【読書術】速読は「速く読むもの」だと思ってませんか?【わかりやすい解説】

速読は意味がない? 実は隠された効果がある!? 速読テクニックの活用法についてわかりやすく解説

 読書家にとって『速読』ってかなり有用なテクニックに見えますよね。ふつうに考えて2倍の速さで読めるようになれば2倍の学習効果があるということですから、速読は読書家にとって必須スキルじゃないかとさえ思えます。

 しかし、アナタは「わたしは速読家です」と自ら言う読書家を見たことがありますか? 1冊の本を10分で読み終えたと自慢する読書家を見たことがあるでしょうか? 少なくともわたしは見たことがありません。それどころか、有名な作家であり工学博士の顔ももつ『森博嗣』氏は、自らの著書に「速読は読書とはいえない」とまで記すなど速読はそこまで広がっていないように思えます。

 ほか、多くの読書術におけるテクニックで『速読は意味がない or おすすめしない』といった文言が目立っています。速く読める方が有利なはずなのになぜあまり評判が良くないんだろう? ――これには重要なわけがあります。いったいなんなのでしょうか?

 森博嗣 著:読書の価値
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速読に意味はない? 速読の真実と具体的テクニックをわかりやすく解説

YouTubeチャンネル、精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル:投稿動画より

 読書家の多くが速読を重視しない理由として『速く読むことと理解することは両立できない』ということがあります。

 試しに、アナタの手元にある教科書を5分で1冊ぶん読破してみてください。国語でも歴史でもなんでもいいです。ではそれらの教科書に記された全範囲のテストを受けた時、アナタは何点獲得できるでしょう?

 速く読むことと覚えることは別です。直前で得た情報ですから一夜漬けと同じように短期記憶には残るでしょうが、長期記憶に残る情報は限られてしまいます。わたしが個人的に尊敬する精神科医の『樺沢紫苑』氏も、上記動画内で「1冊の本を読んでどれだけ語れるかが重要」と述べています。

 読書で重要なのは頭に刻むことであり速く読むことではないのですね。しかし、実際凄まじいペースで読書をしている方がいるのも事実です。そういった方はこういう方法で本を呼んでいます。

✕ とにかく文字を流し読みする
◯ 読むべき情報だけを効率的に読む

 これが結果として速読に見えているだけなのですね。

速読はまったく意味がないの?

 では速読にまったく意味がないのか? と聞かれると、どうやら思わぬ効果が期待できるようです。

 2006年、アメリカの心理学者『エミリー・プロニン(Emily Pronin)』氏を中心に行われた研究によると速読や素早い思考は気分に影響を与え、高揚感や自信を与えるという結果になりました。

 参加者は読書速度をコントロールされ、速いグループと遅いグループに分けられました。分析した結果、速く読書をしたグループのほうがより気分が高揚しているというデータが得られています。この実験には考えないようにすることはできないという心理を解明したことで有名な『ダニエル・ウィグナー』氏も参加しています。

 これはつまり『速読をすると自信がつきやすくなる』と言い換えることができるかもしれませんね。

Sage Journals
 当該実験についてはは こちら

どうせなら活用したい!

 読書家にとってあまり速読は評判がよろしくないようですが、かといって速読にまったく意味がないとも言い切れないようです。せっかくなら上記効果を狙ってみたいですよね。

 上記実験ではポジティブな言葉の読書でも気分が高揚していたことから、自信がつくようないろいろな知識が詰め込まれた雑学系の本などが個人的におすすめです。

 とりあえず雑学をたくさん速読したい! という方はとにかく雑学が詰め込まれた本をチョイスしましょう。意外と衝撃的なトリビアも含まれていて、アナタの感情が揺さぶられてしっかり覚えられるかもしれません。

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 ただ速読するだけじゃなくしっかり覚えたい! という方には暮らしに役立ち「コレすぐ使いたい!」という意欲にかられるタイプがおすすめです。アウトプットを織り交ぜることで自然と覚えられるかもしれません。

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 これらは自信をつけたい方向けであり、読書は速読より熟読のほうが覚えやすいというのはしっかり押さえておきましょう。

それでも速読したいアナタへ

 読書家の人は読むペース速いじゃん! これって速読だよね? ――彼らはいったいどのようなテクニックで速く読み進めているのでしょうか?

すでに熟読済み

 自分がまったく知らない分野の本の場合、1から読み進めるにはものすごい時間がかかりますよね。けど、自分がある程度知っているジャンルであればある程度速く読むことができるはずです。

 英語で書かれた本を読む場合、アナタは読破までどれほど時間をかけるでしょう? それと同じ内容でも日本語であればスラスラ読み進められるはずです。使用する言語、すでに知っている内容かなど読書の前提となる知識もカギになるのですね。

 そのほか、たとえば『ブラックホールのナゾについて』といった本の場合、その前提知識として『宇宙』に関する基本的内容が1章めで紹介されるパターンもよく見られます。アナタがもし宇宙に関する知識をある程度もっていれば、1章めの内容はサラッと読むか、そもそも読み飛ばしてしまっても構わないですよね? ――読書家の方はそういった方法で擬似的な速読も可能にしています。

テーマを見抜く

 本には目的テーマがあります。心理学の基本を網羅した本なのか、それとも恋愛テクニックについて書かれているのか、人が勘違いをする理由など身近な現象について語る内容なのか――その本のテーマを理解していると書かれている内容を予想しやすくなり、読書難易度が下がっていきます。

 テーマを見抜くなんて難しそう……と思われガチですが、実は著者がテーマを前書きで示している場合がほとんどです。犬語を紹介するよ! というテーマがつかみにくいタイトルでも、前書きに「犬と仲良くなるために、犬の態度や素振りでいろいろ察しましょう」とテーマや意図を明示してくれたりします。本の表紙やタイトルだけで内容を判断しないようにしましょう。

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著者情報やもくじを読む

 野球をテーマに書かれた本でも、著者がプロ野球選手OBなのか、監督経験者なのか、審判員などの役職かによって内容が違います。選手なら練習や試合に対する姿勢など、監督であれば指揮官としてのマネージメント、審判員なら判定に対する責任感などその役職ならではの内容が本に記されていると予測できますよね。

 専門的な本の場合、著者の経歴所属、現在の研究内容などが著者紹介で記されているので、もくじと併せてどこにどんな内容が書かれているのか予想しやすくなります。

 こういった要素は文学ライトノベルでも活用できます。ラノベの作家紹介ではよく『学生時代は異世界転生モノにのめりこみ~』的な紹介がされていますよね。となると、おそらくその本には異世界転生のオヤクソク的展開が多く含まれているのでは? と予測することができますよね。

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 本を速く読むには『とにかく熟読 + 読むべき情報だけを切り取って読む』ことが重要なのだと思います。すでに知っている部分は読み飛ばし未知なる部分を熟読するなど、アナタならではの速読術をぜひとも開発してみてください。

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