ヒス構文を使うようなヤツと”話し合おう”なんて考えないでください
ヒス構文とは『論理を飛躍させたり、論点をすり替え相手に罪悪感を抱かせる構文』です。お母さんが行うものとされ、ヒステリックな語気を伴うことで相手に罪悪感を抱かせる効果があります。
ヒス構文を使う人に話は通じません。議論どころか話し合いすらできません。そんな人に対する究極の対策は『話をしないこと』です。
相手にしちゃダメです。もうとにかく話を切って距離を置いてください。話が通じない人と話をする必要はありません。場合によってはそのまま縁も切っちゃってください。どうしても話さなきゃいけない場合は最後に解説するこころの準備をしてから挑みましょう。
ヒス構文はお笑いコンビ『ラランド』がつくった言葉です。いったいどのような構文なのでしょうか?
こういうことしか言えないひと、近くにいる?
YouTubeチャンネル、ララチューン【ラランド公式】:投稿動画
ちょっと以下の会話を読んでみてください。
自分がされてイヤなことは人にしちゃダメだと思う
イヤじゃなければ何してもいいと思ってるの?
日常でよく見かけそうですね。アナタはどっち側になりそうですか? ――世の中にはこういったヒステリックな構文がたくさんあるようです。
ヒス構文はお笑いコンビ『ラランド』が産んだ言葉で、YouTubeチャンネル『ララチューン【ラランド公式】』に投稿した動画をきっかけにバズりました。
① 論理飛躍型
家族の発言を拡大解釈することで
論理を飛躍させ問い詰めていく
② 論点すり替え型
今話してることとは全く関係のない
別の論点を持ってきて、優位に立とうとする
③ 自己否定型
自身を過剰に否定することによって
「そんなことないよ」を引き出そうとする
④ 大胆結論型
大胆な結論だったり突飛な解決法を示し
議論を無理やり終了させる
⑤ 大量連射型
とにかく大量の言葉を浴びせかける
息継ぎもせず言葉を連射することで
相手に隙を与えない
動画では『おかあさん限定の構文』とされてますが、巷ではこういった論法をする人々が多い気がしますね――ストレスを溜め込んだ結果つい出てしまったのならまだやりようはありますが、常日頃こういった言動の人とは友だちになりたくありませんよね。
実際、こういった他人の足をひっぱったり、話が通じなかったりする人間が近くにいるとアナタ自身もそれに似てきてしまいます。アナタが「あ、ヤバい」と感じたらさりげなーく距離を広げていきましょう。
ヒス構文それぞれの特徴をわかりやすく解説していきます。
ラランド(LALANDE)
オフィシャルサイトは こちら
ラランドの”ヒス構文”誕生秘話
YouTubeチャンネル、ララチューン【ラランド公式】:投稿動画
ヒステリックモードになったお母さんが使う構文をヒス構文と呼びますが、そもそもヒス構文はどこで誕生したのでしょうか?
ヒス構文がバズった(流行した)きっかけは冒頭でシェアした動画ですが、これはお笑いコンビ『ラランド』が以前収録したラジオで話題になった構文をわかりやすくまとめたものです。
本来のヒス構文の起源は、ラランドがお笑い芸人のラジオが無料で聴けるアプリ『GERA』にアップした音声放送にあります。
ラランドが担当するラジオ『声溜めラジオ』の記念すべき100回目にて、ラランドの『サーヤ(メイク濃いほう)』氏が「自分がネコアレルギーなのに母親が捨てネコを家で保護することになりひと悶着あった」という趣旨の内容からヒス構文の例が挙げられています。
お母さんが理論を飛躍して突拍子もないことを言うヒス構文。どういった内容なのでしょう?
GERA、声溜めラジオ(ラランド)
当該ラジオ放送は こちら(15分40秒から)
論理飛躍型
家族の発言を拡大解釈することで論理を飛躍させ問い詰めていく最もベーシックな型です。
今日のお夕飯とてもおいしかったよ
いつもの食事は美味しくないっていうの? いつも一生懸命やってるのにそういうコト言うのね!
相手にするだけで疲れそうですね。この論法は議論で相手を言いくるめるために使う『ストローマン論法(藁人形論法)』として有名です。相手が言ってなことを相手の発言や主張であるかのように拡大解釈し、それに対する反論を行うのです。
基本的対策
対策はありません。相手は感情的になっており、こういった返しをする時点で論理的な話し合いを放棄していると考えられます。
こちがいくら冷静に説明しても、それで返ってくるのはまた別のストローマン論法です。基本的対策は話をやめることに限るでしょう。
論点すり替え型
今話してることとは全く関係のない別の論点を持ってきて、優位に立とうとする奇襲 & 不意打ちです。
冷蔵庫のプリン食べないでって言ったじゃん!
食われたくないなら隠しとけばよかったのよ!
思わず「いやそういう問題じゃないから」とツッコミそうになりますよね。これも論理学で相手を言いくるめるために使う『論理のすり替え』という論法です。よくある「お前だって〇〇だろ!」という返しも論点を相手の問題にすり替えることで逃れるよろしくない手法(お前だって論法)です。
基本的対策
対策はありません。相手は感情的になっており、相手が話したいコトについて議論しようとしないので対策しようがありません。
こちらがいくら冷静に訴えても、相手はまた別の話を持ち出して論点を混乱させてくるでしょう。基本的対策は話をやめることに限るでしょう。
自己否定型
自身を過剰に否定することによって「そんなことないよ」を引き出そうとする絡め手です。
勉強に集中させてって言ってるじゃん
あーそう、テストの点数が悪いのはお母さんのせいなんだね!
