【2024年の恵方は?】節分ってなに?【豆まき・恵方巻・柊鰯】

YouTuveチャンネル、熊野本宮大社【公式】Kumano Hongu Taisha:投稿動画より

節分のわかりやすい解説! なんで豆をまくの? 鰯の意味は? なんで始まったの?

 2月3日は『節分』ですね。節分ではの需要が高まります。

 通常は大豆、地域によって落花生小豆などを用意します。用意した豆をそのまま、もしくは炒たものを家のあちこちに投げつけ鬼(=病気など)を祓う儀式をします。

 日ごろのストレスを発散する場としても使えそうですね。日本には五穀と呼ばれる穀物があり、栄養が豊富で健康になれることから、これらは古くから精霊が宿るとされていました。

・稲(米)
・麦
・粟(アワ)
・稗(ヒエ)
・豆

 時代によって五穀の定義が変わりますがおおよそこれらを指します。ブレンドしたものを五穀米とも呼びますね。

 節分では豆を撒きます。豆といえば小豆などもありますが、なぜ五穀のなかで大豆が選ばれたのでしょう? またなぜ2月3日を節分と呼ぶようになったのでしょうか?

  絵と文で味わう 日本人のしきたり
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節分ってどんな儀式? なんで豆? いつから始まった?

YouTubeチャンネル、ひごくま / Higokuma:投稿動画より

 突然ですが、アナタは季節の節目に風邪をひきやすいタイプですか? それとも元気なタイプですか?

 季節が変わっていく時期は体調を崩しやすいですよね。そういった変化は、昔は邪気によって行われるとされていました。そういった邪気や瘴気はという概念で表現されます。

 節分はそんな『鬼を払い元気でいるための儀式』なのです。

天理大学情報ライブラリー
 飯島吉晴氏著、節分と節供の民族に関しては こちら

なぜ大豆を投げるのか?

 季節の節目は体調を崩しガチです。立春の前日である節分(2月3日)に体調を崩さぬよう、精霊が宿る五穀を投げ邪気を追い出し、さらに食べることで良いモノを身体の中に取り入れようとする文化が生まれました。

 大豆は中国古来から大豆(黒大豆)病気の治療に有効だとされ、呪術などに利用されてきました。そういった文化が日本にも伝来し、日本でも五穀として重要視されてきた大豆が鬼退治の象徴として活用されるようになったのです。

 実際、大豆はたんぱく質ミネラルイソフラボンなど栄養価が高く健康食品としても注目されていますね。昔の人々にとっては栄養価の高い大豆は、まさに精霊が宿っていたように見えたのかも知れませんね。

 地域により生のままパターンもありますが、基本はやっぱり煎り豆ですよね? あらかじめ煎ってある豆を用意したほうが経済的で手間が省けると思います。余った豆はそのまま食べて無病息災を祈りましょう。

  国産煎り大豆 500g
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魔除けと柊鰯

 現代の節分の形になったのは江戸時代ですが、節分の際玄関に置く柊鰯などの文化はもともとありました。

 柊鰯(ひいらぎ いわし)、もしくは焼嗅(やきかがし)と呼ばれ、本来は柊の枝先に鰯の頭を刺すスタイルでしたが、江戸時代以前は鰯でなくボラであったり、後の時代の地域によってはに鰯を巻いたり、鰯の丸焼きをそのまま飾ったり、大豆を添えたりと様々なバリエーションがあります。

 鬼は風邪や疾病などの象徴でしたね。焼き魚は栄養満点で、柊は薬草としても重宝されたので、そういった邪気を祓うのにうってつけだったのでしょう。大豆を投げて玄関に柊鰯を飾って、しっかり無病息災を祈りましょう。

 焼いた鰯をそのままにしておくのはちょっと……という方にはディスプレイ用の柊鰯がおすすめです。まるでホンモノのようなリアル焼き鰯は鬼も恐れおののいて逃げ出しちゃうかもしれないですね。

