YouTubeチャンネル、さなまる転勤旅日記:投稿動画より
湯西川ってどんなトコ? 交通アクセスや平家落人伝説、かまくら祭り会場の情報
日光市、湯西川の歴史は源平合戦(壇ノ浦の戦い)で敗れた平家の人々が落ち延び土着したことから始まります。歴史上の遺物も多く、古き日本の風習が残っているため歴史的価値が高い品物もたくさんあります。それらの資料を現代に引き継ぐための村おこしとして、湯西川では『平家の里』を中心に雪国ならではの『かまくら祭り』が開催されるようになりました。
新型コロナウイルス感染症の影響で開催が危ぶまれていましたが、今年はかまくら祭り30周年ということで規模を縮小しながらも無事開催。連日多くの観光客で賑わっています。
わたし(犬物語)も日光市民としてずぅ~っと興味アリアリでして、今年2月上旬にかまくら祭りへ参加してきたのでその様子をレポートしつつ、湯西川の魅力をたっぷり紹介していきたいと思います。
日光旅ナビ
湯西川温泉 かまくら祭りについては こちら
定番の観光情報誌で日光名所をチェック
湯西川の歴史・魅力を紹介
湯西川温泉駅から平家の里まで車で20分ほど
かまくら祭りは『平家の里』をはじめ、。沢口河川敷の『ミニかまくら会場』、『湯西川 水の郷』の3箇所で開催されます。
・期間
2023年2月26日まで
・会場
沢口河川敷 ミニかまくら会場
時間(金・土・日限定のかまくら点灯時間)
17:30 ~ 21:00
料金
入場無料
住所(手前の薬師寺堂参照)
〒321-2601 栃木県日光市湯西川1222
湯西川水の郷 雪まつり
時間(毎週水曜休日)
10:00 ~ 15:00(スノーパーク)
10:00 ~ 19:00(温泉施設)
料金(スノーパーク入場料)
大人:1000円(入浴のみ:700円)
子供: 500円(入浴のみ:350円)
住所
〒321-2601 栃木県日光市湯西川473-1
平家の里
時間(期間中無休)
9:00 ~ 21:00
17:30 ~ 21:00(かまくら点灯)
料金
大人:510円(15:00以降:300円)
子供:250円(15:00以降:200円)
住所
〒321-2601 栃木県日光市湯西川1042
道の駅『湯西川水の郷』は温泉施設もありスノーパーク入場料を支払った方は無料で温泉を楽しむことができます。スノーパークの最終受付は14:00、入浴受付は18:00までなのでご注意ください。
湯西川温泉かまくら祭り開催中、路線バス湯西川線は増便ダイヤが設定されています。くわしくは日光交通の公式ページをチェックしてください。
日光交通
路線バス・湯西川線の時刻表は こちら
平氏落人の安息の地 湯西川
栃木県日光市の北方。山の奥深くまで入り込んだ秘境に湯西川があります。
1180年ごろの平安時代末期。平清盛を中心とする平氏に対し源頼朝が反乱を起こし数年間にわたり続いた『治承・寿永の乱(源平合戦)』がありました。はじめは平氏が優位にすすめていたものの徐々に源氏が逆転。最終的に『壇ノ浦の戦い(1185年)』の戦闘で平氏が敗北。一族は全国に四散することになります。
栃木県方面へ逃げ延びた『平貞能(たいらのさだよし)』ら平氏一族は宇都宮朝綱を頼り川治の鶏頂山で隠れ住むことにしました。この時とてもめでたいことに一族に新たな子どもが誕生したのです。めでたいので忍んでいた彼らもちょっと気を抜いちゃったんでしょうね。
子どもが生まれましたぞ!
平貞能:マジで! 祝お! メッチャ祝お!!
ちょうど端午の節句がありますぞ!
よっしゃ! 布切れを縫い上げて旗を上げちゃうぞ!
