【新常識】やる気なんていらない → アナタのやる気は既にMAXなんだから

たったひとつの”コツ”だけでいい!? やる気の新常識をわかりやすく解説

 やらなきゃいけない事があったのに、ついつい後回しにしてしまった――アナタにはそんな経験がありませんか?

 「もっとやる気があれば……」なんて思ったりしますよね。でも安心してください。アナタのやる気は方向性が迷子になっちゃっただけで、それさえきちんとすればかんたんになんでも意欲的に取り組めるようになります。アナタにとって勉強をするという目的を『達成』するために必要なのはたったふたつです。

目的の達成 = 能力 × モチベーション

 アナタの目標が『プロ野球選手になりたい』だった場合、野球選手としての能力が高いほど、モチベーションが高いほどプロ野球選手になりやすくなります。逆に言えば能力とモチベーション、いずれかが足りなければプロ野球選手への夢は遠のくというわけですね。

 能力とモチベーションは掛け算です。たった1の違いでも計算結果に大きな差が生まれることに気をつけましょう。たとえアナタ自身の能力が高くても、普段の努力やモチベーションが低くては目標達成は夢のまた夢だということです。

 そもそもモチベーションってなんでしょう? アナタはおそらく『モチベーション = やる気』と考えていませんか? ――実はそれ大きな間違いです。モチベーションは心理学用語で『ある目標に向けた行動を開始させる要因』です。大げさなことを書けばコレだってモチベーションなんです。

催してきたからトイレへ行く
眠くなったからふとんに入り込む
明日の天気が知りたいからテレビをつける

 モチベーションを上げるのはカンタンです。というよりアナタはすでにモチベーションMAXなので、やることはただ『モチベーションを都合のいい方向に導く』ことだけ。これまでもかんたんいやる気をアップさせる方法をご紹介してきましたが、今回はそもそもモチベーションってなんだっけ? に関するわかりやすい解説をしていきましょう。

アメリカ合衆国、教育省管轄サービス(Education Resources Information Center)
 上記計算式の詳細に関しては こちら(英語)
内部リンク
 過去に紹介したモチベーションアップ法に関しては こちら

これさえ知ってればすぐにモチベーションを上げられます

 脳はとても気分屋です。せっかくのモチベーションをうまく引き出せないこともあるでしょう。アナタなにもしたくなくなった経験がありますよね? ――脳が「なにもしたくない!」と叫んでる時はあきらめて寝るのもひとつの手段です。が、以下の3要素を知っておくと自分自身のモチベーションをうまくコントロールできる可能性がグンと上がります

アナタはなんで”それ”をするの?

 アナタが学校や職場に行く理由はなんでしょう?

<strong>勤勉なAさん</strong>
勤勉なAさん

多くのことを学習して将来に役立てたい

<strong>柔和なBさん</strong>
柔和なBさん

仲間といっしょに一生懸命働きたい

<strong>弱気なCさん</strong>
弱気なCさん

出勤しなきゃ叱られちゃうから……

 理由は人それぞれでしょう。けど、これって“ほんとうの理由”なんでしょうか?

 アナタが絵を描くことが好きだから絵を描いていたとしても、心の奥底では「自分の描いた絵を褒められたい!」という想いがあるかもしれません。じゃあなぜそう思うのかというと『小さいころ、自分が描いた絵を両親に褒められて嬉しかった』という記憶があるかもしれない――これは心理学的に充分にあり得る話です。

 この例の場合、アナタの本当のモチベーションはこういうことになります。

絵を描くことが好き
 → 自分の描いた絵をみんなに褒めてもらいたい
 → 小さいころ、両親に自分が描いた絵を褒められてうれしかった
 → もっと褒められたい、自分を認めてもらいたい

 アナタにとって『本当のモチベーション』はなんでしょう? ウソをつかず正直にアナタの本心を紙に書き出してみてください。みんなに認められたい、お金が欲しい、自分を知ってほしい、自分の世界観を磨きたい――自分が本当にやりたいことを知っておくと、世の中にあふれるモチベアップテクニックをより有効に引き出せることができます。

アナタはなんで”それ”を続けるの?

