北京2022パラリンピック競技大会 の競技案内
北京オリンピック・パラリンピックは2022年3月4日 ~ 3月13日までの10日間、中国・北京で行われた13回目の冬季大会です。6競技78種目が以下の地域で行われました。
今記事では北京で開催される『北京パラリンピック』の競技をすべてご紹介します。また、今大会においてメダル獲得者や8位以内と健闘した方について、下方にまとめているので参照してください。
前半として『北京オリンピック』の競技案内記事があるので、興味ある方は以下のリンクからどうぞ。
内部リンク
北京冬季オリンピックの競技一覧は こちら
北京パラリンピックの競技を一挙紹介 競技内容も網羅的に解説
パラリンピック冬季大会は基本の6競技が正式競技として扱われます。それから種目として男女や階級制など78の種目が用意されています。雪上競技、氷上競技合わせて以下の通りです。
・雪上競技
アルペンスキー
クロスカントリー
バイアスロン
スノーボード
・氷上競技
パラアイスホッケー
車いすカーリング
それぞれの競技について、わかりやすく解説していきましょう。
アルペンスキー
設置された旗門を通過し、いかに速く斜面を滑り降りていくかを争う競技です。100分の1秒の差を埋めるため、トップ層の選手は障がいや身体に合わせたオーダーメイドの装備で大会に望みます。以下の障がいをもつ選手が出場します。
・肢体不自由
・視覚障がい
競技は傾斜の角度やコーナーの数などにより『ダウンヒル・スーパーG・スラローム・ジャイアントスラローム・スーパーコンバインド』に分けられています。主なルールと特徴は以下の通りです。
・障がいの種類により
立位、座位、目隠し状態に種目が分けられる
・視覚障がい者はガイドと一緒に滑走し
声や音を頼りに競技を行なう
・障がいの度合いに応じてハンディタイムを設ける
YouTubeチャンネル、Keiko Ishino:投稿動画より
クロスカントリー
トレッキングポール(ストック)を用いて自力で雪道を走り抜ける競技です。滑走要素は少なめですが、距離により体力や精神力、戦術性に技術と幅広い要素が要求される競技です。以下の障がいをもつ選手が出場します。
・肢体不自由
・視覚障がい
競技は走行ルールにより『クラシカル・フリー』に分けられ、女子より男子のほうが少し長い距離を滑走します。リレー種目も用意されており、主なルールと特徴は以下の通りです。
・障がいの種類により
立位、座位、目隠し状態に分けられる
・クラシカル(クラシック)はスキー板を”八“の字にして
雪面を蹴って進む方法を用いると失格となる
あくまで”滑走“が求められる
・フリーは自由な滑走法が可能
・リレーは2.5km×4人
走順ごとに滑走法の指定あり
・1人の選手が2度滑走することも可能
・障がいの度合いに応じてハンディタイムを設ける
YouTubeチャンネル、公益財団法人 日本パラスポーツ協会:投稿動画より
バイアスロン
『クロスカントリー + ライフル射撃』両種目を規定回数行い成績によって順位を争う競技です。ライフルを背負ってスキー滑走し、その途中で射撃をするという一見変わった競技となりますが、これは北欧の狩人が行っていた狩猟を競技化した経緯があります。また、スキーで上昇した心拍のなかライフル射撃で精神を集中させなければならないという、意外と奥深い一面もあったりします。
以下の障がいをもつ選手が出場します。
・肢体不自由
・視覚障がい
競技は距離別に『スプリント(射撃2回)・ミドル(射撃4回)・インディビジュアル(射撃4回)』の3種目に分けられており、主なルールと特徴は以下の通りです。
