【泉質】温泉はちゃんと調べないと逆効果になります【世界の温泉事情】

温泉が健康に良いはウソ? アナタに効く温泉の種類は?

 温泉、いいですよね!

 わたしは温泉が大好きで、ちょくちょく地元の温泉を巡っています。最近は親戚の家がある『那須塩原』の温泉を堪能し、雪国に負けないホットな身体で親戚と交流しました。

内部リンク
 那須塩原の温泉と餅つきに関するお話は こちら

 以前それについてブログに書いた時、ふと疑問に思ったことがあるのです。

<strong>犬物語</strong>
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温泉ってなんで身体にいいんだろう?

 考えてみると妙だと思いませんか? ただお湯に浸かるだけで身体が健康になるなんて話、飛び込みセールスマンの「この美肌クリームを塗るだけで美しくなれますよ!」という言葉くらい信じられないものです。

 わたしたちは、実際に温泉を活用して身体が軽くなったり、肩こりが直ったりする効果を実感しており、現代の科学が進歩した時代でも、温泉は多くの人々に親しまれています。医療の世界でも『温泉療法』という治療法が存在するくらいです。

<strong>犬物語</strong>
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そもそも”泉質“ってなんだ? 本当に効果があるのか?

 気になって夜も8時間しか眠れなくなったので、今回は温泉の泉質に関して1から調べてみました。その内容をまとめて書いていきましょう。

Bitly

そもそも温泉とは? 泉質を一挙紹介! 温泉の効能にエビデンスは?

 温泉の定義は『温泉法』によって定められています。

この法律で「温泉」とは、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、別表に掲げる温度又は物質を有するものをいう。

e-Gov法令検索:『温泉法』より

 温泉法の別表を参照すると、温度は温泉源から採取された時点で『摂氏25度以上』が必要だそうです。物質は水素イオンリチウムイオンなど19種類が記載されています。また、とくに治療目的になりうる温泉を『療養泉』と呼ぶようですね。こういった記述を見ると、なにやらしっかりとしたエビデンスがありそうな気がします。

 温泉は特定の病気の治療より『症状や苦痛の軽減・健康回復や増進』など全体的に改善する効能がありますが、病気によっては『禁忌症』と言って悪化する場合もあるので、「温泉療養を利用したい!」という方は専門的知識のあるお医者さんと相談しながら実践すると良いでしょう。

デジタル庁、e-Gov法令検索
 温泉法の全文は こちら
環境省
 温泉療養のイ・ロ・ハについては こちら

そもそも科学的根拠はあるの?

 温泉の泉質と効能に関しては、環境省が平成26年に改定された『鉱泉分析法指針』を元に記されています。また温泉が身体にどのような影響をもたらすか? にてついてもきちんとした基準が設けられており、医学的知見等を踏まえて禁忌症だけでなく飲用時の身体への影響につていも調査する必要があります。指針には調査法や期間などが記されており、温泉の有効成分はちゃんとエビデンスがあると感じられるような内容でしたね。

 ちなみに温泉の効能は『総合作用による心理反応を含む生体反応』とされています。つまり「コレだ!」というハッキリした理由は無く、温泉に含まれる化学的因子温度、その他物理的環境的な要因が合わさって心身ともに「なんかいい気持ち」になっているのが温泉のパワーです。身体的な効果がないわけじゃありませんのでそこは勘違いしないようにしましょう。

 適応症と禁忌症の意味は以下の通りです。

適応症
  入浴することで良い効果を得られる可能性があること
  温泉療養の場合2 ~ 3週間続けての入浴が望ましい
禁忌症
  1回の入浴、飲用で有害事象を生ずる危険性がある病気・病態
  → その状態で温泉に入ると危ないですよ! ということ