 脳は同じ作業がニガテです。かならず飽きが来ます。いくら読書が好きでも1日中読みまくることはできませんし、周囲の音で注意散漫になったり、途中で別の予定のため中断することもあるでしょう。

 世の中にあふれるやる気アップ術の多くは中断させない方法をあまり紹介してないような気がしますが、実はモチベーションにとっていちばん大切なのは『いかにモチベーションを削がれないか?』にあるのです。

 アナタがやる気を削がれる理由はなんですか?

・小さな雑音が気になる
・スマートフォンに気を取られる
・ゲームがやりたい

 こういった事、いちど気になったらどんどん引っ張られてしまいます。脳は作業めんどくさいモードに入ってる。けどやらなきゃいけない――こういったやらされている感はモチベーションの大敵なので注意が必要です。

 作業のジャマになる存在が身近にありませんか? 宿題や仕事をする上で必要のないモノが側にありませんか? モチベーションがスマホやゲームに向いてしまうとなかなか修正が難しいですよ?

アナタはどうやって”それ”をするの?

 大学進学は多くの方が目指す道ですがなり方は人それぞれです。大学受験で高成績を取りたい場合、アナタはまず必死に勉強しますよね? でも、ひとことで大学と言っても文系や理系、偏差値、どのような学科かによって勉強する範囲が異なるでしょう。

 ある企業に就職したい時、アナタはどう行動するでしょうか? その業界の動向について情報収集したり、面接時にされそうな質問を想定したり、あらかじめ答えを用意するでしょう。このように『どう行動するか』というのもモチベーションです。受験と関係ない科目を勉強しようとは思いませんし、面接で聞かれそうに無い質問の返答は用意しないはずです。

 モチベーションは定めたゴールに合致していればいるほど引き出されます。アナタがどういうゴールをもっているか、そしてどういう手段が用意できるかを再チェックしてみましょう。

 以上の3点はアナタのモチベーションが何なのか教えてくれます。アナタが実際にしてる行動を思い出して「なんでこの行動をしてるんだ?」と考えてみましょう。そうすると『アナタがいちばん大切にしてるもの』が見えてきますよね?

環境があればやる気なんていらない

 やる気が無いにも限度があります。退学になるほど学校をサボる人は極めて少ないですし「やる気が無いので休みます」なんて言う社会人を見たことがありません。なぜ、わたしたちはどんなにやる気が無くても学校や会社に向かうことができるのでしょうか?

 その答えは『アナタは既にやる気マシマシの状態』だからです。

 いやいやちょっと待てと、こっちはイヤイヤ学校や会社に行ってるんだという方は落ち着いてください。これはアナタのやる気ではなく『ベクトル』の問題なのです。

テクニックなんていらない

 モチベーションがまったく無いというのは『何もしない状態』ことです。脳神経が信号を送ってやる気が生まれるので、それが無いということは本当の意味でのになりますよね? それでもアナタが制服やスーツに着替えて出かけられるのは、脳のやる気スイッチがきちんとONになっている証拠です。

 やる気を引き出すテクニックなんて必要ないんです。アナタのやる気がスマホやゲームに向いてるなら、その方向をちょっとだけ変えてあげればいいだけなんです。

 アナタにとって本当に必要なものは『環境作り』です。ここで紹介することを活かして、アナタが本来もっている素晴らしいモチベーションを活かしていきましょう。

環境だけでモチベーションは変わる

 アナタがどんな時でも職場で働いているように、環境さえ整えればアナタの脳は必ずやる気を引き出してくれます。

“それだけをする場所”をつくる

 整理整頓ができてない部屋にいると作業集中の妨げになります。まずは自分の作業机をキレイにして作業に集中できる環境を整えましょう。自分の部屋で作業をする場合、以下の領域を用意しておくと効果的です。

