日本社会の「犬はペットであり大切な家族である」という認識が広まった結果、日本で犬肉を食べるという文化や考え方自体がなくなっていったのです。

 現在、日本の犬は『動物の愛護及び管理に関する法律』によって保護されており、みだりに命を奪う行為は禁じられています。この法律を犯した場合5年以下の懲役または500万円以下の罰金となるのでご注意ください。そうでなくても、良識をもってわんちゃんたちと向き合ってお付き合いしたいですね。

 なお食用として犬を輸入することは禁じられていません。農林水産省が公表する『動物検疫年報』の輸入項にもしっかり『犬肉』という表示があります。2018年度時点のデータでは表記なし(おそらく0を表していると思われます)ですが、過去には5トンの犬肉が輸入されたデータもあるので、今後も日本国内で犬肉を食べる機会はありそうですね。

e-Gov法令検索
 動物の愛護及び管理に関する法律全文は こちら
厚生労働省、動物検疫所
 動物検疫年報に関しては こちら
 令和4年までの過去5年間詳細データは こちら

犬食はアジア・東南アジアが最も盛ん

YouTubeチャンネル、香港01:投稿動画より ショッキングな映像につき閲覧注意をお願いします

 犬を食用とする文化は世界各国にあります。ヨーロッパでは古くから『メキシカン・ヘアレス・ドッグ』が湯たんぽ兼食用犬として活用されていたり、最近CMに登場し人気上昇中の『チャウチャウ』も中国で食用飼育されていた歴史があり、現在でも食用として飼育されている場合があります。

 犬を食用としてもっとも消費するのは中国とされています。中国広西チワン族自治区、玉林市では毎年夏至の時期に『狗肉茘枝節(ライチ犬肉祭)』と呼ばれる犬を屠殺して食べるお祭りがあり世界的な批判を浴びたことがありました。広大な土地をもつだけに、中国といっても地方によって犬を食べる文化があったりなかったりします。中国政府(農業農村省)2020年4月に犬を『食用家畜リスト』から削除しましたが、現在でも犬食は盛んに行われているようですね。

 韓国は2024年1月に食用犬肉の製造と流通を禁止する通称『犬食用禁止法』が可決され、2024年8月7日に施行。2027年から完全に適用されます。韓国は犬食文化があり、犬肉を野菜といっしょに煮込んだ『補身湯(ポシンタン)』という料理が有名のほか、北朝鮮を含め数多くの犬料理が存在しますね。

 しかし、韓国は1988年のソウルオリンピック、日本と共同開催した2002年FIFAワールドカップなどをきっかけに犬食への規制が広まり、上記のように完全に犬肉禁止の法律が制定されるようになりました。逆に、北朝鮮はこのような規制はありませんので隠れた犬食料理スポットとなっているようですね。

 台湾では『香肉』と呼ばれ中国でも通じる言葉ですが、台湾ではすでに犬食は禁止されています。

韓国政府法政令公表サイト
 犬食用禁止法全文に関しては こちら(韓国語)

その他の犬食事情

 東南アジアでは多くの国で犬食文化があり、全体で食べられていなくても、かならずどこかの地域で犬食文化があるといった状況です。とくに犬食が活発なのはカンボジアインドネシアベトナムですね。

 中国もそうですが、ベトナムでは露天で犬肉が販売されており、そのまま買って食べることができるようです。動物福祉活動をする団体『Four Paws』によると、カンボジアでは毎年最多300万頭の犬が食用として処理されており、そういった犬の多くは盗まれたペットのであるとされています。

 また『HUMANE SOCIETY』は、アジア全土で毎年推定3000万頭の犬が食用のため処理されているとしており、中国では1000~2000万頭が食用として取り引きされていると主張しています。

 この他ガーナカメルーンコンゴ共和国ナイジェリアなどのアフリカ大陸では部族によって犬食文化があり、寒い国々では歴史的に非常食として重用されたりしています。イスラム教圏が根強い中東では「犬は不浄の存在」とされているためか犬食文化は基本的にありません。

Humane Society
 アジアの犬肉貿易に関しては こちら(英語)
Four Paws
 カンボジアの犬食事情に関しては こちら(英語)
Animals Asia
 ベトナムの犬食取引に関しては こちら(英語)

実は犬を食べるヨーロッパ圏

 ヨーロッパの国々は『犬は家族』という考え方が浸透しているので「犬なんてゼッタイ食べないだろうなぁ」と思うでしょうが、実はスイスでは合法的に犬を食べられますし、イギリスでも特に犬食を禁じているわけではありません。

 そもそも欧米は20世紀初頭までふつうに犬肉を食べていました。戦時中など物資が不足していた時代は肉屋に犬肉が並んでいたり、一般的に流通したりしていたのです。時代の変化とはいえ、つい最近まで犬を食べまくっていた国々が動物保護を訴え世界に広げていこうとする姿は、どこか人間の業の深さを感じざるを得ませんね。

 現状、動物愛護の考え方が世界に広がり犬をむやみに傷つけることを禁じる法律が世界各国で制定されています。韓国で可決された法律がきっかけとなり、この流れがさらに加速するかもしれませんね。

 アナタは犬が好きですか? それはどっちの好きですか? ――犬はわたしたちにとってかけがえのない家族です。これからも仲良くしていきたいですね。

 わたしは犬よりが好きです

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