・スプリント、ミドルは
射撃後に残る的の数だけペナルティー滑走
立位、視覚 = 150m
座位 = 100m
・障がいの度合いに応じてハンディタイムを設ける
YouTubeチャンネル、Paralympic Games:投稿動画より
スノーボード
雪上を滑走するスピードを競う競技です。変化に富むコースを障がいを持ちながら華麗に滑走する姿は圧巻で、以下の障がいをもつ選手が出場します。
・肢体不自由
競技は『バンクドスラローム・スノーボードクロス』の2競技が行われ、主なルールと特徴は以下の通りです。
・障がいの種類により
上肢障がい、下肢障がい重度もしくは軽度に分かれる
・バンクドスラロームは3回滑走し、その中の
最速タイムで競う
・スノーボードクロスは凹凸ある雪面に
ジャンプ台が設置されたコースを使用する
・予選は1人2回ずつ滑走し最速タイムを競い
決勝では1対1ももしくは複数スタートで
1位勝ち抜き戦を行なう
YouTubeチャンネル、Tabuchi1981:投稿動画より
パラアイスホッケー
サッカーやバスケットなどと同じイメージのゴール競技です。アイスホッケーは別名『氷上の格闘技』とまで呼ばれるほど激しいスポーツで、パラアイスホッケーも通常のアイスホッケーさながらの熱いプレーを見ることが出来ます。おおまかなルールもすべてアイスホッケーに準じていますが一部は障がい者用にアレンジされています。このブログ『つれづれグサッ』内部において、アイスホッケーとパラアイスホッケーに関する紹介記事がありますので、そちらもご参照いただければと思います。
以下の障がいをもつ選手が出場します。
・下肢に障がいのある肢体不自由
通常のアイスホッケーのルールに関しては以前ブログで取り上げましたのでそちらをご参照ください。主なルールと特徴は以下の通りです。
・スレッジと呼ばれる
スケートの刃を2枚つけたそりに乗って競技を行なう
・スティックは両手に1本ずつ使用
・試合時間は1ピリオド15分、計3ピリオドの
45分間。インターバルは15分
・女子選手の出場も認められている
YouTubeチャンネル、日本パラアイスホッケー協会/JPIHA:投稿動画より
車いすカーリング
ストーンを滑らせ約40メートル先に設置された円(ハウス)の中に留め合計点を競う競技です。カーリングは別名『氷上のチェス』と言われる戦術性が高いスポーツでもあります。以下の障がいをもつ選手が出場します。
・下肢に障がいのある肢体不自由
通常のカーリングと同じく最大5人編成となり、プレイの場に立てるのは4人となります。車いすカーリングでは男女の区別なく混合チームで挑むことができます。ほか、主なルールと特徴は以下の通りです。
・通常のカーリングと同じく
1エンド8投。ただしエンド数は8
・手による投擲のほか、投擲用の
デリバリースティックを用いる方法もある
・当適時は後ろに補助者がつき
車椅子を固定する
・ブラシで氷を摩擦する『スウィーピング』ができない
YouTubeチャンネル、一般社団法人日本車いすカーリング協会:投稿動画より
メダル獲得者・入賞者情報
ここでは大会中メダル獲得や8位以内の選手情報を随時更新していきます。3月14日に閉会式を終え、最終的に日本は『7』つのメダルを獲得しました。選手名に各選手へのリンク(日本パラリンピック委員会)を貼りましたのでぜひ参照してみてください。
今大会において得に大活躍を見せたのが『村岡 桃佳』選手です。アルペンスキー競技の各種目において3個の金メダルに1つの銀メダルと、1人で計4つものメダルを獲得しました。まさに大車輪の活躍ですね!