 以下に温泉全体に言える『一般的適応症禁忌症』を抜粋しましょう。

温泉の一般的適応症
 ・胃腸機能の低下
 ・軽い高コレステロール血症
 ・痔の傷み
 ・ストレスによる諸症状 など
温泉の一般的禁忌症(入浴時)
 ・病気の活動期(特に熱があるとき)
 ・少し動くと息苦しくなるような重い心臓または肺の病気
 ・むくみのあるような思い腎臓の病気
 ・消化管出血 など

 温泉で血流が促進されるので、そのあたりの病気を患っている方は注意が必要でしょう。これらは温泉全体に言える共通の効果であり、その他それぞれの泉質によって適応症や禁忌症が追加されていきます。では、泉質はどのようなものがあるのでしょうか?

環境省
 鉱泉分析法指針については こちら
 適応症と禁忌症については こちら

泉質と効能について

 環境省のサイトなど複数の情報によれば、泉質はおおよそ11種類に分けられるようです。それぞれ細かい区分けがされていますが、以下では提示用で多く用いられる泉質とそれぞれの代表的な適応症を紹介します。

単純温泉
  自律神経不安定症
  うつ状態、不眠症
塩化物泉
  冷え性、末梢循環障害
  きりきず、皮膚乾燥症
  うつ状態
二酸化炭素泉
  自律神経不安定症
  きりきず、末梢循環障害、冷え性
炭素水素塩線
  きりきず、皮膚乾燥症
  末梢循環障害、冷え性
硫酸塩泉
  きりきず、皮膚乾燥症
  末梢循環障害、冷え性
  うつ状態
含鉄泉
  鉄欠乏性貧血
含アルミニウム泉
  筋肉痛、関節痛
  慢性皮膚炎
含銅-鉄泉
  月経障害、高血圧症
硫黄泉
  アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬
  慢性湿疹、皮膚化膿症
酸性泉
  アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬
  表皮化膿症、耐糖能異常(糖尿病)
放射能泉
  高尿酸血症(痛風)、関節リウマチ
  強直性脊椎炎

環境省
 新旧泉質名対照表は こちら
 泉質別適応症、禁忌症については こちら

世界の温泉事情 世界から見た日本の温泉

YouTubeチャンネル、Sharla in Japan:投稿動画より

 世界では、温泉と言えば水着で入る習慣のほうが多く、日本のように不特定多数が素っ裸で入浴という文化は少ないようです。自然のままの地形で男女関係なく入れる光景は、なかなか日本では考えにくいですね。試しに英語で[Hot spring naked(温泉 裸で)]と検索したところ、ヒットしたページのほとんどは『日本の温泉事情』について紹介する海外のサイトでした。

 このあたりは日本における温泉文化の特異性がハッキリ表れていますね。

 日本は火山地帯であり、あちこちで温泉が湧く温泉大国でもあります。その環境のなかで独自の温泉文化が生まれ、湯治温泉療養など独自の風習も多くありますね。そのような文化は世界からも注目され、海外では日本の温泉について研究した論文もちらほら伺えます。以下の論文では『日本の温泉療法と法規制歴史、文化的側面』が研究題材にされているようですね。

ScienceDirect
 日本の温泉文化研究に関しては こちら(注:英語)

 ちなみにという話ですが、温泉の泉質表示は温泉施設に提示することが義務付けられています。そのほか入浴施設ではだいたい以下のような文言が併載されていますね。

・食事前後の入浴、飲酒状態での入浴は控えましょう
・高齢者や子どもなどは単独での入浴を避けましょう
・水分補給を忘れずに
・お湯に入る前にかけ湯をし、身体を洗いましょう
・気分が悪くなったらすぐに出ましょう
・浴槽にタオルなどを入れないようにしましょう

 わたしも温泉好きとしてこれらに気をつけていて、入浴前にはかならず身体の要所を洗っています。温泉は心も身体もスッキリする心地よい空間です。昨今は外出自粛などによりストレスを溜め込みやすい日々が続きますが、こういう時だからこそ温泉でひと息つきたいですね。

Bitly

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