 食品サンプルだから来年の節分も使えて断然おトク! いやでもまさか、柊鰯の食品サンプルなんてニッチなものあるわけが――実はあるんですよねぇ。

  節分用 柊鰯 やいかがし ディスプレイ
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“節分”は1年に4度

 節分は『季節のはじまりの日』です。日本古来の暦で、季節の移り変わりの目安となる雑節(ざっせつ)が深く関わっています。

社日(しゃにち)
  春分、秋分に最も近い戊(つちのえ)の日
  豊作、成熟を祝う行事が行われる
節分(せつぶん)
  立春の前日で、邪気を払う行事が行われる
  元は四季ごとに年4回あった
彼岸(ひがん)
  春分と秋分の前後3日ずつ
  初日を彼岸入り、当日を中日、終日を明けと呼ぶ
土用(どよう)
  立春、立夏、立秋、立冬の前18日間
  土の神、土公神(どくじん)の力が活発になる期間
八十八夜(はちじゅうはちや)
  立春から数えて88日め
  種まきの目安となる日
入梅(にゅうばい)
  暦上の梅雨入りを示す
  入梅の日以降31日間を梅雨とする
半夏生(はんげしょう)
  半夏(カラスビシャク)が生える頃とされる
  毒気が振るとも言われ、地方で様々な風習がある
二百十日(にひゃくとおか)
  立春から数えて210日め
  必ず暴風雨になるとされる
二百二十日(にひゃくはつか)
  立春から数えて220日め
  必ず暴風雨になるとされる

 節分は季節の移り変わりの前日にさだめられ、本来は以下の日にちが節分になりますが、今は春の節分のみ節分と呼ばれるようになりました。

・立春の前日
  2月3日
・立夏の前日
  5月4日
・立秋の前日
  8月7日
・立冬の前日
  11月6日

 雑節は農作業をする人たちの目安となり、たとえば八十八夜は種まきに最適の時期とされています。ほか彼岸や土用などわたしたちにとってもおなじみの言葉がありますね。

 なぜ立春前の節分だけ残ったのか? ――立春前の節分は1年のはじまり(年越し)という重要な意味もあり、次第に節分といえばこの日を指すようになっていったのです。

国立国会図書館、暦の中のことば
 雑節に関しては こちら
国立天文台 天文情報センター、暦計算室
 暦に関する情報は こちら

恵方巻は江戸時代から始まった

 恵方巻きは江戸時代末期に生まれた風習です。恵方は陰陽師が使う十二支の方位のなかでも『歳徳神(としとくじん)が在る方向』を指します。

 恵方はその年の十干(じっかん)で決まります。2024年甲の年なので東北東よりやや東寄りが恵方になりますね。

・甲、己の年
  → 東北東よりやや東寄り
・乙、庚の年
  → 西南西よりやや西寄り
・丙、辛、戊、癸の年
  → 南南東よりやや南寄り
・丁、壬の年
  → 北北西よりやや北寄り

 明治時代まで、日本では正月に自宅から恵方にある社寺へ初詣に行く『恵方参り(えほうまいり)』が主流でした。しかし鉄道など交通網の発展によって自由に往来可能となり、初詣の形は徐々に変化していきます。

 それとは別に、幕末から明治初期にかけ、大阪周辺では節分に商売繁盛や無病息災などを願い切り分けてない太巻きにかぶりつく習慣が生まれました。

 そういった習慣に目をつけた商売人たちが、徐々に節分に恵方巻きを食べるキャンペーンを展開。それが全国に浸透していき、現在はだれもが節分に恵方巻きを食べていますね。若い方はピンと来ないかもしれませんが、実は2000年ごろまで恵方巻は全国的に食べられていなかったんです。

 バレンタイン、クリスマス、それに節分――歴史上、商売人が利益追求のために仕掛けた習慣はたくさんあるのですね。

 なお柊鰯の鰯も江戸時代から広まったという説があります。柊の魔除け効果は、古事記に描かれたヤマトタケルの東征の際柊でつくられた八尋の矛がありますが、鰯は江戸時代に定着していたもので、それまではどんな魚でも良かったのです。

