【心理学】自己肯定感を高める方法は? 認知を改善する”4行日記”

物事の”受け止め方”を改善 ありのままの自分を許容し前向きな思考につながる”4行日記”とは?

 「自分にはなんの力もない、この成功は運が良かっただけだ」 ――こんな思考が頭の中に渦巻いてしまう瞬間、ありませんか? そんな方はぜひとも今回とりあげる内容を読んでいただきたいです。国の調査でも、日本の子どもたちは外国の子と比べ自己肯定感が低いという結果が出ています。今回は自己肯定感とはなにか、自己肯定感を高める手段なども紹介していきたいと思います。

首相官邸ホームページ、教育再生実行会議 の第十次提言より
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自己肯定感とは?

 自己肯定感とは『自分の在り方を前向きに捉え、肯定し、自信をもち、肯定的な認識をすること』です。人は毎日学業や仕事、私生活で”何か“に取り組んでいます。その何かに対して、アナタの心がどう認識しているか? どう受け止めているか? ――自己に対して肯定を示す感覚は日々の生活において非常に重要なものです。

 心理学の研究は多岐に渡りますので、自己肯定感の扱いについては研究者によってなかなか異なる見解があるようです。たとえば今回参考にしている『樺沢紫苑』氏著作『精神科医が教える ストレスフリー超大全 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト』では、自己肯定感をある著書から引用して『自分の可能性を信じ、自分はできるんだという自身を持ち、肯定的に自己を認識すること』としています。

Bitly

 また『アルフレッド・アドラー』は「自己肯定ではなく自己受容が重要」と説きました。ネガティブな気質の人に、ムリに肯定的な言葉を唱えさせたところで“それ”が高まるわけではないということですね。現在は自己肯定感を改善する手法としてこの自己受容が大切とされています。

自己否定感

 自己肯定感は『高い低い』で表現されています。自己肯定感が低い状態を率直な言葉で示すなら自己否定感ということになるでしょう。自己肯定感の真逆の思考で、自分にはムリだ、自分が嫌いとなにかと『自己を否定する感覚を覚えてしまう状態』を指します。

 自己否定感がある人は、人から褒められたり励まされたとして(どうせ本心じゃない)とか(無理して言ってるだけだ)と後ろ向きに受け止めてしまう傾向にあります。成功を自分の力ではなく(偶然うまくいっただけ)と思い、すべての体験にマイナスを掛け算しようとしてしまうのですね。これでは成功を成功として認識できないので、階段を上がっているという実感も湧きません。こんな時「自分に自信をもて!」とか「自己肯定感を高めよう!」と説得したところで難しいでしょう。

 こういう状態の時、いったいどうすれば自己肯定感を高めることができるのでしょう?

ムリな肯定をせず”ゼロ”にする

 自己を否定する感情をいったん『ゼロ』にする。これこそが自己受容の肝です。コンプレックスを抱える自分、欠点がある自分、失敗ばかりする自分、後ろ向きな自分――それらをそのまま受け入れること。自分は失敗ばかり、だけどそのままでいいんだ。そう考える感覚が自己受容です。

 自己を否定する傾向がある人に、いきなり「前向きに生きろ!」とか「もっと人生を楽しめ!」なんて言ったところで意味がありません。まずは『今の(感じている)自分の状態を受け入れる』ところからはじまり、そういった感覚を受け止めて自己否定感をゼロにする。今ある自分をムリに変えようとせずに、あるがままの自分を受け入れた上で1歩ずつ、ゆっくり歩いて行こうという考え方が必要なのです。

精神科医の樺沢紫苑氏がオススメする”自己受容の4行日記”

 わたしが個人的に尊敬している精神科医の『樺沢紫苑』氏は様々なメディアで活動しており、メンタルの不調に悩む方向けに様々なテクニック紹介やアドバイスを行っております。氏が自己受容を得るためにオススメしているテクニックとしてこの『自己受容の4行日記』があります。すこし深堀りして書いていきますが、その前に氏が紹介するテクニックとして『ポジティブ3行日記』というものがあります。4行日記はその発展型であるので、まずは3行日記のほうから説明していきましょう。

精神科医の樺沢紫苑氏のYouTubeチャンネルは こちら

ポジティブ3行日記

 ポジティブ3行日記は非常にシンプルで、ただ『その日幸せを感じた出来事を3つ書く』だけです。そんなにないよ! なんて言わずにとにかく探してみてください。この幸せを感じた出来事を探すだけでも、脳が幸せを探す行為をしてくれるので非常に効果があります。

