【入門用】量子力学用語”ハイゼンベルクの不確定性原理”について【解説】

量子力学に”物理”は通じない 素粒子は”不確定”に満ちている

 ハイゼンベルクの不確定性原理とは『素粒子の運動量と位置が同時に確定しない』という原理です。ドイツの物理学者『ヴェルナー・カール・ハイゼンベルク(Werner Karl Heisenberg)』が1927年に発表した理論で、思考実験をもとにうちたてられたものです。

 この世界は様々な物質に満ちています。その物質をより細かく分解していき、これ以上細かく分解できない最小単位を『素粒子』と呼びます。その素粒子たちのふるまいや、ミクロの世界に広がる法則を研究するのが『量子力学』です。不確定性原理は量子力学を世間一般に知らしめる一助にもなりましたが、このようなややこしい法則が量子力学の“基礎”の領域だというのだから恐ろしいですね。

 今回は、そんなハイゼンベルクの不確定性原理について書いていこうと思います。

可能性の”海”に広がる素粒子 不確定性原理について解説

 運動量位置が同時に確定しないのが不確定性原理の肝ですが、よりシンプルに解説しましょう。これはつまりこういうことになります。

① 素粒子の”位置“が確定した時、素粒子の”運動量“はわからない
② 素粒子の”運動量“が確定した時、素粒子の”位置“はわからない

 ある素粒子の位置が確定している時『運動量どの方向にどのくらいのエネルギーで動いているか?』がわからなくなってしまうことを表します。素粒子のとしてのふるまいがそうさせているのですね。場所がわかっても、その波がどこに向かっているのか、どこに向かうのか、どのようなエネルギーをもつのかはわかりません。

 さらに、位置の不確定さΔx運動量の不確定さΔpの積は一定値以上になる法則があります。式で表すと以下の通りになります。

 一方が増えれば一方は減る反比例の関係。つまり片方がハッキリすればするほど、その逆は大きく不確定になっていきます。なかなかジレンマを抱えた問題ですね。

エネルギーと時間の不確定性

 また、不確定性原理は『物質のエネルギー量と時間』にも深く関わっていきます。物質にはちょうど良いエネルギーの状態があります。たとえば、人間は余分なエネルギーを脂肪として蓄えることができます。素粒子の場合、余分なエネルギーを蓄えておくことができず、すぐエネルギーを放出してしまうのです。

 原子にはエネルギーが低く安定した『基底状態』というものがありますが、たとえば水素原子に熱などエネルギーを与えると、それらを吸収してより高エネルギーの状態になります。

 しかし、高エネルギー状態は不安定なので、水素原子は「いーらない!」とエネルギーをポイ捨てしてしまうのです。問題は『エネルギーの量』と『ポイ捨てするまでの時間』で、水素原子が基底状態より高いエネルギーを所持している際、エネルギーに関する2つの値にはが生まれるのです。

 このエネルギーの振れ幅 = 不確かさは、高エネルギー状態を維持する『時間』に依存しており、時間が短いほどエネルギーの振れ幅は大きくなります。そして『時間が無限大エネルギー量は確定』になります。これらを要約すれば以下のようになります。

① “無限“の時間をかければ水素原子は”確実“に基底状態に戻る
② 時間をかければエネルギーを放出するが
  どの”タイミング“で放出するかはわからない

 これらの内容は『山田克哉』氏著作『E=mc2のからくり エネルギーと質量はなぜ「等しい」のか』に詳しく書かれています。著者はアメリカ、テネシー大学にて理論物理学の博士号過程を終了。多くの大医学で教授を歴任し、アメリカ物理学会の会員もつとめます。多数の著書も発行し、このような経歴のなか入門者にわかりやすい文体、解説で記された本はとても読みやすく、文系の方にこそ読んでいただきたい良書ですね。

E=mc2のからくり エネルギーと質量はなぜ「等しい」のか (ブルーバックス)
アインシュタインの独創によって、物理学に革命を起こした相対性理論。「世界一有名な数式」は、どこがどうすごいのか?速く走れば走るほど、体重が増える!?核兵器はなぜ、すさまじい威力を発揮する?不確定性原理と協力して「無」から粒子を生み出す!?そして、今なお進化を続ける宇宙との深い関係とは?――E=mc2が、すべてのカギを握...

エネルギー保存の法則を破る

 無限の時間があればエネルギーは確定する。逆に不確かな状態の時、その範囲内であればエネルギーはどのような値でもとりうるということが言えます。つまり『無限小の時間内だとエネルギーのは無限大に極限まで近づいても構わない』ということになります。

 つまり、不確定性原理が適用される範囲内であれば、エネルギー保存の法則を無視してエネルギーが発生しても良いのでは? ということ。この宇宙の『』からエネルギーが誕生することもアリなのです――とんでもない可能性ですね。

 現在、ハイゼンベルクがはじめて打ち出した不確定性原理は、ハイゼンベルク自身が気づかなかった問題が指摘され多くの改良がなされています。現在の不確定性原理として解説される多くは『小澤の不等式』と呼ばれる、日本人の『小澤正直』氏が修正を施した式になります。不確定性原理に測定前の位置と運動量の『量子ゆらぎCqCp』を加えました。

 宇宙観測技術は年々向上していき、詳細がより明らかになっています。観測により明らかになった情報をもとに理論が構築され、いつか宇宙の真理が解明されると良いですね。

本日の”ToDo”

①身近な量子力学を発見しよう
  電子機器にはたくさんの技術が利用されています
思考実験をしてみよう
  想像力を鍛えると様々なことに役立ちます
夜空を見上げてみよう
  色んな星座を探してみましょう

 アナタの心に知識というオアシスを

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