――と言ったのかどうかはわかりませんが、とにかく隠れ住んでたのに目立ちまくることをしたわけですねぇ。
はい、源氏側の残党狩りに見つかります。
平貞能は北の塩原へ、同行していた平清盛に近い血をもつ『平忠房(たいらのただふさ)』は西へ進み湯西川へ至りました。こんな経験をしたためか、湯西川地域では今でも以下のような風習が残っています。
・端午の節句を1日遅れで行う
・鯉のぼりをあげない
・煙をたてない
・鶏を飼わない
もう目立つのはゴメンだという平家落人のうっかりエピソードですね。その後平忠房は湯西川で隠れ住むうちに温泉が噴出する雪の積もらない土地を発見。湯西川温泉を開拓するきっかけにもなり、湯西川地域では今も“平氏の人“を意味する『伴(ばん)』姓の方が住んでらっしゃいます。
栃木県
湯西川の平家落人伝説については こちら
湯西川に行くには?
YouTubeチャンネル、ヒコボンのなんでもチャンネル:投稿動画より パート2と併せてチェックしてみてください
湯西川の最寄り駅として『湯西川温泉駅』があります。ここは売店やフードコート、さらに天然温泉まで備える『道の駅 湯西川』と併設されているのでお土産の購入やリフレッシュにも最適です。
駅から湯西川温泉街は車で20分ほどかかります。なので湯西川への交通手段は『電車 → 路線バス』もしくは『車』のいずれかになりますね。
電車と路線バス
新型特急『リバティ』などを利用すれば東京浅草駅から湯西川温泉駅まで乗換なしで直通です。また東武鉄道や日光交通ではそれぞれ運賃が安くなるフリーパスが提供されているのでお得ですね。
まずは『湯西川温泉駅』で降り、駅を出てすぐの『湯西川温泉駅 バス停』より湯西川温泉方面へ。20分ほどで中心部へ到着します。
車
アナタの出発地点が東京方面か福島方面かによってルートが異なります。湯西川への入り口は湖やダムがあったり電車が通る鉄橋があったり道の駅があったりするのでとてもわかりやすいです。
・東京方面から
東北自動車道を利用
→ 宇都宮ICで降り 日光宇都宮道路へ
→ 今市ICで降り 国道121号線へ
→ 鬼怒川方面へ進み丁字路を左折 県道249号線へ
→ 20分ほどで湯西川へ到着
国道4号線を利用
→ 宇都宮市内で 国道121号線へ
→ 十字路(春日町信号)を右折 国道121号線へ
→ 鬼怒川方面へ進み丁字路を左折 県道249号線へ
→ 20分ほどで湯西川へ到着
・福島方面から
国道121号線を利用
→ 道なりに進み丁字路を右折 県道249号線へ
→ 20分ほどで湯西川へ到着
国道4号線を利用
→ 十字路(西三島信号)を右折 国道400号線へ
→ 上三依の丁字路を左折 国道121号線へ
→ 道なりに進み丁字路を右折 県道249号線へ
→ 20分ほどで湯西川へ到着
車を利用する場合、湯西川へは必ず国道121号線を経由します。栗山方面からのルートは冬季閉鎖するので、通行する場合は日光市の公式ホームページなどをチェックしておきましょう。
なお、湯西川は雪が多い地域なのでスノータイヤやチェーンは必須です。あたたかい格好で長靴も持っておくと安心ですね。
広い日光市は空から見よう
湯西川温泉かまくら祭 平家の里見学レポート
YouTubeチャンネル、Come Come NIKKO Channel -カムカム日光チャンネル-:投稿動画より
日光市は日本で3番めに大きな市です。わたしは日光市の人ですが、湯西川方面は山奥なので日光市であって日光市でないどこか遠くの場所という印象がありました。ただ、湯西川かまくら祭りの存在は知っていましたし、今年は3年ぶりに開催 & 30周年記念ということで「今しかない!」と、生まれて初めて湯西川へ足を踏み入れることにしました。
お昼に向かったためイルミネーションは見られなかったものの、今回訪れた『平家の里』では貴重な体験ができました。道中のより道レポートなども含めるので「平家の里の内容だけ知りたい!」という方は下方へスクロールしてください。
湯西川への道すがら 道の駅湯西川と湯西川水の郷
自宅から車を走らせて北へ、鬼怒川に川治と名だたる温泉街を抜けさらなる奥地へと臨みます。そこからさらに山ひとつ乗り越えた先に見えるのが『道の駅 湯西川』です。
おなじ建物に湯西川温泉駅が併設され売店やフードコート、さらに温泉施設までありまさにこの施設自体が観光名所といった感じ。帰りの土産になりそうなものを物色していたらなんとシカ、イノシシ、クマの缶詰が販売されてる! ――どうする? これはどうする?
