やらなきゃいけない、けどやる気が出ない……アナタにも心当たりがありますよね?
やる気やモチベーションはジェットコースターのように乱高下するものなんです。“今“のアナタがいかにやる気に溢れモチベーションMAXだとしても、ちょっと時間が過ぎると脳は「あへぇ~」とやる気を無くしてしまします。
「やる気があればなんでもできる!」は文句なしの名言ですが、こころはそうかんたんに気合を入れられるものではありません。
やる気・モチベーションは『脳がもつ数ある機能のひとつ』でしかありません。脳は他にも『感情・無意識・理性』など様々な要素があり、たとえやる気を引き出したいと思っても、感情的に不安定だったり苦手な作業だったりすると、脳はすぐ「いやだなぁ~」とモチベーションを手放してしまいます。
しかたない、それが人間だもの――っということで、まずは『モチベーションは維持できない』ものだと割り切ることからはじめましょう。そして、モチベアップを図るのではなく『いつでもモチベアップできる環境や状態である』ことを大切にしてください。
✕ モチベーションを維持する
○ いつでもモチベーションをアップできる環境、状態に置く
今回はモチベーションを『上げる・維持する・下げない』の3点に分け、それぞれ「これだ!」と思うテクニックを厳選して紹介していきます。いきなり全て実行しようとするのではなく、まずは『どれか1つ』を試してみて、モチベーションをうまく保てたらそれを継続していきましょう。
モチベを”すぐ”上げる方法
モチベーションを維持するのは大変ですが、実はモチベーションを上げるのは意外とカンタンだったりします。ここではゼロからモチベーションを生み出す方法を紹介していきましょう。
とりあえずやってみる
いやいや、それができないから困ってるんだろ? ――そんなツッコミが聞こえてきそうですね。でもこれ、実は心理学的に最も効果的なテクニックだったりします。
これは一般的に『作業興奮』と呼ばれていますね。大元はドイツの精神科医『エミール・クレペリン(Emil Kraepelin)』氏が提唱した『作業曲線』にあります。作業をはじめてからの時間と、作業効率をグラフ化したとき、はじめの5~10分の間に集中力の上昇が見られることから付けられています。
やってるうちになんだか気分が乗ってきたぞ!
はじめはイヤだったけどなんか楽しくなってきちゃった
上記のような経験をしたことはありませんか? 作業ならどんなカンタンなものでも構いませんので、たとえば『1ケタのかけ算』の計算ドリルなどを5分間やるでも良いでしょう。それでもなおやる気が出ない……そんな時は『とりあえず準備する』ことからはじめましょう。
ランニングのやる気が出ない → とりあえずランニングシャツを着る。それでもやる気が出ない → とりあえず玄関先に行きシューズを見る。なんて段階的に刺激すると、だんだん脳も「お? やるか?」と興奮してきます。必要な心がけは「とりあえず」です。ムリにやる気を引き出そうとするのではなく、なんとなーく、とりあえずといった気分ではじめてみてください。
ノルマとご褒美を用意する
いわゆる『アメとムチ』ですね。どんな苦労も、その後に待っているご褒美を思えば乗り切れるものです。やる気が出来ない作業、たとえば宿題などが目の前にあるとき、まずはご褒美を設定してみましょう。
・宿題を終わらせたらゲームをプレイする
・仕事を終わらせたらケーキを食べる
・筋トレを済ませたらプロテインを飲む
アナタが『ご褒美』と思えるモノであればなんでも良いです。食べ物でもゲームでも、犬とあそぶことだって構いません。これらのご褒美はアナタの脳に快楽を与える『ドーパミン』をドパドパ放出します。困難の後の快楽、これは『ノルマを達成することの楽しさ』を強く刻み込んでくれます。
ゲームってとても楽しいですよね? とてもやる気が出てモチベーションMAXになります。それはゲーム設計者がプレイヤーにほど良い難易度の“壁“を用意し、それを突破することでプレイヤーが“報酬“を得ているからです。ドーパミンは本能を司る強力な信号なのでアナタが思ってる以上に効果絶大なはずですよ?
