世界に広まる”仮想通貨” ブロックチェーンの概念も併せてわかりやすく解説
仮想通貨とは文字通り『仮想の通貨』。実体はなくインターネット上に存在する『データ』です。しかし、データとはいえ『通貨』です。そこにはお金としての『信用と価値』があり、仮想通貨が保管される専用ツール『ウォレット』によって管理されています。
インターネット上に保管? 実体がない? とても胡散臭い!
――そう感じるのもムリはないでしょう。しかし、重ねて書きますがデータとはいえ『通貨』として利用されています。そこには『お金として運用できるほどの“信用“』があり、現に世界では数多くの仮想通貨による取引が行われ、仮想通貨の運用をメインにする企業も着々と増えています。
なぜ仮想通貨がここまで信用されるのあ? なぜここまで広まったのか? その理由として最も大きいのが『ブロックチェーン技術』です。今回は仮想通貨の概念とこれを可能にした技術について書いていきましょう。
ブロックチェーン技術とは?
ブロックチェーンとは『取引データをブロックに記録し、それらをチェーンで繋げ管理する』手法です。このデータを世界中の仮想通貨を取引しているパソコン上で共有し、相互監視することによって通貨の信用性を高めているわけですね。
お金が信用されているのは『だれもが“価値“を認め共有している』からです。日本では『日本銀行券』が共通の通貨として認められ、国がその価値を法定通貨として保証することで使用されています。仮想通貨の場合は世界中の仮想通貨を取引している人が『相互監視することで仮想通貨の価値を共有させている』わけですね。海外では『エルサルバドル』が2021年9月、暗号資産である『ビットコイン』を法定通貨としたことで話題となりました。このように仮想通貨(暗号資産)は全世界規模でますます大きな存在感を現していくと言えるでしょう。
在エルサルバドル日本大使館
エルサルバドルの国内情勢(2021年6月分報告)は こちら
ブロックチェーンのしくみ
ブロックチェーンでは、取引したデータを積み重ねて書き換えできない形で保存されます。『A』というデータが過去に誰のものだったかを時間順に記録しており、ブロックはその履歴を遡って確認できる仕組みになっています。通常のお金で例えれば、銀行から引き落とした金額が通帳に記録されるようなものです。これだけではただ単に『履歴を記録する仕組み』のように感じられるかもしれませんがここからがブロックチェーンの真髄です。
ブロックチェーンの場合すべての端末、つまりその種類の仮想通貨を取引している人へ『すべての取引情報が公開』された状態になっています。世界共通で同じ履歴を共有し、価値観をも共有することで高い信頼性を獲得しているわけですね。銀行通帳で言うならその銀行に関わる記録がすべて個々の通帳に記入されていくようなものです。ですから、不審な取引があった場合通帳を持つ人すべてに知られることになるでしょう。
インターネット犯罪対策も完備
ネット上にデータを保管する上で怖いのは『クラッキング(悪用目的のハッキング行為)』です。銀行がハッキングされお金が盗まれたという事件は何度も起きていますね。ブロックチェーンも安全性は高いですが絶対にハッキングされないとも言い切れません。ただし、不正アクセスをする人にとって重大な問題があるのです。サイバー犯罪者がある1つのブロックをクラッキングしたと仮定しましょう。
1つのブロックに関してデータの書き換えに成功しても、それ以前のブロックに書き換える前のデータが存在しているので前のブロックと比較して必ず矛盾が生じるのです。これをバレないようにするためにはチェーンで繋がれたブロックすべてのデータを書き換える必要があります。数年間激しく取引され延々と伸びまくったチェーンを全てクラックする……考えるだけで「ムリだろ」となりますよね?
それだけでなく、ブロックチェーンはすべての端末に同じデータが存在しているため、たった1つのデータを書き換えきるだけでも世界中すべてのブロックにハッキングを成功し書き換える必要があります。まあ、技術的には可能なのかもしれませんが、手間を考えるとまず無理と考えざるを得ません。
仮想通貨がハッキングされたという事件(コインチェック株式会社による”NEM“流出事件)が過去にありましたが、それは管理者側がハッカーが仕込んだウイルス入りメールを安易に開いてしまったことによる人為的なミスによるものです。
当時のコインチェックは暗号資産を常時インターネットから見られる『ホットウォレット』により管理されていたらめクラッキング行為に弱かったという事情があります。現在はオフライン上で管理される『コールドウォレット』を採用する企業が多く、また上記ブロックチェーンのシステムや他マルチシグなど多数のセキュリティ対策が打たれており、仮想通貨の安全性と信頼性は年々向上しています。
ブロックをチェーンする人
仮想通貨を取引する人は、基本的にブロックチェーンの仕組みを気にすることなく取引できますが、これらの取引情報を台帳記入する、つまり『ブロックチェーンを作る人』は大きな役割を担います。
取引データをブロックに書き込む行為、ブロックを生成しチェーンでつなげるためには非常に複雑な計算をクリアする必要があります。この行為を『マイニング』と呼び、マイニングを行う人を『マイナー』と呼ぶのですが、これを行うには専門的な機材や知識が要求されます。
個人でも高性能PCなどを用いれば可能ですが、マイニングは『最初に複雑な計算を終えたマイナー』がブロックにデータを追加できるので、現在はもっぱら高性能な機材を揃えたマイニングを専門とする業者が担っているようです。ちなみにマイニングを行うと、報酬として対応した仮想通貨が贈られる仕組みになっています。
仮想通貨の未来
仮想通貨が徐々に世界へ浸透していくなかで、経済的な問題に悩まされている国では『代替通貨』として人気があるようです。さらに、上記にある通り2021年6月、中央アメリカのエルサルバドル共和国は法定通貨として『ビットコイン』を採用し、それに関する法は2021年9月からすでに効果を発揮しています。
また人気上昇に伴い投資資本として世界中で取引されるようになり、日本では2017年に大幅な価格高騰によって『億り人』などの言葉が流行りました。仮想通貨は「この通貨には”価値”がある!」と判断した人の共通認識により価値が上下するわけですから、ある仮想通貨に価値を見出す人が多ければ多いほど価値も高騰していきます。今後も仮想通貨に関する大きなニュースがある度に、その価値は大きく乱高下していくでしょう。
仮想通貨は今後も発展していき世界中で使われるようになると思います。気になる方は日本で取引できる仮想通貨をチェックしてみてはいかがでしょうか?
本日の”ToDo”
①仮想通貨について調べてみよう
ビットコインのほか様々な仮想通貨が存在します
②仮想通貨に触れてみよう
アナタにピッタリの仮想通貨が見つかるでしょう
③仮想通貨を始めるなら慎重に!
仮想通貨は自己責任が基本的な考え方です
コメント