また、昨今戦禍に苛まれている『ウクライナ(Ukraine)』が今大会で大活躍をみせ、1位の中国に続き『29』個ものメダルを獲得しました。閉会式では平和を願うスピーチが感動的でしたが、この活躍が少しでも世界の人々に勇気を与えてくれれば良いですね。
国際パラリンピック委員会(IPC)
国別メダル獲得数は こちら
日本の獲得メダル数
金メダル = 4
銀メダル = 1
銅メダル = 2
メダル獲得、8位以内入賞者一覧
:アルペンスキー:
・森井 大輝 選手(クラス:LW11)
男子滑走、座位:銅メダル
男子回転、座位:5位
男子大回転、座位:8位
男子スーパー大回転、座位:銅メダル
・狩野 亮 選手(クラス:LW11)
男子滑走、座位:7位
・鈴木 猛史 選手(クラス:LW12-2)
男子滑走、座位:8位
男子大回転、座位:5位
・本堂 杏実 選手(クラス:LW6/8-2)
女子滑走、立位:6位
女子回転、立位:6位
女子大回転、立位:7位
女子スーパー大回転、立位:8位
女子スーパー複合、立位:6位
・神山 則子 選手(クラス:LW9-2)
女子滑走、立位:8位
女子回転、立位:8位
・村岡 桃佳 選手(クラス:LW10-2)
女子滑走、座位:金メダル
女子回転、座位:5位
女子大回転、座位:金メダル
女子スーパー大回転:金メダル
女子スーパー複合、座位:銀メダル
・田中 佳子 選手(クラス:LW12-2)
女子回転、座位:6位
女子スーパー大回転、座位:5位
女子スーパー複合、座位:4位
・原田 紀香 選手(クラス:LW12-1)
女子回転、座位:8位
:クロスカントリー:
・新田 佳浩 選手(クラス:LW8)
男子スプリント、フリー、立位:8位
男子20kmクラシカル、立位:7位
オープン10kmリレー(2.5km×4):7位
・川除 大輝 選手(クラス:LW5/7)
男子12.5kmフリー、立位:8位
男子20kmクラシカル、立位:金メダル
オープン10kmリレー(2.5km×4):7位
・有安 諒平 選手:(クラスB2)
男子20kmクラシカル、視覚障害:7位
・阿部 友里香 選手:(クラス:LW6)
女子15kmクラシカル、立位:8位
混合10kmリレー(2.5×4):7位
・岩本 啓吾 (クラス:LW3)
混合10kmリレー(2.5×4):7位
・森 宏明 (クラス:LW12)
混合10kmリレー(2.5×4):7位
・出来島 桃子 (クラス:LW6)
混合10kmリレー(2.5×4):7位
:バイアスロン:
・佐藤 圭一 選手(クラス:LW8)
男子12.5km、立位:7位
:スノーボード:
・大岩根 正隆 選手(クラス:SB-UL)
男子スノーボードクロス、上肢障害:8位
・小栗 大地 選手:(クラス:SB-LL1)
男子スノーボードクロス、大腿障害:5位
男子バンクドスラローム、大腿障害:7位
・小須田 潤太 選手:(クラス:SB-LL1)
男子スノーボードクロス、大腿障害:7位
・市川 貴仁 選手(クラス:SB-LL2)
男子スノーボードクロス、下肢障害:5位
男子バンクドスラローム、下肢障害:8位
・岡本 圭司 選手(クラス:SB-LL2)
男子スノーボードクロス、下肢障害:8位
こうしてまとめてみると、日本人選手団はメダル獲得ならずともものすごい活躍をみせてくれていますね! メダルを獲得した各選手のみならず、最後まで障害をものともせずやりきった選手たちに心から拍手を贈りたいです。また『日本パラリンピック委員会』のサイトでは各選手の情報や競技の最終成績も見ることができるので、ぜひアクセスしてみてください。
日本パラリンピック委員会
北京2022パラリンピック冬季競技大会、メダル獲得者情報は こちら
障害者の公平性を保つ”クラス分け”
障がい者が同じルールのなか競技に参加できるパラリンピックですが、参加者は様々な障がいを抱えているため、それらの公平性を保つためのハンディルールが必要になります。たとえば右腕欠損のみと両腕欠損では、同じスポーツをしても公平性が担保できていると言い切れませんよね? そういった問題を解決するために、障がい者競技では『クラス分け』が必ず行われているのです。
競技によりハンディタイムを設けているのもそのためですね。また、障がいにより選手が着用する装備に変化があることも興味深いところ。クラス分けに関しては以前記事として書きましたので、そちらを参照していただければ幸いです。
国際パラリンピック委員会(IPC)
パラリンピック参加者資格については こちら(注:英語)
日本パラリンピック委員会
パラリンピック選手の使用用具については こちら
内部リンク
障がいスポーツの“クラス分け“に関しては こちら
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