“目標”を書き出しすぐ見られる場所に貼る
『やる気があった瞬間を思い出す』ことでもやる気を引き出せます。そういった意味でこのテクニックは最も効果的な手段と言えるでしょう。自分が普段よく目にする場所、たとえば部屋の壁、作業机など『いつでも見られる場所』に貼り付けておくと良いですね。たとえ勉強に身が乗らなくても、このワードを見ればすぐモチベーションが膨らんでくるはずです。
・志望大学に合格する!
・来週のプレゼンがうまく行けば昇進待ったなし!
・たくましい身体になりたい!
脳はやる気をすぐ失いますが、ふとしたきっかけで思い出す素直な子でもあります。ゼロになったやる気もすぐ思い出してくれるので、近くに『やる気を引き立たせてくれるエサ』を用意し「ほら、やる気だせ」と脳を小突いてやりましょう。
モチベを維持する方法
せっかく生まれたモチベーションをすぐ無くしてしまうのはもったいないですよね? ということで、ここでは脳にやる気を維持させるテクニックを紹介していきましょう。
周囲の人に宣言する
人間は他人の目を気にする生き物です。どれだけ強がっても、一匹オオカミのつもりでも、この『一貫性の原理』には逆らえません。むしろ一匹オオカミタイプのほうが「あいつ一匹オオカミぶってるのに〇〇やってるよ(笑」という評判を恐れ、自ら首を締めてしまうことでしょう。
友人などに宣言するのも良いですが、これは“約束“を聞かせる人数が多ければ多いほど効果的なので、なるべく多くの人に宣言すると良いでしょう。
期日までに必ず課題を完成させます!
新ビジネスで売上1億達成してみせるわ!
ボディビル大会で優勝するぜ!
人は『ウソつき』を嫌います。だからこそウソつきにならないよう全力を尽くします。多くの人に宣言すれば「言ったからには達成しないと……」というある種の心理的圧力を生み出すのです。アナタが達成したい目標は隠すのではなく、逆に周囲にさらけ出していくスタイルで頑張ってみてください。
ウソつきにならないでくださいね?
好きこそものの上手なれ
どんな険しい道でも“好き“であれば続けられるものです。塾、部活、その他習い事だって“好き“になればどんどんのめり込んでいきます。でも対して好きじゃないのに習い事に通っていると、なんだかやる気が無くなっていきますよね?
やる気を出すキッカケとなる『動機づけ』には2種類あります。
・内発的動機づけ
好き
楽しい
興味がある
・外発的動機づけ
給料が高い
待遇が良い
名誉が得られる
外発的動機づけは目標を達成した瞬間やる気がガックリ下がってしまうので、自らの好奇心などをエネルギー源とする『内発的動機づけ』をモチベーションの元にしましょう。
アナタがやる気マンマンの部下をもつ場合、部下のモチベーションの元を探ってみましょう。もしその人が内発的動機づけで燃えてるようでしたら、給料アップなどをチラつかせると逆にやる気ダウンをもたらしていまう(アンダーマイニング効果)のでおすすめできません。
アナタがスポーツマンなら、アスリート向けに簡潔、わかりやすく図面化した用語解説があるので以下にご紹介します。
文部科学省管轄、日本スポーツ振興センター:アスリート育成パスウェイ
用語に関する解説は こちら
変化をつける
脳は単調な作業を「タイクツだ、飽きた」と評価します。かんたんな難易度の勉強、単純作業などはすぐ飽きてしまうので、モチベーションを維持するため内容に変化をつけましょう。宿題に複数の教科があるなら前半は国語・後半は数学など変化をつける。同じ教科でも前半は漢字学習・後半は文章問題など、とにかく『同じ作業を繰り返さない』ことが重要です。
これはやる気だけでなくスポーツの技術的練習など様々な点で活用できます。心理的のみならず身体的訓練にも活用できるので、たとえば通常の腕立て伏せに慣れてきたら手幅を広めてみるなど、変化をつけてやると楽しく鍛えることができます。
総務省、消防庁
順化の概要は こちら
モチベダウンを防ぐ方法
モチベーションを維持する工夫をしても、脳はちょっとしたキッカケで「あへぇ~」となってしまいます。そんな困った脳みそくんのため、やる気を減退させる要素を排除していきましょう。
環境を整える
いかに乱高下するモチベーションも『作業するしかない環境』であれば作業せざるを得ません。スマホなどの誘惑を封印。テレビは電源を消しコンセントコードはどこかにしまっちゃいましょう。部屋に誘惑が多い場合、カフェや図書館など集中できる場所に移動するのも手です。
とくに図書館はやる気に満ち溢れた人が多く、その雰囲気の中で作業を行えばアナタは集中せざるを得ない環境に身を置くことができます。同じ用途としてカフェも使えそうですが雑音などで集中を乱されやすい方にはおすすめできません。
ちょっとした雑音が混じったほうが集中できるタイプもいますので、これはアナタ自身が試して実感を得ると良いでしょう。
どうしてもスマホを覗いちゃう! アプリ楽しくてムリ! というアナタには『スマホ封印グッズ』がおすすめです。タイマーをセットするとその時間経過しなければどのような手段を用いても開けることのできない箱にスマホをぶちこめば、アナタは集中できる環境を手に入れられますよね?
