【入門用】酸性とアルカリ性の違い、知ってますか?【pH値】

アルカリ性がなにを溶かす? pH値についてもわかりやすく解説

 酸性は水に溶かすと『水素イオン』を放出する物質。アルカリ性は水に溶かすと『水酸化物イオン』を放出する物質です。それらを混ぜ合わせると『中和』され水が生まれるのですが、水は完全な『中性』を表し、性質の度合いを示す『pH値水素イオン指数』ではになります。

 酸性に傾くほど酸っぱさを感じたり、アルカリ性が強いほど苦味が表れたりします。これらの変化はなぜ起こるのでしょう? 今回はこれら不思議な『アルカリ』について書いていこうと思います。

酸・アルカリ・pH値・中和

 が酸っぱいのは酢酸という化合物が水に溶けたからです。また、強力な洗剤を指につけておくとヌルヌルするのは。そこに含まれるアルカリ性の物質が指のタンパク質を溶かしているからです。酸性とアルカリ性、これらの性質はどのようなものなのか、それぞれの性質と関連する用語をまとめてわかりやすく解説していきます。

 水に溶かすとプラスの電荷をもつ『水素イオン』が出てくる物質を指します。水に水素イオンが増えるほど強い酸性を示すようになります。

 『水素』は気体として存在するとき無味無臭で、2つ結びつくことで気体の水素となります。よって分子式は『H2』ですが、一方の水素イオンは『水素原子H』から電子が離れた、つまり電離した状態です。水素は『陽子1個』と『電子1個』の組み合わせでできたもの。そこから電子が抜けたのですから、分子式は『H+』になります。電離水素、もしくは陽子と呼んでしまっても良いでしょう。

 酸性のものが酸っぱかったり、あらゆる物を溶かしてしまうのはこの『水素イオン』のしわざです。

 ちなみに『酸素』は酸性のものとは全く関係ありません。酸素を発見した『アントワーヌ=ローラン・ド・ラボアジェ』が――

<strong>ラボアジェ</strong>
ラボアジェ

酸素原子が物質を溶かしているのか!!

 と勘違いしたからついた名前です。このネーミングが定着してしまった今、勘違いする人が多くなるのは仕方ないことですね。

酸が金属を溶かす

 金属の中ではたくさんの電子が自由に動いています。それが酸性の物質に触れると、物質中のプラスの電荷をもつ水素イオンが、マイナスの電荷をもつ電子を引き寄せて金属から電子を奪い取ります

 結果、電子を獲得した水素は2つ合体し『水素ガス』となり、電子を奪われた金属はイオン化し遊離。結果溶けてしまうのです。

アルカリ性

 水に溶かすとマイナスの電荷をもつ『水酸化物イオン』が出てくる物質です。アラビア語で『』を意味し、植物を燃やした灰を水に溶かすとアルカリ性になることから名付けられました。

 アルカリ性の物質はおおよそ苦い味がします。さらに、タンパク質などの有機物を溶かす性質ももっており、化学式は『OH-』です。要約すれば『酸素1個』と『水素1個』、さらに『電子が1つ余分にくっついている状態』と言えるでしょう。アルカリ性は日本語で塩基性とも呼びます。

 強いアルカリ性の洗剤を指につけ、ちょっと指をもんでいるとヌルヌルするのは指が溶かされている証拠です。非常に危険な状態なのですぐに洗い流すようにしましょう

 タンパク質を溶かす性質は油汚れを落とすのに最適で、たとえば脂肪酸と反応し石鹸をつくることができるので食器用洗剤などはアルカリ性のものがありますね。ただし、アルカリ性の洗剤は手の脂分もよく落としてしまうので、手がカサカサにならないよう食器を洗った後はハンドクリームを塗るようにしましょう。

pH値

 日本語読みだと「ピーエイチ値」もしくは「ペーハー値」と呼び、英語でのフルネームは[Potential(Power) of Hydrogen]となります。日本語では『水素イオン指数』となり、溶液に含まれている『水素イオン』の濃度を表します。

 基本的に『0~14』までの値でとられ、完全な中性は『pH7』。数字が小さいと『』、大きいと『アルカリ』に性質が傾きます。値が1増えると水素イオンの量は10倍になりますので、7から遠い数字ほど二次関数的にそれぞれの性質が強まっていきます

 水は中性ですが、塩酸や酸っぱいモノのおおよそは酸性。逆にアンモニア水や水酸化ナトリウムなどはアルカリ性を示しますね。学校の理科の実験で習ったかと思いますが、リトマス紙BTB溶液など、性質を見分けられる方法はたくさんありますね。身近なものに試して、それぞれの値を確かめてみましょう。

 画像:理系のための忘備録よりサイズ等一部加工:当該ページは こちら

中和

 酸性、アルカリ性の水溶液を混ぜ合わせると、水溶液中の『水素イオン』と『水酸化物イオン』が結びつき『水分子』になります酸塩基反応。水は完全な中性で、このような反応を起こしpH値を中性にすることを『中和』と呼びますが、完全に中和させるには水溶液中の各イオン量を正確に計れないといけないので人力ではまず不可能でしょう。

 性質を中性にする行為なので毒を中和するという表現は正しくない

 今日の化学ではさらに研究が進んだことにより、酸性とアルカリ性の定義に関する説も複数存在します。代表的なのが『電子対』の受容体であるか供与体であるかでアルカリを分けるものですが、これらに関してはまた別の機会に記事を書いていきたいと思います。

 これらの内容は『水谷淳』氏著作『科学用語図鑑』にて詳しく書かれています。理学博士として、また翻訳家として多種多様な著書を翻訳した実績から、物理や科学、生物に宇宙など様々な科学用語を解説した氏ならではの1冊です。図解でわかりやすく書かれているので、理系に苦手意識をもっている方や子どもなどにも最適ですね。

科学用語図鑑
科学用語図鑑
“ToDo”チャレンジ

① 食器を洗った後ハンドクリームを塗ろう
  手がカサカサになるのはアルカリ性のしわざです
② 酸・アルカリを確かめるツールを手に入れよう
  ホームセンターや通販でリトマス紙などを購入してみよう
③ 身近な酸・アルカリを探してみよう
  人間のお肌は”弱酸性“ですよ

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