 長い歴史の積み重ねで現在の形になったのですね。ちなみに「自作恵方巻にチャレンジしたい!」という方向けに農林水産省が丁寧にレクチャーしています。

fragment.database
 恵方の方角に関しては こちら
農林水産省
 節分と恵方巻レシピに関しては こちら
同志社女子大学
 柊鰯に関する逸話は こちら

 豆はいいからガッツリ食べたい人用ちょっとリッチでゼイタクな恵方巻

  恵方巻デラックス 320g×2本
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節分の起源は中国にあり

YouTubeチャンネル、GUYU谷雨:投稿動画より

 節分は年のはじめに無病息災を祈る儀式でしたね。季節の変わり目は鬼(=病気など)が襲ってくると考えられていたので、それを追い払うため精霊が宿る五穀(大豆)を使うという流れでした。

 節分の起源は中国の儀式『()』にあります。日本ではこれを追儺(ついな)と呼ぶので、日本のお寺や神社では、節分を『節分(会)追儺式節分追儺神事』と呼んでいますね。

 いったいどのような儀式なのでしょうか?

舞を踊り邪気を祓う

 儺は中国にとっての立春の前日、12月の終わり(大晦日)に行われていた『鬼を払う儀式』です。

 皇帝たちの前で儺用に働く方相氏(ほうそうし)・儺人(なじん)が衣装を身にまとい舞を踊り、邪気を恐れさせ都の外へと追い出そす儀式です。その文化が天武天皇の時代(飛鳥時代)に日本にわたり、陰陽師によって取り仕切られるようになりましたが、その形式は日本独自のものとなります。

 日本でも方相氏・儺人に相当する人はいましたが、彼らは内裏(天皇の住居)内を巡って陰陽師が鬼に供物を捧げて祝詞をとなえ、都の外に追い払う儀式でした。またこのときは節分ではなく大晦日に行われていました。

 この儀式は後に社寺や一般民衆の間でも『鬼を払う儀式』として行われるようになります。その結果、日本の多くの社寺では『節分追儺式節分追儺神事』が行われており、伝来の仕方の違いによって地域差が出るようになり、実際の鬼に豆をまくようになり、1年の節目である節分の日に豆まきをする形に定着していきました。

 日本各地で節分のやり方が違うのはこのためなのですね。節分は毎年おおよそ2月3日。全国の社寺が節分の豆まきをしたり、福豆を販売したりするので、近所に社寺がある方はぜひお立ち寄りください。

科学技術振興機構 SciencePortalChina
 儺の起源に関しては こちら
国立国会図書館 NDLイメージバンク
 節分と邪気払いに関しては こちら
農林水産省
 節分と恵方巻きのレシピは こちら

無病息災を祈りましょう

 これらについて知っていると、ちょっと節分に対する気持ちが変わってきますよね。鬼は元来風邪や疾病の象徴なので、かわいそうと思いつつ全力で豆を投げつけちゃってください。そして年齢分の大豆をしっかり食べて、身体に良い栄養素を取り込みましょう。

 実際に豆まきや柊鰯を用意する際は衛生環境に配慮しましょう。まちがっても数週間置きっぱなしなんてしないように、節分が終わったらすぐ片付けるように気をつけましょう。

 さいごに確認しますが、2024年の恵方は『東北東よりやや東寄り』です。アナタがやる気充分なら、大豆を前日のうちに用意し神棚に備えておきましょう。具体的な豆まき方法などは地域によって千差万別なので、アナタの家庭に伝わる方法で楽しくやってください。

 みんなで節分をして、今年の無病息災を祈りましょう。

国立国会図書館 本の万華鏡
 節分と民衆の反応に関しては こちら
国立国会図書館 NDLイメージバンク
 節分関連の画像は こちら
日本豆類協会
 豆の主な栄養素に関しては こちら
全国遺跡報告総覧
 刀禰勇太郎氏著、節分 その起源と変遷は こちら

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