【犬種名】犬のなまえをカンタンに覚える方法知ってますか?【暗記テクニック】

世界一長い犬種名をかんたんに覚えよう! 世界には何種類の犬がいる?

 2024年1月現在、犬種を認定する団体『国際畜犬連盟(Fédération Cynologique Internationale:FCI)』には356の犬種が認定されています。356犬種ですから当然わたしたちが見たことのない犬種がたくさんいます。

 日本では『ジャパン・ケネルクラブ(Japan Kennel Club)』が犬種認定を担い、FCIが認定した犬種や日本にいる犬種などを考慮して206犬種が登録されています(2022年4月時点)

 日本だけでも206犬種です。これだけの数を覚えるのは難しいですよね。でも犬好きのなかには「犬種名をぜんぶ覚えたい!」と思う方もいるでしょう。

 ご安心ください。犬種名はこれから紹介するある法則に従ってつけられており、それさえ覚えれば犬種名を覚える難易度がグッと下がるんです。

国際畜犬連盟
 犬種認定については こちら(英語)
ジャパン・ケネルクラブ
 犬種グループについては こちら

犬種名のおぼえ方は? 法則や具体的テクニックをわかりやすく解説

 犬の祖先はオオカミとされています。それが人間といっしょに暮らしていくようになり、人は飼い慣らした犬をいろいろな用途で活用するようになりました。

 家畜や収穫したものを守るための犬、いっしょに狩りにでかける犬、貴族たちを喜ばせるためのかわいい犬――目的によって求められる特徴や外見が異なっていき、今では数多くの犬種が誕生しました。

 そもそも犬種とはなんでしょう? これはズバリ『FCIに認定された犬のかたち』です。犬たちはその用途などによって10のグループに分けられています。

① 牧羊犬、牧畜犬
② 使役犬
③ テリア
④ ダックスフンド
⑤ 原始的な犬種、スピッツ
⑥ 嗅覚ハウンド
⑦ ポインター、セター
⑧ 上記以外の鳥猟犬
⑨ 愛玩犬、コンパニオンドッグ
⑩ 視覚ハウンド

 また、連盟やクラブでは犬種ごとにふさわしい形を『犬種標準 = スタンダード』と呼び定めています。

 大きさはどれくらいで、顔や鼻先はどんな形をしているのか。どんな歩きかたをするか。毛の色は、その他特徴は? ――人が定めたそれにそぐわない犬は欠点をつけられ、大きくそぐわない時は重大欠点がつけられます。

<strong>チワワ</strong>
チワワ

え? ――ぼくってチワワとして失敗作なの?

 欠点があってもペットとして問題ないと注釈があるとはいえ、スタンダードから外れてるという指摘はどこか悲しいと思いますよね。なお、FCIならびにジャパン・ケネルクラブが定めたもの以外はすべて雑種扱いになります。

内部リンク
 犬種グループの解説は こちら
ジャパン・ケネルクラブ
 FCIの犬種グループについては こちら

犬種名はコレで決まる

 人は犬を用途によって選択繁殖させ、独自の犬種を生み出してきました。その中で自然と名前がつけられていったり、それが広まったりしていきました。

 犬種名はおおよそ上記のようなルールで名付けられています。

人物名
  その犬種を生み出した、もしくは貢献、関連ある人
  ジャック・ラッセル・テリア
  キング・チャールズ・スパニエル など
場所、地方
  その犬種が誕生した、もしくは深く関連する場所の名前
  ヨークシャー・テリア
  ボーダー・コリー など
使用用途
  その犬種に求められる仕事など
  ダックスフンド
  ラブラドール・レトリーバー など
見た目の特徴
  その犬種の外見から名付けられる
  ウィペット
  パピヨン など
その他
  文献等に登場するも正確な起源不明でも、
   既存の犬種を参考に上記ルールで名付けられる
  多くのテリア犬種
  アイリッシュ・ウォーター・スパニエル など

 『ジャック・ラッセル・テリア』は19世紀に活躍したイギリス人牧師からとられています。彼がキツネ狩りのお供としてテリア犬種を連れており、その個体がそのままジャック・ラッセル・テリアと名付けられました。

 『ボーダー・コリー』は文字通り国境の犬という意味です。スコットランドとイギリスの国境付近に多くいましたが、1915年に犬種登録をする際『ラフ・コリー』と区別するためそう名付けられました。

 『ダックスフント』はドイツ語の[ Dachs = アナグマ ] + [ Hund = ]が由来です。アナグマ用の猟犬として活躍し、胴長短足の体型はアナグマの巣へ潜り込むために最適でした。

 それぞれの犬種ごとに名付けられた理由があるのです。これをしっかり押さえれば最も長い名前の犬種だってすぐ覚えられますよね? ――ってことでさっそくためしてみましょう!

