1、2回めのワクチン接種からはや6ヶ月。医療従事者、高齢者、基礎疾患保持者の方から優先してはじまり、ようやく若い(と思いたい)男性であるわたしのもとにも3回目のワクチン接種に関する接種券が届きました。
お手紙の内容は初回接種の時と同じA4サイズでしたね。おそらくみなさんの元にも届いているでしょうが、おおまかにまとめると以下の通りになります。
・ワクチン接種予約の方法
・利用するワクチンの種類や説明
・ワクチン接種前の問診票
・ワクチン接種証明書、クーポン
さて、わたしはワクチン接種に対し特に思うことはないので速攻で予約を完了。1、2回めと同じ病院に予約を入れ、あとはゆっくりその日を待つだけでした。アナタはワクチン接種に対しどのような意見をもっているでしょうか? ワクチンに関しては『厚生労働省』のQ&Aにあるように接種しない選択をすることも可能です。もしワクチン接種を決断したのであれば、ぜひもらった手紙に記載されているサイトにアクセスするか、電話での予約をご利用ください。
今回は3回めのレポートをしつつ、例によって先生を質問攻めにしたお話をしていこうと思います。
3回めのワクチン接種レポート
YouTubeチャンネル、厚生労働省:投稿動画より
朝、いつものように起床し問診票に必要事項を記入した後、ワクチン接種の予約をしていた病院へ到着。前回、前々回と同じ最寄りの病院をチョイスしました。もっといるかと思ったのですが、予約者は思いの外少なく、わたしの他に2、3人程度だったと思います。高齢者の優先接種が軒並み終了し、若者らへの順番にシフトしている過渡期だからでしょうか。
1、2回めに受けた看護師からの質問はありませんでした。ただ、問診票にある『質問はありますか?』の条項にチェックを入れていたので、事前に用意していた質問を渡そうとしたところ「先生に直接お渡しください」とのこと。ということで、大人しく控室で待ちましょうとイスに座ることに。
人の数が少ない。っていうか少なすぎね?
予約者が少なかったおかげか速攻で名を呼ばれ、読書の手を休めて診察室へお邪魔します。ちなみに、この時読んでいた本は『旦部幸博』氏著作の『コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか』です。科学界の著名な方がズラリと並ぶ『ブルーバックス』さんからの出版で、著者は医学博士でありコーヒーに対し並々ならぬ情熱を注ぎ、研究している方でもあります。
とても”濃い”時間を過ごした質問タイム
以前のワクチン接種(例によって“投擲注射“でした)時、先生の博士論文を紹介してもらったのでさっそくソレに関する質問をこしらえてみました。例によって本人特定を避けるため詳細は控えますが、とりあえず『腎臓と血液透析と“脳“』に関する論文だとご理解ください。わたしがその日のワクチン接種予約最後のひとりだったこともあり、次の外来患者さんが来るまでヒジョーに濃密な時間を過ごさせていただきました。それらすべてを紹介すると1冊の本ができちゃうレベルなので、個人的に「これは!」と思った情報をスポイルしていきます。
先生との会話を以下に要約してみました。ちなみに、先生個人の特定を防ぐため会話の主題、先生が発表した論文などの掲載は控えさせていただきます。また、先生と会話した時間は30分程度だったのですが、あまりに濃い内容だったため、要約レベルでも大量の情報が詰まっています。お読みになる際は情報過多にご注意ください。
① 人工透析(血液透析)をすると脳血流量が変化する
② 血液透析 = 血管内はすぐ掃除できるが”ソレ以外(細胞外液)”は汚れたまま
③ 昔の透析物質にはよく”酢酸(もしくはクエン酸)”が入っていた
④ 脳には自動調節機能がある
⑤ 身体の健康状態を保つためなら、本来なら24時間人工透析状態のほうが良い
⑥ 腹膜透析は腹膜硬化症を引き起こす
人工透析とは?
