【ゴールデン】日本人が知らない”レトリーバー”全6種類を紹介【ラブラドール】

“やんちゃ”な子どもから”賢者”な大人へ 6種類の”レトリーバー”を紹介

 人間の歴史を語る上で、犬という存在は無視できないほど大きな存在です。その歴史は諸説あり謎が深いのですが、少なくとも15000年以上も前から人間と行動を共にしていたとされ、紀元前2000年ごろの古代エジプトの壁画にはすでに犬が登場しています。これらはいかにという存在がが人間の生活に深く関わっていたのかを教えてくれるでしょう。

 突然ですが、わたしはレトリーバーが好きです。家でも毎日黒ラブと散歩に出かけるくらい犬と密着した生活をしていますが、これらの犬は『国際畜犬連盟(FCI)』が統括するケネルクラブ(KC)によって犬種認定がされています。プードルチワワ、そしていまわたしの隣で寝てる『ラブラドール・レトリーバー』もこの国際畜犬連盟に登録されています。日本でも国際畜犬連盟の規定に則り独自の犬種認定をしており、日本では『ジャパンケネルクラブ(JKC)』公式サイトで認定犬種を確認できます。

 犬種として認定されている犬は、各国のケネルクラブより『血統書』が交付されます。人間でいう戸籍家系図のようなものですね。認定されていない犬種は当然交付されず、異なる犬種を交配させたいわゆる『ミックス犬』などにも交付されません。ただし連盟が定めた規約をクリアすれば犬種として認定されるチャンスはあります。

 現在日本で犬種認定を受けているレトリーバーは6種類。今回は犬種としての『レトリーバー』の特徴と、6種類いるレトリーバーたちを紹介していきましょう。

国際畜犬連盟(FCI)
 公式サイトは こちら(注:英語)
ジャパンケネルクラブ(JKC)
 公式サイトは こちら
内部リンク
 人間と犬の”出会い”については こちら

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レトリーバーとは?

 『レトリーバー』というのは『Retriever』。すなわち『取り戻す救い出す回収する』といった意味があります。各レトリーバーに想定された仕事を考えると、最も正しい訳は『回収』になります。水辺にいる鳥たちを人間が銃で仕留めた後、その鳥をくわえて回収してくる役割を担っていました。また、犬種によっては水難救助犬として活躍した『ニューファンドランド』の影響か水遊びが大好きな個体が多いようです。

 そういった役割を達成するには人間とのな意思疎通能力が必要です。ですから、レトリーバーと名のつく犬種は総じて賢く人間の意図をよく察してくれます。ただし、猟のお供としてあちこち走り回る上、道なき道を探索して獲物を咥え持ってくる役割を担っていた経緯もあり、非常に好奇心が旺盛でなにかを咥えたがるクセのようなものがあります。

 飼い主が「だめ」と言ってもめげずに気になる場所へ突っ込み、いつもブンブン振り回しているしっぽはテーブルの上にある備品をすべてふっとばし、エサが目の前にあればスンッとおすわりして視界には食べ物しか映さない――わたしを含め、おそらくレトリーバーと暮らす多くの飼い主さんが経験することだと思います。

レトリーバーはケンカが苦手

 レトリーバーは争うということを知りません。闘犬として作出された『土佐闘犬』などは警戒されている時に近づくのは危険ですが、レトリーバーは相手に牙を突き立てたりとか、ひたすら拒絶して吠えまくるということはあまりしませんもちろん必ずとは言えませんが。見ず知らずの相手には警戒心よりも好奇心が先に出て、威嚇するより相手と遊びたい故にしっぽをフリフリ、攻撃されるとしっぽをおろして「なんで?」といった顔をする。

 ひたすらかわいいというのが結論ですが、そうは言ってもやはり大型犬のパワーです。レトリーバー自身にとっては軽くじゃれた程度であっても、子どもやチワワなどの小型犬にとっては思わぬ事故を招く場合もありますので気をつけてあげてください。

一般的な”レトリーバー”のイメージ

 もうひとつ重要なお話。みなさんが想像するレトリーバーはおそらく『盲導犬』や『警察犬』など、おとなしく飼い主に忠実で黙って仕事をこなす賢い犬、といった感じでしょうか? ですがちょっとまってください。

