コレステロール値を”高くするべき”な3つの理由

ホントは身体に良いコレステロール なぜ”悪者”になった?

 一般的にコレステロールと言えば以下の2種類に分けられます。

HDLコレステロール
  増えすぎた、または血管壁にたまったコレステロールを回収。肝臓へもどす働きをする
LDLコレステロール
  肝臓で作られたコレステロールを、血液を介して全身へ運ぶ働きをする

 よく「コレステロールは健康に悪い」とされていますが、とくに関連があるのはLDLコレステロールのほうですね。血液中にLDLコレステロールが増えすぎると血管壁に溜まってしまい酸化、さらに蓄積。ひどくなると血栓ができて動脈硬化まで進行、最悪の場合心筋梗塞狭心症脳梗塞などへ導いてしまうとても恐ろしい物質です。

<strong>おじさん</strong>
おじさん

なんだ? やっぱりコレステロールは悪者じゃないか!!

 その気持ちとてもよくわかります。しかしこれらは、本来健康体であれば体内でバランス良く生産され、滞りなく活動することができます。ではいったい何がいけないかというと、それは普段の食事や運動の習慣です。偏食、運動不足、そのほかストレスなど諸々の事情が加わるとLDLコレステロールは過剰に蓄積悪者として働かざるを得なくなるのです。

動脈硬化を引き起こすLDLコレステロールについて

 LDLコレステロールの濃度が高まると、やがて体内の活性酸素などにより酸化させられ『酸化LDL』という物質に変化します。この酸化LDLこそが諸悪の根源

 酸化LDLは血管壁を傷つけ血管拡張作用を損なわせる非常にキケンな物質です。さらに血管壁に付着した酸化LDLを免疫細胞である『マクロファージ』が捕食するのですが、こうなるとマクロファージ自身も動けなくなり粥状の物質(プラーク)へと変化、結果として動脈硬化を引き起こすことになります。

汐田総合病院
 動脈硬化に関する健康コラムは こちら

どうすれば防げる?

 LDLは構造的に酸化しやすいため、対策にはビタミンEビタミンCなど抗酸化作用のある栄養素をほどよく摂取して、身体を酸化ストレスから防御しなくてはなりません。これらは『緑黄色野菜』によく含まれていますね。ほか食材としてはHDLコレステロールを増やしてくれる『青魚(DHA/EPA)』や植物性脂質をバランスよく摂取するのもひとつの手段です。

 ほか身体が酸化しやすい環境に身を置かないことも重要で、たとえばストレスを多く抱えることや喫煙の習慣などは体内をドシドシ酸化させてしまいます。余計なストレスは抱え込まないようにしましょう。

 ――ちなみに、もし『卵の食べすぎはコレステロール的に良くない』のでしたら、いまごろ世界中のボディビルダーが入院していることでしょう。ガチのマジでやってる方は1日2桁の卵を食べているようですからね。まあ、彼らはガンガン筋肉に使っているという事情もありますから、結論としては人それぞれの適量を考えておいしく食べましょうということになります。

J-STAGE
 卵と健康について記された論文は こちら
e-ヘルスネット
 LDLコレステロールについては こちら
 酸化LDLに関しては こちら

コレステロール 実はこんなに”いいヤツ”だった!

 コレステロールには以下のような役割があります。

・胆汁酸、細胞膜、ホルモンの材料になる
免疫力の維持
・日光を浴びてビタミンDを作る材料になる

 コレステロールに関して多方から悪い評判しか聞きませんが、ほんとうに身体にとって害悪ならそもそも体内で作られることはありません。しかし、人間の身体では全体の8割のコレステロールが肝臓で合成し作られているのです。つまり食物で摂取されるコレステロールは2割程度ということになりますね。ちなみにコレステロールは脂質のほかも材料になります。

コレステロールを高くする理由1 様々な”材料”になる

 コレステロールは細胞を覆う細胞膜、十二指腸にて活躍し消化や排泄の助けとなる胆汁酸、人体の正常な機能を調節するホルモンそれぞれの材料となります。これらが身体にとって必要な物質であることは解説せずともわかるでしょう。

 コレステロールを低くするということは、必然的にこれらを生産する能力を弱めてしまうことに繋がりかねません。ほどよい脂質はむしろ摂取する必要があるので気をつけましょう。

コレステロールを高くする理由2 HDLはむしろガンガン増やしたい

 動脈硬化から命を脅かす諸問題につながるLDLコレステロール。これを回収し肝臓に戻してくれるのが『HDLコレステロール』です。HDLが特に優れているところは、マクロファージがLDLを貪食しプラーク状になった場合でも『コレステロールを引き剥がす力がある』という点です。血管の内皮細胞も保護してくれるので、HDLコレステロール値が高いことの恩恵が非常に多いという事実があります。

 食事で得られるコレステロールは全体の2割ほどしかありませんが、こだわるのでしたら豆腐納豆あどに含まれる『大豆たんぱく』でコレステロールの吸収を抑え、オレイン酸が豊富な『エキストラヴァージン・オリーブオイル』やDHA/EPAを多く含む『青魚』等の不飽和脂肪酸をほどよく摂取するようにしましょう。また適度な運動と禁煙も良い効果を生み出すようです。

 生活習慣を見直して『LH比』の改善を始めてみませんか?

コレステロールを高くする理由3 日光を浴びるだけで骨がゲンキに

 日光はありとあらゆる波長の電磁波が含まれているため『紫外線』も多く含まれています。その紫外線にの近くに存在する『コレステロール』が反応しビタミンDが合成されるのです。

 ビタミンDはさらに『肝臓 腎臓』とで水酸化処理が施され『活性化ビタミンD』へと姿を変えます。活性化したビタミンDは腸、骨などの細胞でカルシウムとリンの吸収を促し、骨の形成と成長を促す効果があります。

 陽の光を浴びるだけで骨が強くなる。これってスゴイ事だと思いませんか?

 ただ、紫外線と言えばみなさんご存知のとおり皮膚や目へのダメージ、ほか白内障や皮膚がんの元になることが心配されますよね? 以下の動画では9分15秒より『どのくらい日光浴すればいいの?』という疑問に答えてくれています。各研究団体の視点から解説してくれているのでぜひ参考にしてください。

YouTbeチャンネル、国立環境研究所動画チャンネル:投稿動画より

コレステロール そこまで気にすることないんじゃないか疑惑

 そもそもコレステロールは8割が体内で作られます。もし脂質を摂り過ぎても健康体であれば身体が勝手に一定の状態を保つようバランスをとっているのでよほどのことがなければ問題ないと思われますね。

 わたしも以前の健康診断で脂質異常症的な項目に引っかかった時、お医者さんから「コレステロール値が高いのは身体が必要としているから」というアドバイスを頂いたので、健康診断で基準値を超えていなければ特に不安がる必要は無いでしょう。これはあくまでわたし個人の感想ですから、もし気になる場合は個人的に健康診断をしてみる、もしくはかかりつけ医に相談してみると良いでしょう。

 詳しい話は過去の記事にあります。コレステロールに関する話もあるので併せて閲覧いただけると幸いです。

内部リンク
 わたし(犬物語)が健康診断に引っかかった話は こちら

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