わたしが確認した時点(2022年10月2日)で6,177人が平均4.3の評価点を記録した安心安定のスマホ封印グッズです。
ほどよい休息
人間の集中力は長続きしません。ムリに継続しようとするとモチベーションだけでなく作業効率までダウンしてしまいます。それを避けるためイタリアでコンサルタント企業を運営する『フランシスコ・シリロ(Francesco Cirillo)』氏が考案した『ポモドーロ・テクニック』を活用してみましょう。
① 作業内容を選ぶ
勉強、仕事作業など
② 25分タイマーをセット
時間を測れるものであれば何でも可
③ タイマーが鳴るまで作業を行う
時間に追われると作業効率が上がる
④ 5分休憩する
スマホ操作など”余計な遊び”はしない
⑤ ②~⑤を4回繰り返したら15~30分ほど休憩する
同じく余計な遊びはしないこと
時間厳守で「もうすぐ終わるからあと少しだけ――」ということはしないでください。休憩中は余計なことをせず、目を閉じ楽な姿勢になるなど休むことに専念します。その日の作業を終えたら『作業内容・進捗・反省点』をチェックシートに記入して、次回のポモドーロに備えます。やりっぱなしでは作業効率が良くなりませんからね。
人には体内時計が備わっているとされます。ポモドーロ・テクニックでは基本的に『25分~5分』のループですが、どの時間配分が最適かはアナタ自身が試してみると良いでしょう。
CIRILLO CONSULTING GMBH(シリロ氏のコンサルタント企業)
ポモドーロ・テクニックの概要は こちら(英語)
先の展望を見すぎない
先を明確にイメージできないと、脳はやる気をどん底に落としてしまいます。あまりに遠い目標は効果ダウンなので『目にみえて、届きそうな目標』をしっかり立てることが重要です。
少年野球選手が「プロ野球選手になりたい!」と思っても、いきなりプロの舞台に立てるわけではありませんよね? まずは今の自分の長所や短所を見つめ、伸ばせるところは伸ばし改善できる部分を固めていく。階段を1段ずつ登る気持ちで前進することが大切です。
ダイエットのためとはいえ「1ヶ月で20キロやせる!」のはムリ過ぎでしょう? わたしは全盛期125キロから減量し記事作成時点では85キロ前後で調整していますが、全盛期からマイナス40キロものダイエットは年単位で考えて実践してきました。
何事にも『できる範囲で継続する』のは大切なことだと思います。
ストレスが溜まればすべて無意味
心とは脳のあれこれです。ストレスを溜めると脳にダメージが蓄積していき様々なパフォーマンスを低下させてしまいます。この時はいくらモチベーションを上げたい、作業に集中したいと思ってもまるで気持ちが入らず、作業中もどこか上の空でぜんぜん効率が上がりません。
ストレスはモチベーションの敵なのです。
ストレス低減法としては『瞑想』や『適度な運動』、なにより『睡眠の確保』が挙げられますが、最も重要なのは『そもそもストレスを溜めない』ことです。それがむずかしい現代社会、すこしでもストレスを低減させるため、専門家が数多くのテクニックを厳選した本を常備しておくと良いでしょう。
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