アナタに必要な栄養素は? この食材は食べちゃダメ!!
現代社会は飽食過食の時代です。スーパー、コンビニ、場所を問わず様々な食品が並びアナタの胃袋を刺激してくる。こんな時代だからこそ何をどれだけ食べるか? が問われていると思います。体調をキープしたい、または最高の状態を維持したいなら、これらを踏まえた上で『何を避けるか?』も考える必要があるでしょう。
無意識のうちに食べるべきではないものを食べちゃう前に、必要な知識をゲットしておきたいですよね。ということで今回はこれ、食べちゃダメ的なお話をしていきましょう。
農林水産省が公表するデータを元に”何を食べるべき?”を紹介
昨今は『糖質制限ダイエット』が流行っていますね。わたしも一時期実践しておりまして、自己流ながら全盛期から40キロ以上ものダイエットに成功した経験があります。しかし、糖質制限に関しては反論的なエビデンスもあるので決して『糖質制限=正義』と思わないようにしてください。糖質は必要な3大栄養素のうちの1つで、多すぎても少なすぎても人体に悪影響を及ぼすものです。
内部リンク
糖質制限の”罠”については こちら
とはいえ、現代社会は非常に糖質過多になりやすいですね。糖質を過剰摂取すると、糖がタンパク質や脂質とくっついてしまい『糖化タンパク質』などが増えてしまいます。さらにこれらは『週末糖化タンパク質(AGEs)』とかいう正常の状態に戻れなくなった物質に変化してしまう場合もあり、これは様々な細胞障害を引き起こすのでやっぱり『糖質の摂りすぎはダメ』ということが言えるでしょう。AGEsに関しては最悪の老化物質としてご存知の方も多いのではないでしょうか?
厚生労働省が発表する『日本人の食事摂取基準(2020年度版)』によれば、1日の最低必要糖質量は100グラムとされています。1日に摂取すべき目標量は定められていませんが、1日のエネルギー中『50 ~ 65%』を糖質から摂取すると、全死亡率が減少する傾向があることから、日本の成人男性の場合だいたい1日300グラム程度摂取すれば良いと考えてください。3食バランスの良い献立であれば、自然とこの値はクリアできます。
では『避けるべき糖質』とはなんでしょうか?
厚生労働省
日本人の食事摂取基準については こちら
ほとんどの”ジュース類”に含まれているキケンな糖質
『果糖ぶどう糖液糖』もしくは『ぶどう糖果糖液糖』。この表記を見たことがある方はいらっしゃいますか? これらはとうもろこしのでんぷんが材料であり、正式名称は『高フルクトースコーンシロップ』と呼ばれています。果糖、ぶどう糖はいずれもすぐエネルギーに変換される『単糖類』に含まれます。
素早く燃料として活用されるので運動すれば燃焼されるのですが、果糖に関しては肝臓だけしか代謝できず、大量に果糖を摂取するか継続的に果糖を摂取すると、肝臓に大きな負担がかかり、処理しきれないと最終的に『脂肪肝』という非常に危険な状況まで至ります。肝臓に果糖が蓄積してしまいその後に続く病気や体調不良の大きな原因になるので避けたいところですね。
脂肪肝の怖さ
YouTubeチャンネル、医療法人大河内会おおこうち内科クリニック:投稿動画より
脂肪肝はいうなれば万病の元です。肝臓は様々な“毒”を処理してくれる器官なのですが、脂肪肝状態の肝臓は高中性脂肪血症に移行しやすくなり、血糖が下がりにくくなると、肝臓がブドウ糖も処理できなくなります。そうすると、ブドウ糖は筋肉、膵臓、心臓などに『異所性脂肪』として蓄えられ、各種臓器の機能を低下させていきます。
こうなると各所の糖質利用が制限される状況になり、内蔵脂肪がたまり、さらに血糖値の上昇により各所に脂肪が蓄えられ、負のループが繰り返されます。こうならないために、以下の表記がある飲料に注意していきましょう。
・果糖ぶどう糖液糖
・ぶどう糖果糖液糖
・高果糖液糖
・砂糖混合異性化液糖
糖質はエネルギーにしよう
果糖は名前こそ『果物の糖質』とありますが果物自体にそれほど多く含まれていません。甘いものを食べたくなった場合は自然由来の果物を食べ、同時にビタミンやミネラルを補給すると良いでしょう。糖質をたくさん摂取しても、動けばエネルギーとして使ってくれます。たくさん食べてたくさん動く。これぞ健康的な生活ですよね?
日常的な運動習慣はとても重要です。摂取した糖質は運動でぜんぶエネルギーに変換しちゃいましょう!
脂質は非常に複雑
脂質はタンパク質や糖質より多くのエネルギーを生み出すことができ、エネルギー源になるのみならず細胞生体膜の構成成分になったり、ほんとはとても重要な物質であるコレステロールの素材にもなります。コレステロールと聞くと悪いイメージのほうが多いですよね? しかしコレステロールは本来身体に必要な物質で、以下のような役割を担っています。
・細胞膜の材料
・胆汁酸の成分
・ステロイドホルモンの材料
・ビタミンDの材料
脂質も糖質と同じように身体に必要な栄養素です。さて、みなさんは『飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
脂肪は『脂肪酸』という基本的な形があるのですが、これらの違いは単純に『炭素の二重結合があるか否か』の違いで分けられています。少し長いですが、脂肪酸の分類は以下の通りです。
飽和脂肪酸
炭素の二重結合が無い
・短鎖脂肪酸
炭素の数が5個以下
酪酸、カプロン酸
含有食品:乳製品、バターなど
・中鎖脂肪酸
炭素の数が6 ~ 12個
カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸
含有食品:乳製品、バター、パーム油など
・長鎖脂肪酸
炭素の数が13個以上
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸
含有食品:動植物油脂、落花生油、綿実油など
不飽和脂肪酸
・一価不飽和脂肪酸
炭素の二重結合が1つ
オレイン酸
含有食品:動植物油脂
・多価不飽和脂肪酸
炭素の二重結合が2つ以上
・n-3系
二重結合がメチル基の炭素から数えて3番目から始まる
α-リノレン酸、IPA、DHA
含有食品:植物油脂、魚など
・n-6系
二重結合がメチル基の炭素から数えて6番目から始まる
リノール酸、アラキドン酸
含有食品:動植物油脂、卵、肉、魚など
おおまかに『飽和脂肪酸はコレステロール値を上昇させ、不飽和脂肪酸は低下させる』効果があります。コレステロールは決してワルモノではないので、バランスを考えて普段の食事を選びましょう。ここで必要なのは『摂取すべきではない脂質』に関しての情報です。
実は、加熱調理をすることによって『食べるプラスチック』とも言われるとんでもない脂肪が生まれてしまうのです。
食べる”プラスチック”
『トランス脂肪酸』は別名食べるプラスチックとも言われています。自然界には微量ほどしかない稀有な物質で、植物油を加工し以下の製品を作る時、また植物油を高温処理する際に発生する物質です。製品に以下の表記があるときは高濃度のトランス脂肪酸が含まれていると考えて良いでしょう。
・マーガリン
・ショートニング
・植物性油脂
・植物油脂
トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種で、下記画像右側のように炭素に対して水素が反対側からくっついている構造になっています。これはシス型で作られる細胞膜の構造とは合わず、ただし細胞膜の材料になってしまうため、構造をおかしくさせてしまうのです。
糖質、脂質いずれにしろ本来必要な栄養源なのです。そのなかに悪いヤツもいれば良いヤツもいるだけで、それらを取捨選択して摂取していけば、アナタの身体は最高の状態をキープすることができるでしょう。
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