 子どものころのレトリーバーはそりゃあもう『大怪獣』です。好奇心のままにあちこち嗅ぎ周りハナを突っ込み足を突っ込み体を突っ込み、障害物をすべてなぎ倒して階段や柱をカジカジして満足せず飼い主に体当たり。そりゃあもう『大怪獣』です。なので、テレビやお話などに登場する『レトリーバー』の想像図のままにレトリーバーを飼うととんでもないイベントが待ち構えていますのでご注意ください。これはこれから犬を飼おうと考えていらっしゃるすべての方に伝えられることです。

 「犬飼いたい!」って方、ムリは言わないので初心者のうちは小型のコンパニオンドッグにしておきましょう。

内部リンク
 犬歴20年のわたしから「犬飼いたい」と願うアナタへ贈る言葉は こちら

レトリーバーのおおよそな身体的特徴

 レトリーバーのおおまかな特徴をまとめると次のようになります。

・体高(縦の長さ)はおよそ 50~60cm であることが多い
・体重は 30kg 前後
・平べったい”おでこ”にぺたんと垂れた耳
・毛色は『白、茶、黒』のカラーリングで黒の場合単色がほとんど
・毛はダブルコートという2層構造
・筋肉質で運動能力が高い

 日常生活でもよく見かける犬種なので、みなさんもおおまかな外観はご存知かと思います。胸ががっしりした佇まいは涼しげな印象があるものの、人間に心を開いてしっぽを振る様は見る人に安らぎを与えてくれます。そんなかわいい犬種のレトリーバー、さっそくご紹介していきましょう。

ラブラドール・レトリーバー(Labrador Retriever)

 その優秀さから盲導犬警察犬など様々な分野で活躍するレトリーバーの代表格。16世紀頃に北欧やイギリスの漁船に同乗しカナダへ渡った『セント・ジョーンズ・ウォーター・ドッグ』犬が直接の祖先で、より能力の高い犬を作出しようということで誕生した経緯があります。

大型犬にしては小さいほう

 カナダ原産。大型犬というカテゴリにしては小さいという評価からか、国によっては『中型犬』として登録される場合もあります。ダブルコートの毛並みですので毛はよく抜けますが、まっすぐで固くツヤツヤした毛並みは美しく光を反射します。またラブラドールの尾は通称『オッター・テイル』と呼ばれる先が徐々に太くなっていく独自の特徴があります。

飼育は計画的に

 初心者におすすめできると多くの本やサイトに書いてあるけど、経験者からすると『幼少期の暴君っぷりを制御できるのなら』という条件付きでおすすめしておきます。まあ、やんちゃな子どもがひとり増えたとでも思ってくださいな。

ゴールデン・レトリーバー(Golden Retriever)

画像、みんなの犬図鑑より:当該ページは こちら

 ラブラドールに並ぶレトリーバー2大巨頭。この子も優秀で、盲導犬でもなんでもこなしてくれる仕事人です。

実はラブラドールの”親戚”ではない

 19世紀にスコットランドの貴族が犬種の交配を行ったことが起源とされています。『ニューファンドランド』と後述する『フラット・コーテッド・レトリーバー』の両種をかけあわせ、さらに改良を重ねた結果ゴールデンが誕生しました。ラブラドールにもニューファンドランドの血が混じっていますがこれほど濃くはありません。

 元はフラットコーテッドの亜種として認知されていた歴史があり、主に鳥猟犬として活躍し水陸両用の優秀なわんことして長らく働き、現代の日本では大型犬といえばまっさきに浮かぶ犬種になりましたね。作業犬としての実績は警察犬盲導犬としても生かされています。

ラブラドールとの差

 ラブラドールと似通った体型ですが、こちらの見た目はウェーブがかりふわっとしたやわらかい印象です。そのためお手入れはラブラドールより大変で、抜け毛やシャンプーの頻度もかなり多くなります。水遊びが大好きで、ボールやロープをつかった遊びも狂喜乱舞してくれますので遊び相手にはことかかないでしょう。

 さて、ここまでは日本でもメジャーな『レトリーバー』でした。しかし、世界にはまだまだたくさん魅力的なレトが潜んでいます。次からは日本であまり知られていないレトリーバーをご紹介していきましょう。

フラット・コーテッド・レトリバー(Flat-coated Retriever)