実践編 日本でイチバン長い犬種を覚えよう

 世界一長い犬種名は『アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリア』です。英語でも[ Irish Soft-Coated Wheaten Terrier ]ととても長いネーミングですね。

 覚えるのになかなか骨が折れそうですが、それぞれの要素を見ていくと以下のような法則があります。

アイリッシュ [ Irish ]
  アイルランド地方から(地名)
ソフトコーテッド [ Soft-Coated ]
  ふわふわ毛並みから(外見)
ウィートン [ Wheaten ]
  成長すると小麦のような毛色になることから(外見)
  あるいは農作物や家畜を護衛する役割から(用途)
テリア [ Terrier ]
  ラテン語の[ Terra = ]より、
   小動物狩猟として(用途)

 愛称は『ウィートン』なのでぜひ覚えてください。抜け毛が人間並に少なく、犬アレルギーの方でも安心して暮らすことができると思います。ただ大型犬なのでたっぷり運動させてあげる必要がありそうですね。

 ちなみにこれ日本語で最長犬種名です。では続けて英語名の最長とされる[ Nova Scotia Duck Tolling Retriever ]を確認してみましょう。

ノヴァスコシア
  ノヴァ-スコシア半島から(地名)
ダックトーリング
  カモやアヒルなどの鳥をおとり猟で仕留めることから(用途)
レトリーバー
  仕留めた獲物を回収することから(用途)

 狩猟犬といえば自ら狩りを行うか、獲物を追い詰めるイメージですが、この犬種はやや特殊な狩りを行います。どうするかというと犬には好き勝手に遊んでもらうんです

 これも立派なおしごとです。犬を遊ばせているあいだ、人はのれんの内側などに隠れ様子を見ます。すると、水音を聞きエサと勘違いしたり、水辺で遊ぶ犬に興味をもったりして好奇心旺盛な鳥たちが集まってくるんですよね。

 はい、チャンスです。人間がやることといえば標的に狙いを定め引き金を引くだけ。あとは倒れた鳥をわんちゃんがレトリーブしてくれます。なかなかかしこいわんちゃんなのですね。

ジャパン・ケネルクラブ
 アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアのページは こちら
内部リンク
 日本で登録される6種の”レトリーバー”に関しては こちら

原産国での呼び方もポイント

 ここまで紹介したポイントを押えれば全犬種暗記も夢じゃない!――と言いたいですが、それだけでは完全制覇するのは難しい事情があります。

 何事にも例外があるんです。ここではある犬種を例に深掘りしていきましょう。

 『グレート・デーン』は知ってますか? 超大型犬として有名で、その名のイメージ通りグレートデーン! とした犬種です。

 グレート・デーンを日本語に訳すと『デンマークの犬』という意味になりますが、実はこの子ドイツ原産です。原産国では『Deutsche Dogge = ドイツの犬』と呼ばれています。

 グレート・デーンという犬種名を暗記するだけならたやすいですが、この矛盾はどことなーくモヤモヤが残りますよね。ちなみにドイツ語のは一般的に[ Hund ]で、マスティフのような大型犬を指す時は[ Dogge ]が使われます。

ドイツの犬なのにデンマークの犬?

 ドイツの北にデンマークがある

 グレート・デーンの起源はヨーロッパにあります。イノシシなどを狩る狩猟犬、貴族の護衛を担う大型犬にあります。その経緯もあって、一部では『イノシシ狩りの犬(German Boar-hound)』など複数の呼び方がありました。

 18世紀ごろ、貴族の狩猟は刃物から銃猟に変わってったためマスティフ系の需要が減少していったようです。しかし同時に犬種の繁殖や組織化などが進んでいき、ヨーロッパではあちこちで犬の展示会が開かれるようになりました。

 19世紀。ドイツでは独自の交配がすすみ、現在のグレート・デーンの姿をした犬種
[ Deutsche Dogge = ジャーマン・マスティフ ]と名付けます。品評会向けに高級志向をめざして名付けられた犬種名です。実際のお披露目はどのような結果だったのでしょう? 有名な説をご紹介しましょう。

 ドイツで開催された大規模な犬種展示会の際、ジャーマン・マスティフのほとんどがデンマークから連れてきた子たちでした。その時の犬をあるフランス人審査員が[ Grand Danois = 大きなデンマークの犬)]と読んで認識したことから広まったとされます。しかし当時のヨーロッパではすでに『グレート・デーン』という呼び名が広まっており、第二次世界大戦終了後までこの犬種はデンマーク産として扱われていました。

ちなみに、という話

 わたし(犬物語)が個人的に調べた多くの情報源では、18世紀に活躍したフランスの貴族『ビュフォン伯』が動物の進化について研究していた際、デンマークで見つけた大型狩猟犬を[ Le Grand Danois = デンマークの大きな犬 ]と命名していたことに起源があるとされています。

 彼は20世紀を代表する博物学者で、百科事典の著者としても有名ですね。

 しかし、グレート・デーンに関するありとあらゆる資料を集めた著書[ The Great Dane – A complete Anthology of the Dog ]では上記について「たしかに”大きな耳をしたデンマークの大きな犬”について書かれているものの、それが最近輸入された犬なのか、それとも珍しい犬なのかは示唆されてない」と記述されていました。

 つまり、ビュフォン伯が見た犬が現在のグレート・デーンかどうかはハッキリしていないということです。著書を深読すればさらに情報を得られるでしょうが、全編英語の上、紙媒体だとけっこうなお値段がします。対してKindle版であれば安価で手に入れられますし翻訳機能も対応してくれるでしょう。

The Great Dane – A Complete Anthology of the Dog
Bitly

ジャパン・ケネルクラブ
 グレート・デーンに関しては こちら
Deutscher Doggen Club
 ドイツのグレート・デーン(Deutsche Dogge)クラブは こちら(ドイツ語)

 犬種名はルールさえわかればカンタンに覚えることができますが、いくつかの犬種は歴史や人の思惑が絡んで複雑になっている場合もあるのですね。

 アナタのそばにいる家族はどんな歴史をもっていますか? いっしょにくらすわんこに血統書なんて関係ありません。元気に走り回るかわいいわんちゃんとこれからも楽しく過ごしていきたいですね。

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