 脳の隅々まで検索して書き出した3つの幸せを毎日日記に書き続けていくと、樺沢紫苑氏によれば1ヶ月もすれば心の状態が変化していることに気づくはずです。例としてわたし(犬物語)が即興で書き上げた3つのポジティブを紹介すると、

<strong>犬物語</strong>
犬物語

・いつもより犬とたくさん遊んだ!
・ブログ記事をスムーズに書けた!
・ここ数日ギリギリ7時間睡眠を確保している状態だった。しかし昨日は久しぶりに8時間の睡眠を確保できたおかげで寝覚めスッキリだ! やっぱりシャキっとした気持ちでいるとなんでも意欲的に行動できるなぁ。

 と、こんな感じですね。楽しい、幸せだと感じたことであればほんのささいなものでも構いません眠る15分くらい前に書くとよりポジティブな気持ちが記憶に残りやすくなって非常に効果的です。慣れないうちは、上記2行のようにに箇条書き形式からはじめ、慣れてきたら3行目のようなより細かい描写に挑戦してみましょう。

 今日からアナタは『ポジティ部』の一員です。毎日ハッピーな出来事を探す旅へでかけましょう!

自己受容の4行日記

 っと、本題はこちらでしたね。4行日記はそれにプラスして『ネガティブな要素をポジティブの記入前にひとつ加える』だけです。仕事でミスをして上司に叱られたとか、そういった経験を『1つ』だけ記入しましょう。いくつもあるからってそれ以上は書かないでください。人間はアウトプットしたり、思い出したりするとその記憶が定着してしまい、いつでも思い出せるような状態になってしまいます。たとえば『筆記開示』というテクニックはネガティブなことも含め心に浮かぶすべてを書くものです。ただしそれは『すべてをぶつけて忘れる』ためのもの。決して思い出すためのテクニックではないのです

 4行日記はその対策を万全にしています。3つのポジティブを記入する前にあえてネガティブを記入し、それに対して「誰でもミスすることはある。今の自分でOKだ」とフィードバックを加えることで頭の切り替えをし、さらにポジティブな出来事を3つ続けて、脳の『終わりよければ全てよし』と認識するバイアスを利用し締めくくるというなかなか考えられたテクニックですね。

 とはいえ、自分を励ますようなフィードバックが思い浮かばないという方もいるでしょう。そういう場合はムリに前向きな言葉を考えたりせずに『今のままの自分でいいんだ』というような、今の自分を認めるワードを記入していきましょう。そんなこと書いてもいいのかな? なんて心のなかで葛藤してしまうアナタ、いいんです! 書いてください!! 例によってわたし(犬物語)流の日記を紹介してみましょう。

<strong>犬物語</strong>
犬物語

・上司に叱られてとても落ち込んだ
  長いことやっていればそういう瞬間もある。今の自分で良い


・早めにブログを書き終えて勉強の時間が増えた
・プチチートデイでたっぷり好きなものを食べた
・犬と散歩をして思いっきり汗を流した


今日も全体を見通すと楽しい1日だった!

 と、このような感じです。最後はポジティブに締めくくって、良い気分で日記を閉じ就寝しましょう!

自己肯定感は自信につながる

 自分に自信をもつ。常にそういった状態でいることは難しいでしょう。そもそも自己否定感をもつ方に「自信をもって!」と言ったところで効果がありません。自信というのは自己肯定感を高めて、成功体験を積み上げその行為に対して(できる!)という感覚を見出すことで生まれます。自信をつけたいならまずは小さな結果から、小さな結果を生むためには自己肯定感の向上から。ムリをせず自分のペースで進んでいきましょう。

 自己肯定感を高めたいという方は、テストの結果よりも、そのテストを返された結果を見て『自分がどう感じたか?』に注意を向けましょう。もし否定的になっていたら、ここで紹介したテクニックを利用して、少しずつ自分の受け止め方を変えていきましょう。

“ToDo”チャレンジ

日記を書き始めてみよう
  3行日記がオススメですが、書きたいことがあればどのような形式でも構いません
陽の光を浴びよう
  ビタミンDの活性化は身体に良い影響を及ぼします
笑おう
  自己肯定感は心身を整える最良のです

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