クッ! ――ジビエは、ジビエは湯西川で食べたいんじゃ!!
まあ、この後とある事件が起こってジビエ食べられなかったのですがそれは後の話。名残惜しくも今回はスルーして湯西川への道を行きます。冬の雪化粧も良いですが、このあたりは紅葉名所としても全国的に有名ですね。わたしは日光市民としてその時期の渋滞っぷりのヤバさを知ってるので、紅葉時期は外出しないか地元民が知る裏ルートで渋滞を回避したりしています。
内部リンク
日光の紅葉、観光、渋滞回避ルートは こちら
トンネルをいくつか抜けてたどり着いたのは『湯西川 水の郷』。近くの吊り橋の向こうではお祭り会場のひとつスノーパークがあります。平日の昼間ということでお客さんの姿はなく売店も閉まっていましたが、肌をさす寒さに「秘境へやってきた」感がどんどん増していきます。さて、ここでは別の用事もあってやってきました。
温泉はいるぞ! 日光市民は300円なんだぞ!
pH値9.5という素晴らしいアルカリ性単純泉は一瞬にしてお肌ツルツルに。湯西川の広大な景色を楽しめる露天風呂は外気ですこし温度が下がり、ながくゆったり浸かることができました。こうしてすっかり温まった身体をひっさげいざ『平家の里』へ。湯西川は平家落人伝説にふさわしく、建物のあちらこちらで平安や鎌倉時代の味がある門構えが魅力でした。湯西川全体で盛り上げようとしてる感じがしてとても良いですね。
平家落人伝説 平家の里
平家の里は平家落人伝説を現世に伝えようという目的で建てらたそうです。国の政策と当時の栗山村長『斎藤喜美男』氏が主導し昭和60年(源平合戦 敗戦600周年)に平家の里を竣工。平家に縁ある下関の赤間神宮分祠も建立され名実ともに湯西川の観光名所となりました。
厳かな外門をくぐり、入場料を支払っていざ内部へ。平家の里は茅葺屋根の7つの棟それぞれに歴史的資料が展示されています。当時の暮らしが垣間見える農具、狩猟道具、鋳造器具、極寒を耐え抜く防寒服、暖をとるこたつに囲炉裏、キッチン用品や食器までずらりと並んでいました。
・太敷(ふとしき)館
1棟
入場受付、各種案内が表示されお守りなども販売される
・調度営みどころ
2~3棟
農耕、狩猟、防寒服など住人の暮らしぶりが垣間見える
・床(ゆか)しどころ
4~6棟
平家にまつわる伝承や道具、歴史に関する資料が展示される
・種々つたえどころ
7棟
展示物はなく催事、祭りなどの会場になる
・よろず贖(あがない)どころ 餉(かれい)の館
8棟
売店、軽食ができ平家大祭の写真も展示される
・お休みどころ
9棟
休憩所。過去放映された湯西川関連のテレビが流されている
・赤間神宮分祠
壇ノ浦の戦いで幼くして入水、崩御した安徳天皇をまつる分祠
休憩所では過去放映されたテレビ番組『新日本紀行』が放映されていました。昭和40年代の湯西川は古き善き日本を思い起こさせ、なんともなつかしい気持ちにさせられましたね。
平家の里
公式ページは こちら
平氏と源氏の和解 赤間神宮
平家落人伝説の湯西川ですが、日本には源氏の子孫もたくさんいらっしゃいますよね。それらの子孫が顔を合わせたときどうなるか? ――平成6年10月27日、平家の里に源氏方の子孫が招待され、平家側の子孫と和睦の証を締結しました。それらの記録は平家の里床しどころ(5棟)にまとめて展示されています。
「平家の子孫だと? ゆるさん! 撲滅しろ!」なんて人もいたりしない?
