犬の食習慣や味覚などをわかりやすく解説! 歯や味蕾の数はいくつ?
犬は優れた嗅覚と聴覚をもっていますが、ではその他はどうでしょう?
わんちゃんたちは、毎日おなじエサを食べて飽きないのでしょうか? ――犬は人間より味を感じにくいので、食べ物に対する“飽き“を感じにくいとされています。
しかし、最近のドッグフードは犬を夢中にさせる味付けがされていたり、人が食べるような食べ物は強い味付けがされているので、それらを口にしたわんちゃんたちが「そっちの”おいしいほう”がいい!」と普段のドッグフードを拒否してしまう場合もありますね。
味を感じにくいですが感じないワケではない。これをしっかり覚えておきましょう。具体的に犬の味覚はどの程度なのか? 人間とどのくらいの差があるのか? わかりやすく解説していきたいと思います。なお、ひとことで犬と言ってもチワワからセント・バーナードまでさまざまですのでここで紹介したことがすべてのわんちゃんに当てはまるとは限らないことをご承知おきください。
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犬の食習慣と味覚は? 味オンチなの?
率直に書くと犬は味オンチです。犬の祖先はオオカミと言われていますが、彼らは厳しい環境のなかで生きており、そのなかで獲物をゆっくり味わって食べるといった習慣はありません。数日間獲物を探すことも珍しくなくその間はずっと空腹。獲物を仕留めた後は宴会のごとく食べまくるので、彼らの食習慣は『饗宴か飢餓か』とまで呼ばれています。
人間は自律神経(摂食中枢/満腹中枢)のバランスやホルモンなどで食欲が調整されていますが、犬の場合それらの働きが鈍い、もしくは無いと言われています。つまり、わんちゃんは与えられただけ食べるくらいの食欲をもっているのですね。
犬は主に嗅覚を頼りに食べられるモノを判別するので、口にしたものはほとんど噛まず飲み込んでしまいます。ここでも犬の秀でた能力である嗅覚が生かされているのです。犬の味覚について具体的に見ていきましょう。
犬の味覚
犬は聴覚と嗅覚の研究が盛んであるに対し、味覚関連の研究は比較的少数です。ただし、犬の味覚に関する多くの要素が明らかになってきており、たとえば以下のようなことが明らかとなっています。
・唾液腺の数
人間:3個
犬:4個
・歯の数
人間:32本(親知らず含む)
犬:42本(犬種による)
・味蕾(みらい)の数
人間:約9000個
犬:約1700個
ヒトは耳下(じか)腺、顎下(がっか)腺、舌下(ぜっか)腺があり、イヌはさらに頬骨(きょうこつ)腺があります。ここから出る唾液は消化の助けだけでなく、口腔内のケアやパンティング(犬の口呼吸)により体温を下げる機能ももっています。
歯は通常噛み切るための切歯(せっし)、突き立てるための犬歯(けんし)、食べ物をすりつぶすための臼歯(きゅうし)があります。ヒトは上下ともキレイに揃っていますが、イヌの場合上下の数が合わず、またヒトより数が多くなっているのがわかりますね。
犬種によって歯の数が少ない場合もあります。たとえばヘアレスドッグは遺伝子(FOX13)の関係で歯の数が少ない場合がありますね。
味は味蕾(みらい)で感じ取ります。味覚は『甘味・塩味・酸味・苦味・旨味』があり、辛味は痛覚刺激が主なので味ではありません。イヌの場合旨味は感じられないと一般的に言われ、そもそも味蕾の数が少ないのでわたしたちと同じ感覚で味を感じていることは無いでしょう。ちなみに、わたし自身試してみましたがドッグフードはけっこー薄味です。
人間の食べ物はとても濃い味付けがされており、犬にもハッキリ感じ取れるものが多いです。その結果、文字通り人間の食べ物に味を占めグルメなわんこが誕生してしまうかもしれないのでご注意ください。
犬が食べちゃダメなもの
基本的になんでも食べちゃう犬ですが、加齢とともに消化能力が落ちてくるので食事内容や回数に気を使う必要が出てきます。
一般的にわんちゃんの食事回数は2回とされていますが、老犬になるにつれ3回、4回と増やしていくと良いでしょう。また、大型犬や胸が深い犬種、急いで食べすぎてしまう子の場合は、胃にガスが溜まることで起こる胃捻転などの心配があるためゆっくり食事をさせることをおすすめします。
わんちゃんといっしょに暮らしていると、必ず「犬にネギ類はダメ」という知識が入ってきますよね。それだけでなく、実はわんちゃんにとって毒となる食べ物はけっこうあるのです。
・キシリトール含有食品
・カフェイン含有食品
・ネギ類
・アルコール
・ぶどう、レーズン
・アボカド
・チョコレート
・コーヒー
・マカダミアナッツ
・乳製品
・人間の食べ物全般
ここで紹介したものはあくまで一例です。場合によってはわんちゃんの命に関わり、実際に命を落としてしまった例もあるので注意が必要です。犬は甘味を感じやすく、人間が食べるチョコレートはとても甘いのでとくに気をつけたほうが良いかもしれませんね。
基本的に、人間の食べ物は味付けが濃く塩分などの栄養素が過多なので、わんちゃんにとってよろしくありません。
わんちゃん用 食事のしつけ
YouTubeチャンネル、ほめほめドッグトレーナー由香のYouTubeチャンネル:投稿動画より
犬はかわいいですよね。かわいいと、ついついおねだりを聞いてなんでもあげたくなっちゃいますが、基本的に『犬の食事は皿の中』でさせることを覚えさせましょう。
皿ではなく地面に落として食べさせると地面に落ちてるモノを食べる習慣がついてしまいよろしくありません。いわゆる拾い食いをしちゃうんですね。同じ理由で、エサを手渡しすることもさいしょは控えたほうが良さそうです。まずはしっかりお皿で食事させましょう。
一部のわんちゃんは食べるのが好きすぎて、皿にあるエサを一瞬で食べきってしまいます。そうなると胃袋に空気が入り込み胃捻転などのリスクがあるため、そういった子はエサをこまめに与えてゆっくり食べさせたり、早食い防止用の皿で与えることをおすすめします。
早食い防止用食器はちょっとした凹凸だけのかんたんなタイプから、もう本当に舌を伸ばして取らなきゃいけないタイプまで様々です。小型に大型、または愛犬の好みに合わせたモノを用意してあげましょう。
わんちゃんの「これ食べにくい! デコボコしてない皿にして!!」という視線を受けても鬼のこころで「めっ!」しましょう。
環境省
飼い主のためのペットフード・ガイドラインは こちら
犬は味オンチですが、その分食欲は果てしなく大きいのですね。コーギーやダックスフンドなど、犬種によっては肥満が致命的になる場合があります。愛犬のことを考えて、エサやおやつは必要な分だけ与えるようにしましょう。
わたしたちにとって甘いモノは魅力的ですが、犬にとっても甘味はとても魅力的です。しかし犬はタンパク質が主な栄養源であり、糖質はそこまで必要としていません。これもやはり、肥満対策として与える量を考えて上げましょう。たとえば糖質が少ないドッグフードをチョイスするのも良いですね。それらに関しては以下のページが詳しいです。
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ドッグフードに関する記事は こちら
人間と犬は、もはや切っても切れない絆で結ばれているんだと思います。毎日いっしょにさんぽして、遊んで、愛犬にとって幸せな毎日であればわたしたちも幸せな気持ちになれます。そんなわんちゃんたちのことを知って、今までよりもたっぷり愛情を注いでいきたいですね。
アナタと、アナタの”家族”が幸せでありますように。
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