アナタの「そんなことないよ」を引き出したらもう止まりません。この相手に言わせるというのは人の『言ったことは必ず成し遂げなければならない』という心理に付け込めるのでビジネスやマーケティングの世界でもよく使われる戦略です。一度「そんなことない」と言った以上、アナタは相手のすべてを肯定せざるを得ない状況にもっていかれるのです。
基本的対策
対策はありません。相手は感情的になっており、アナタの「そんなことない」を引き出すため全力で被害者を演じます。
そして一度「そんなことない」を引き出したが最後、アナタは蜘蛛の巣に絡め取られたままズルズル引き込まれていくのです。基本的対策は話をやめることに限るでしょう。
大胆結論型
大胆な結論だったり突飛な解決法を示し議論を無理やり終了させる超絶力技です。
ゴミ捨てやってもらっていいかな?
あたしがゴミだっていうの? 消えてほしいって? 世の中の悪いコトぜーんぶあたしのせいなんだ!
どうしてそんな結論に達したのか意味がわかりませんね。思いもよらぬ結論に何も言えず、これは話を終了せざるを得ないでしょう。その先に言葉を交わす糸口はなく、気まずい沈黙がさらなるきっかけとなりさらなるヒス構文が飛び出すかも知れませんね。
基本的対策
対策はありません。相手は感情的になっており、こちらがどんなに慎重に話をしようと突拍子もない結論や展開に運ばされ、何も言えずに終了させられてしまいます。
こんな理論展開に対応しろという方がムリというものです。基本的対策は話をやめることに限るでしょう。
大量連射型
息継ぎなく大量の言葉を浴びせかけ、相手に反論の隙を与えないまま喋り続ける単なる罵詈雑言です。
いやー最近ストレス溜まっちゃってさー
これを聞かされてるこっちも辛いんですけど? こっちは普段ずぅぅぅーっっと耐えて耐えて耐えて文句ひとつ言わずに耐え抜いて頑張ってきたのにアンタはそうやって音を上げちゃうんだ。へーいいご身分ですねーそれでこっちが不幸な目にあってるのをウラで嗤いながら話しかけるわけだ。この話はやく終わんないかなぁそっちが満足するまで動いちゃダメって状況?
次から次へマシンガントークですね。ただ世間話をしようとしただけなのにこう切り替えされてはどう反応すればいいかわからず、相手の言葉が耳に入ってこなくなりそうです。これは議論や話し合いどころか、もはや会話ですらありませんね。
基本的対策
対策はありません。感情的になっており、こちらが何かを言う前に次々とまくしたててきます。その間に言葉を差し込むことはほぼ不可能と考えて良いでしょう。
反論どころか落ち着かせようとする隙すら与えてくれません。基本的対策は話をやめることに限るでしょう。
どうしても話し合いたいアナタへ
YouTubeチャンネル、ララチューン【ラランド公式】:投稿動画
ヒス構文を使う人は、基本的にイライラしてまともな会話ができない状態になっています。そのまま話をしようとしても埒が明かず、逆に相手のイライラが自分に移り、やがて売り言葉に買い言葉状態へシフトしてしまうので話し合おうとすること事態おすすめできません。
どうしても話をしなければいけないという場合、以下のような決意を固めて挑みましょう。
・話し合いたい”論点“をブレさせない
・相手の言葉を否定しない
・人格否定されても耐え抜く強靭な精神力をもつ
・穏やかに話す
ヒス構文を使う人は議論の中心をブレさせてきます。ヒス構文話者対策の基本として話し合いの論点をしっかり確認しズラさないようにしましょう。これはおかあさんだけでなく様々なヒス構文話者相手にも言えることです。
大会で勝ち抜くには個人のスキルアップが重要だと思います
それは時間やコーチの負担が大きくなるでしょう? そもそもスキルってどこまでを言うの?
時間や人員などはまた別の問題です。ここでは大会で勝ち抜くための方法を考えていきましょう
相手の言葉を闇雲に否定すると、相手は意見でなく人格さえ否定されたと受け止めガチです。絶対的な間違いでなければ「それも良いと思いますが、たとえば~」といったクッション言葉をつけましょう。
一方で、ヒス構文を使いこなす輩は平気で人格攻撃をしてきます。そういった挑発の数々に耐え忍ぶ忍耐力も求められます。
ヒステリックになった相手と話すと、アナタ自身もそれにつられて興奮しやすくなってしまいます。気持ち0.7倍速程度の速さで、そして穏やかに語りかけるつもりで話しましょう。そのくらいでやっと等倍速のペースになります。
以上のような対応策がありますが、やはりアナタ自身が疲れてしまわないように、ヒス構文を使うような人とは距離を離したほうが無難です。
どうしても相手しなきゃいけない時がきたら落ち着いて、冷静なこころで対応したいですね。またアナタ自身がそのような人にならないよう気をつけるのも重要でしょう。
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