画像、みんなの犬図鑑より:当該ページは こちら

 おなじみ『ニューファンドランド』や『セント・ジョーンズ・ウォーター・ドッグ』。さらにイギリスのセター、牧羊犬、スパニエルなどをミックスして、さらに『プードル』の毛並みを求め配合されミックスされたイングランド原産の大型犬。生まれは19世紀になり、外見的な特徴は『ゴールデン』と『ラブラドール』の中間的なイメージ。

 毛並みは水を弾き水中でよく活躍できるようになっており光沢があります。体高は高ければ60cm台になるほど高身長で、ほかのレトリーバーと比べてスタイリッシュな体格。素早い動きを得意とするのも特徴です。

もしかしたら最も賢い?

 レトリーバーのなかではより飼い主の意志や『空気』を察するようで、穏やかで頭がよく協調性に富んでいます。元々のフレンドリーさもあいまって、もしかするとゴールデンやラブラドールより初心者におすすめしやすい犬種かもしれませんね。しかも警戒心もあるので番犬としても最適です。

 猟犬としての能力も高いので、たとえばドッグスポーツなどをやらせて身体能力を発揮させても良いでしょう。もちろん、信頼と実績のレトリーバー種ですから物覚えもよくしつけしやすいです。

フラットな毛並みだからフラットコーテッド。そして性格も

 フラットな毛並みはお手入れが必要です。換毛期はゴミ袋とか言ってられないほどにごっそり抜けるので、飼育をご検討の方は覚悟するようにしましょう。そして人の考えを察する能力があるように、この犬種はとても繊細で神経質でもあります。ひとりぼっちにされるのを嫌い常に家族といっしょにいたがるわんこなのでおもいっきり甘やかせてあげてください。

カーリー・コーテッド・レトリーバー(Curly-Coated Retriever)

画像、みんなの犬図鑑より:当該ページは こちら

 フラットがいればカーリーもいるのでは? ――はい、います。例によってイギリス原産の大型犬で、フラットコーデットの毛並みがよりプードルのようににカールしたような外見です。毛色は黒系1色となっており、フラットより大きく体高は70cm近くに及びより大きな犬種になります。18世紀に誕生したイギリス最古のレトリーバーでもあります。

 被毛がより水をはじくようになり、まさに水中で活躍するために生み出されたかの如くお水に飛び込みます。カールした毛並みは水中での体温低下を防ぎより活動時間を増やしてくれる優れもの。水中作業犬としてとても重宝されました。

レトリーバーの中でもっとも活動的

 おおまかなお世話はほかの『レトリーバー』と同様ですが、こちらはより運動欲が大きく、走ることも泳ぐことも意欲的に取り組みます。広い敷地や散歩時間の確保、ドッグスポーツに挑戦などイロイロと工夫してみましょう。作業犬として作出された経緯か、飼い主の命令に忠実に従おうとする傾向が強いようです。

 毛並みの手入れが大変そうだなぁと思うのですが、6種のレトリーバーの中では唯一のシングルコートなのでお手入れ的な意味では相対的に楽かもしれません。季節の変わり目には注意しつつ、普段は様子を見ながらブラッシングしてあげましょう。カーリーのヘアスタイルを維持したいのであればシャンプー選びに注意すること。カールが伸びて「フラットじゃねーか!」なんてオチが待っていることもあるようです。

そしてここにも”あの犬種”の影響が……

 例によってこのレトリーバーも『ニューファンドランド』が絡んでいるようです。多くの『レト』に関わるニューファンドランドとはいったいどのような犬種なのか? 今後記事として取り上げていきたいですね。

 続いて、もはや日本国内では滅多に出会えないたいへん珍しいレトリーバーの紹介です。もし出会えたらラッキーですよ!