催事場として利用される『種々つたえどころ(7棟)』は、つもり積もった雪が屋根を突き破り補修中で、訪れた当時ブルーシートに覆われていました。近くのスタッフさんに尋ねてみたところ、本来集会や催事場として活用されるらしくとくに展示物があるわけではないそうです。
平家の里の一番奥。神秘的な木々に囲まれ赤間神宮の分詞がひっそりと佇んでいました。なんとなーく、こういう場所に立った時お辞儀をしたくなりませんか? ――ちょっぴり緊張して足を踏み入れてみれば、真っ赤な外観にぶら下がった鈴。そしてお供え物らしき酒や魚缶の数々が置かれていました。
なぜ魚缶? ――まあいいや。とりあえずお祈りしとこ
湯西川の美しい自然 寒くておしるこを食す
YouTubeチャンネル、M. 88:投稿動画より
平家の里の道中、いくつものミニかまくらが人々を囲んでいました。夜はそれらすべてに明かりが灯されステキなイルミネーションが見られます。今回はお昼中での散策となりましたが、機会があればで夜のライトアップも堪能したいですね。
気づけば雪が降り積もる湯西川。温泉で温まった身体もすぐ冷え込んでしまい、わたしはこごえる手をさすりつつ休憩所へ飛び込みました。
売店を物色しつつ、気のいいおばちゃんにあったかぁ~いおしるこをひとつ注文します。が、わたしは何を考えたのか同時にヒエッヒエのアイスクリームまで注文。付け焼き刃で温まった身体を芯から冷やす暴挙。幸いというかなんというか室内は暖かかったのでしばらくここに留まることにしました。
中では湯西川がほこるもうひとつの観光イベント『平家大祭』の写真が展示されています。毎年6月中旬開催、コロナ禍がまだ怖いところですが、今年はぜひとも開催してほしいものですね。
そしてジビエは……
ゆっくり回って1時間30分程度だったと思います。帰り際に、湯西川名物のジビエを食いたいなと考えていましたが、そこで受付の方からとんでもない事実を耳にしました。
原発事故があったでしょ? アレがまだ残ってるから今湯西川で獲った肉をお客さんに提供できないんだよ
な、なんだってー!!
そりゃあもうビックリですよ。が、ネットの情報では今でも湯西川でジビエ料理が食べられるらしい「おいしかった!」的なコメントばかり。さらに問いかけてみるとまさかの返答がありました。
よそから入荷してきた肉なら提供してもいいんだよ。たぶんそういうことじゃないかなぁ
な、なんだってー!!
しかも鹿肉や熊肉などを取り扱ってる商店が今市にあるという事実。わざわざ湯西川に行く必要なかったじゃん! っとあまりの悔しさに湯西川でジビエ料理を食べる大失態。泣く泣く道の駅で見つけたジビエ肉の缶詰を購入し家で食べるというオチが待っていました。
うん、こんどはぜったい食べよう。平家大祭に行こう。いつか必ず湯西川にリベンジします。
ジビエ肉を取り扱う今市の業者『渡辺和哉商店』
ホームページは こちら
湯西川は大自然に囲まれた豊かな土地です。平家落人伝説に魅力ある施設の数々。温泉にお祭りなどまさに秘境と言えるのではないでしょうか?
日光市といえば『日光東照宮』を思い浮かべるでしょう。しかし日光市には二社一寺をはじめ奥日光、鬼怒川、湯西川など錚々たる温泉地があり、桜の名所があり、涼しい避暑地があり、紅葉名所があり、ウィンタースポーツを楽しめる場所があります。
1年通して魅力満載の日光市へぜひ起こしください。アナタのご来訪を心よりお待ちしています。
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