そのペットフードはだいじょうぶ? わんちゃんに必要な必須脂肪酸は?
健康志向が流行する中、テレビでよく聞く『必須脂肪酸』ってありますよね? 身体にとって必要な栄養素で、普段の食事を意識しないと難しい栄養素ですが、実はこのワンちゃんたちにも必要な必須脂肪酸があるということを知っていましたか?
ペットフードはワンちゃんたちの栄養を考えてつくられていますが、もしかしたらアナタの“家族“にはもうちょっと必要だったり、そんなに多く必要なかったりするかもしれません。足りないならおやつやサプリなどで適宜与えていく必要がありますね。
犬にとって重要な必須脂肪酸。実は愛犬の健康維持に必要不可欠な存在であり、実際に犬の毛艶がよくなるなどの研究結果があるのです。今回はそんな犬の必須脂肪酸についてわかりやすく解説していきましょう。
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脂質の種類に関しては こちら
人と犬の必須脂肪酸はどう違うの? 必須脂肪酸についてわかりやすく解説
タンパク質、炭水化物、脂質――人に限らず、動物はこの三大栄養素を食べて活動しています。必須脂肪酸は脂質の一種ですね。脂質にはいろいろな種類があり、そのなかに脂肪酸があるとイメージしてください。そして、その脂肪酸のなかにもたくさんの種類があるのです。
・脂肪酸は脂質の一種
・脂肪酸には多くの種類がある
必須脂肪酸は『重要な働きをするけど自分自身で生み出せない脂肪酸』です。身体はいつもいろいろな栄養を合成したり分解したりするのですが、どうしても自力で合成できず食べ物から直接取り入れる必要がある栄養素があるのです。
おなじ脂でも「肉より魚を食べろ」とか「高熱処理した植物油脂よりエキストラバージンがいい」なんて言われますよね。これは食材ごとに含まれる脂質が異なり、魚は良い脂質を多く含んでいるためです。アナタの身体に必要な必須脂肪酸は以下のとおり。
・α-リノレン酸
オメガ3系脂肪酸
植物油に多く含まれる
EPAやDHAも広義の必須脂肪酸に含まれる
・リノール酸
オメガ6系脂肪酸
植物油に多く含まれる
アラキドン酸も広義の必須脂肪酸に含まれる
α-リノレン酸からEPAやDHA、リノール酸からアラキドン酸が合成されますが絶対量が少ないため、これらも食事から接種することが重要とされます。一方で植物はこれらの脂肪酸をすべて自力合成できます。だからこそ野菜を食べるのはとても大切なのです。
このうちリノール酸は普段の食品でも米、パン、お菓子、加工食品などを通してたくさん接種できます。必須脂肪酸は野菜を多く食べたり、それらを多く含む食用油を選ぶなど工夫したいですね。以下、それぞれ多く含まれれる代表的な油になります。
・α-リノレン酸
亜麻仁油
亜麻仁油
えごま油
なたね油
しそ油 など
・リノール酸
ひまわり油
大豆油
ごま油
コーン油
くるみ など
スーパーの食用油コーナーに市販されているものもありますね。人間は普段の生活でたくさんの油を接種していますがわんちゃんの場合はどうでしょう?
犬の必須脂肪酸は? 適量は?
必須脂肪酸は『動物が自力で合成できない脂肪酸』です。わんちゃんたちも自力で合成できないので、上記で紹介した『オメガ3系(α-リノレン酸)・オメガ6系(リノール酸)』脂肪酸を食べ物から接種する必要があります。
ペットフードは総合栄養食と呼ばれる『そのペットフードと水さえ与えれば必要な栄養素が接種できるフード』が販売されています。ペットショップにはたくさんの総合栄養食が販売されています。
総合栄養食と表示された食品を与えておけば適切な量の必須脂肪酸を接種できる計算になっており、犬が一日に必要な必須脂肪酸の量はペットフード公正取引協議会によって決められています。そのほか、犬種やそれぞれの犬に応じておやつやサプリを与えるとさらに安心ですね。
総合栄養食があれば栄養面の問題は安心できる
犬の栄養接種基準として、アメリカのAAFCOとヨーロッパのFRDIAFがあります。日本ではペットフード公正取引協議会がAAFCOの基準を採用しています。これらの数値から、総合栄養食をはじめわんちゃんの食べ物は脂質がある程度含まれてることが多いようです。
犬は脂質の代謝が得意ですが無尽蔵ではないので与えすぎは禁物です。アナタの手でしっかりコントロールすることが重要なのですね。
AAFCOでは脂質の上限値が設定されていません。なので、ペットフードによってはかなり脂質が多く含まれている場合があります。愛犬への贈り物を購入する際は、その食べ物にどのくらいの栄養素が含まれているかチェックするようにしたいですね。
必須脂肪酸はワンちゃんにどんなメリットがあるの?
犬が必須脂肪酸を接種することのメリットは多く研究されています。よく言われる最大のメリットは『毛の質や艶が良くなる』ことです。また皮膚にも深い関わりがあり、愛犬の被毛の健康を保つために重要な役割を果たすことがわかりますね。
多くの研究では、犬にとってオメガ3,6系脂肪酸のバランスは『ω3=1 : ω6=5~10』のバランスが良いとされているようです。どちらの必須脂肪酸も、不足すると皮膚や毛質に大きな影響を及ぼすので気をつける必要がありますね。
おすすめのドッグフードは?
総合栄養食は専門機関が認定した栄養素が含まれています。しかし、実際に見て毛がゴワついていたり、艶がなかったりするなら「もしかしたら必須脂肪酸が足りてないの?」と不安になると思います。そんな時はどうすれば良いでしょう?
普段食べている食事に加え、必要な栄養素をちょい足しできるおやつやサプリがあります。リノール酸源としてのおやつを考えると、上記論文で紹介されるように牛肉より鶏肉がおすすめになりますね。各食品の栄養素を見極めて購入しましょう。
リノレン酸は野菜に多く含まれていますが、間違ってもネギ類を与えないようにしましょう。また、わんちゃんたちにとっては魚に含まれるEPAやDHAも貴重な栄養素になるので、それらの栄養素が多く含まれる魚製品を選択するのもおすすめです。
わたしたち人間は毎日おいしいものをたくさん食べています。その楽しさをワンちゃんたちにも伝えてあげたいですね。
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