チェサピーク・ベイ・レトリーバー(Chesapeake-Bay Retriever)

画像、みんなの犬図鑑より:当該ページは こちら

 アメリカ原産の大型犬。19世紀初頭、チェサピーク湾近海で難破した船から助け出された2匹のニューファンドランド』をルーツとしています。こちらは、主に鳥猟犬をするレトリーバーと違い銃猟犬として活躍したようです。銃猟犬は獲物を見つけたら飼い主に伝えたり、時には戦ったりする犬のことですね。

 サイズは通常のレトリーバーと大差ありません。毛並みは主に茶色系統で、ところにより白い斑点があります。短くカールした毛が例によって水を弾いてくれます。基本はやさしく従順な性格であり、盲導犬としても活躍しているようです。

レトリーバーのなかで最も好戦的

 上記のような運用のされ方から、チェサピークは最も好戦的なレトリーバーです。がっちりとしたたくましい筋肉と骨格を内部に宿し、猟犬としての力に最も優れています。明るく陽気な性格は勇気も備え、家族や小さい子どもを守ろうとする姿勢を併せ持つ最高のガードマンとなってくれるでしょう。

そしてどこにでもいる”あの犬種”

 こちらは例によってレトリーバーの父『ニューファンドランド』と、さらに『フラットカーリー・コーテッド・レトリバー』の血も混じっているようです。数多くの血を受け継いだチェサピークは非常に体力ある大型犬に成長し、言うまでもなく多量の運動を必要とします。

 飼育する上でいちばん注意が必要なのは、この犬種は年を追うごとに『飼い主を見る』ということ。ほかの犬にも同じことは言えるけど、賢いタイプの犬は、舐められたら言うことを聞いてくれなくなったり頑固になったりするので、アナタがリーダーとして一貫したふさわしい振る舞いを見せておきましょう。その他の手入れはおおまかにレトリーバーに通じる方法で良いようです。興味をもってこの犬種を飼おうと思った方は、とにかく『より猟犬っぽくなった』と肝に銘じておいてくださいね。

ノヴァスコシア・ダック・トーリング・レトリーバー(Nova-Scotia Duck-Toling Retriever)

 日本で公認されている全犬種中2番めに長い名前がこのノヴァスコシアです。カナダ原産の中型犬です。外見はゴールデンからほんのりモフみを抑え、そのまま小さくなったような感じです。体高はおよそ40~50cmほど、体重も17~30kgと公認レトリーバー種では唯一中型犬に属します。生まれは19世紀初頭。カナダのノヴァスコシア半島にて誕生しました。

自らを”おとり”として鳥を狩る

 このレトリーバーは他と違いトリッキーな猟をします。トーリング(Tolling)の名前の通り『おとり猟』をするのです。水辺にいる鳥の近くで遊びまわり、それを見たカモたちは「なんだこいつ?」と好奇心を発揮させてスイスイ~っとわんこに近づいてしまう。そこで遠くから待ち構えていた人間が猟銃で仕留め、倒れた鳥(カモなど)をそのまま咥えて飼い主のもとへ返ってくるという寸法。なかなかに賢い狩猟方法ですね。

ほかにもオンリーワンな特徴が

 体格がすこし牧羊犬っぽいが顔や性格はまさしく『レト気質』そのもの。よく動き、好奇心たっぷりではしゃぎまわり、飼い主に従順で子どもや他の動物とも仲良くできます。毛色もまた特徴的で、ブラック色はないものの茶系はやや赤みがかっているものがあったりとバリエーションが豊富。

 上記のようなお仕事をしていたせいか、習性として人をおどろかすような突飛な行動をするようです。それもまた人間の心を和ませてくれるので、大きなレトリーバーを飼うのはちょっと……という方にはぜひともおすすめ。小さなレトリーバーなんて想像するだけでもかわいいですよね!

レトリーバーとの出会いを求めて

 今回は日本で犬種認定されている『レトリーバー』6種を紹介しました。親戚や未公認犬種、そして国際畜犬連盟が認めているレトリーバーを含めればさらにいるでしょうがそれは割愛させていただきます。

 犬は人間の長い歴史を歩む上で得た最高のパートナーです。もし、アナタが新しい家族として犬を迎え入れたい意志があるのでしたら、ぜひともここに紹介したレトたちを選択肢に入れてあげてください。

“ToDo”チャレンジ

①犬と出会おう
  動物園、牧場など犬と出会える場所はたくさんあります
②犬と触れ合ってみよう
  犬は人間の心を理解し接してくれます
③犬を新たな家族として迎え入れよう
  しっかりと準備や覚悟を整えてから飼育しましょう

  「犬飼いたい!」と思うアナタへ”犬歴20年“のわたしが伝える言葉は こちら

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