趣味の場所
作業をする場所
眠る場所

 部屋の広さによっては『寝る場所 = 遊ぶ場所』になっても構いませんが、必ず作業する場所は独立させておきましょう。できるなら仕切りを置いて脳に「ここは作業をする場所だ」とインプットさせるとなお良いですね。

 ひとつ注意が必要なのは、一度場所を設定したら『そこ以外では作業をしない』ことです。モチベーションは“その場所”にいるとうまく引き出されるので、一度勉強する場所を設定したらそこ以外では勉強せず、また勉強する以外でその場所を使わないでください。これだけで、アナタの脳は敏感なやる気スイッチを持ってくれます。

“やる前の準備”をする

YouTubeチャンネル、Shinsuke Handyman:投稿動画より

 大谷翔平選手の打席を見てみると、バッターボックスの土が荒れているときは軽くならして、次に左足をしっかり地面に踏み込んでバットを回し肩に担ぎます。これが大谷翔平選手の準備です。打撃モードへのスイッチが切り替わり、これからもどんどんホームランを量産してくれるでしょう。

 わたしたちはホームランバッターにはなれませんが、目の前の作業に集中するための切り替えスイッチはたっぷりあります。ただ作業をする前に『なにか』をするだけでいいのです。

・作業前のルーティンを決める
・ルーティンを繰り返す

 ルーティンはなんでも良いですが、なるべくアナタが「これは大事な作業をする合図だ!」と思えるようなものにしましょう。5分間の瞑想でも良いですし、コップ1杯水を飲むでも良いですし、なんなら指パッチンを10回でも構いません。とにかく「これは大事な作業をする合図だ!」と思えるようなルーティンを設定すれば、脳が勝手に作業用のスイッチをONにしてくれます。

 ルーティンを繰り返し行いつつ「よし、できる!」と思ったら作業開始です。しっかり準備を整えて最後までモチベーションMAXでいきましょう! このほかたった5秒でやる気をMAXに導く方法など、数多くの驚くべきヒミツが、アメリカで弁護士をしていた『メル・ロビンズ(Melanie Lee robbins)』氏によって紹介されています。

 彼女はポッドキャストの司会者や作家など幅広い分野で活動をしています。環境を変えるだけでいい。これを知ったら他のモチベーション向上テクニックが不要になるかもしれませんね。

 5秒かぞえてやる気MAX

5秒ルール―直感的に行動するためのシンプルな法則
5秒ルール―直感的に行動するためのシンプルな法則

別のモチベーションは排除する

 アナタのやる気は常にMAXです。が、その方向はカンタンにあっちこっちへ向いていってしまいます。スマホの呼び出し、中途半端に進んだゲーム、見てる途中のドラマ、友人や恋人との約束――それらにモチベーションが奪われないよう、作業に集中したい時間は『他のモチベーションを断ち切る』ようにしましょう。

・スマホの電源を切る
・誰にも呼び出されない状況にする
・食べ物飲み物は用意しない

 食事、トイレは作業前に済ませておきましょう。なにか他の要素が中途半端だった場合、アナタの脳は「そういえば、あのドラマの続きまだ見てなかったな……」と考え出してしまいます。それは良くないので、もし気になることがあれば先に解決しておくのも良いですね。

 これらの環境を整えて、アナタが本来もっているモチベーションを作業に全振りしちゃいましょう。モチベーションにテクニックは必要ありません。ただそれをやる環境さえ整えれば、アナタの脳は勝手にやりはじめます。

 この話を聞いただけで、なんとなくやる気が出てきたでしょう? ――ということで、さっそく今日から試してみてください。いつもと違った気持ちで作業に取り組むことができるはずです。

モチべーションの心理学-「やる気」と「意欲」のメカニズム (中公新書 2680)
「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」。人間の場合はなおさらでやる気がない人にいくら無理強いしても無駄である。そもそも、やる気はどう生まれるのか。報酬を与えるのか、口で褒めるのか、それとも罰をちらつかせるのか。自...

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