YouTubeチャンネル、東京工科大学公式チャンネル:投稿動画より
人工透析は『血管内部の“毒“を排除する』行為です。手術により人工透析用の太い血管を作り、そこに管を刺し外部へ血液を循環。機械で血液をキレイにした後、身体の中に戻す一連の作業を行います。現在、人工透析には『血液透析』と『腹膜透析』がありますが、行っていることは同じです。
腎臓が悪くなると、本来尿になるはずの『尿毒素』が身体に溜まっていくため、それらを排除することが人工透析の主目的です。機械の中にある透析液にはマグネシウム、カリウムなど様々な物質が入っています。血液を正常に保つための物質のほか、透析患者は身体が酸性に傾きやすいため、アルカリ性に誘導する酢酸・クエン酸などの『アルカリ化剤』が含まれている場合もあります。これは酸性ですが、肝臓で代謝(重炭酸化)されるのでアルカリになりますね。
また、上記表の⑤にあるように、できることならずっと透析し続けるほうが健康にはプラスです。腹膜透析は、腹膜に透析液を溜め込むことで24時間透析を可能にしていますが、そのぶん⑥のようなリスクを背負うことになります。人生における楽しみ『QOL(クオリティー・オブ・ライフ)』を追求しつつ、透析の必要性や身体の負担を考えた結果、現在の透析はおおよそ『週に3回、1度に4時間』というペースで行われていますね。
人工透析患者に深く関わる”不均衡症候群”について
YouTubeチャンネル、ネコかん【ネコヲの解剖生理学】:投稿動画より
人工透析は『血管“内“の毒を排除』する行為です。ですから『血管“外“にある毒』は解毒できません。これが身体に多くの問題を引き起こすことになります。
まず血管内外で『成分濃度の差』が生まれますね。そうすると、上記動画のように、身体はフィルターを通して、成分の濃さを調節しようとする働きが生まれます。また、体内のpH値が場所によって異なるのも無視できません。そのほか様々な変化が身体に現れます。
通常、脳の血流は『自動調節機能』によって一定に保たれています。些細な変化にも敏感で、当然pH値の変化も察して、脳は血流を調節するのですが、ある特定の腎臓病の場合、他とは大きな変化が生じることが先生の論文では示されていました。
この”不均衡“が脳血流量と関係があるのではないか?
――本当はこういうテーマで論文を書きたかった!
例によって本人特定を避けるためボヤかした表現ですが、先生の情熱がこもった解説、とてもありがたく思います。次お話を伺う際、しっかり基礎を学んでから質問攻めにしたいですね。
さらにリサーチしてみようと、個人的に『不均衡症候群』について再度検索してみました。
不均衡症候群とは?
不均衡症候群は、人工透析をはじめて間もないころに見られるもので、『透析中からその後に起こる腹痛、吐き気、嘔吐などの諸症状』を指します。おおまかなメカニズムは以下の通りです。
① 血管内外の物質濃度の差によって、浸透圧により脳への水分流出が増加
② 脳は頭蓋骨でこれ以上肥大化できない
→ 圧迫された脳が『脳圧亢進』もしくは『頭蓋内圧亢進』状態へと進行
③ 脳へのダメージのせいで、頭痛や吐き気などの症状が出る
血管内外の不均衡状態が整うことで症状はおさまるとされていますが、不均衡症候群の根本的な原因はまだ明らかになっていません。ただ上記の説が有力とされているため、予防として以下の要素があるようです。
・水分や塩分、タンパク質の食事制限を守る
・緩やかな透析を行う、透析時間を長くする
わたしは個人的にタンパク質を『体重×2グラム』くらい接種したい派なので、人工透析患者になるのはイヤだなぁと思いました。
一般社団法人、全国腎臓病協議会
上記を含む血液透析の合併症一覧は こちら
次の外来患者さんがいらしたので、先生との濃密な時間はここで中断。ワクチン接種に来ただけの身で質問攻めしたことを詫びつつ、最後に一例して退室。待機時間は先生との会話中とっくに終わり、すぐコロナワクチン接種証明をいただいて病院を後にしました。
副反応はどうなった?
うーん、ぜんぜん痛くならないなぁ
ワクチン接種後、ずっと肩や身体の様子を観察していたのですが、その日はまったくと言っていいほど何ともなかったです。痛みも体調不良も何もなく、このまま何事もなく終わるかな? ――と思っていた矢先でした。
うぅぅぅぅ……頭が重い、頭痛がする、肩も痛ぇ
次の日の起床後、猛烈なダルさと頭痛、そして肩の痛みに襲われました。ガンガン唸る頭をおさえつつ体温計をワキに差すと、以外にも体温は『36.9度』と平熱の範囲。とはいえ、その日は肩の痛みとだるさが尋常ではなく、その日はボヤーっとした頭で一日過ごしました。
みなさんの副反応はどうだったでしょう? なにはともあれ、犬物語のワクチン接種3発目リポートはこれで終了です。ワクチンに関しては多くの情報が錯綜していますが、公的機関の情報を参照するのであれば『厚生労働省』が運営する『コロナウイルスナビ』が最適でしょう。ワクチン接種の予約も可能ですので、もし3回目接種を希望される方は以下のサイトにアクセスしてください。
アナタの心身の健康を心から祈っています。
厚生労働省
コロナワクチンナビ、公式サイトは こちら
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