【感染症】5類と2類ってなにがどうちがうの?【わかりやすい解説】

YouTubeチャンネル、製薬協:投稿動画より

5類になるとナニがどう変わるの? 感染症の”分類”をわかりやすく解説

 人類の歴史は戦争の歴史だと言われます。それと同時に人類の歴史は感染症との戦いだという言葉も聞いたことがありませんか?

 日本は図らずしも停泊中のクルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス号』内部の感染拡大により、未知の感染症と真っ先に向き合う形となりました。それからあれよあれよという間に世界へ感染が広がり、3年経った今では全世界が災禍に悩まされています。世界ではどのくらい感染が広がっているのか? 世界保健機関(WHO)では常に最新情報を入手することができます。

世界保健機関(WHO)
 世界観戦者情報特設ページは こちら

 2023年1月27日、岸田総理が会見にて「5月8日より、新型コロナウイルス感染症を2類から5類に変更」と正式に発表しました。多くのニュースで話題になっているように何かが変わるのはわかっても、この変更が何を意味するのか? これらの類型が何の指標なのか答えられるでしょうか?

<strong>Aさん</strong>
Aさん

そりゃあ危険度だろ。何の危険度かって、それは知らないけど

<strong>Bさん</strong>
Bさん

えっと……世界にどれくらい拡大してるか、とか?

<strong>Cさん</strong>
Cさん

治療法がわかった病気のグループ分け?

 予測不能の新しい感染症が流行した際、日本では『感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(通称:感染症法)』のなかで定義された指定感染症を適用することが多くあります。昨今世を騒がせている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関しては、議論の末はじめは指定感染症に、令和3年2月13日に新感染症法が施行されたことで新型インフルエンザ等感染症として扱われることになりましたね。

 ニュースでは2類5類という単語が飛び交っていますが、ではこの『○類』というのはなんなのでしょうか?

デジタル庁、e-GOV法令検索
 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律は こちら

Bitly

人類の歴史は感染症との戦い

 感染症法ではいくつかの感染症を指定し感染症法のなか(第六条)で定義しています。感染症の予防、まん延防止を基本指針として『一類 ~ 五類』が定義されており、厚生労働大臣の判断で感染症の分類が決まります。それぞれ代表的な感染症を紹介していきましょう。

一類感染症
  エボラ出血熱
  ペスト
  ラッサ熱
二類感染症
  結核
  ジフテリア
  特定鳥インフルエンザ
三類感染症
  コレラ
  細菌性赤痢
  パラチフス
四類感染症
  E及びA型肝炎
  狂犬病
  鳥インフルエンザ
  マラリア
  炭疽
五類感染症
  インフルエンザ
  ウイルス性肝炎
  梅毒
  麻しん(はしか)
  後天性免疫不全症候群(エイズ)

 どれも恐ろしい感染症として有名ですね。これらの類型は『国民の健康に影響を与えるおそれがあるもの』が主に指定され、四類は政令、五類は厚生労働省令で認定します。この他にもいくつか特別枠があり、感染症ごとに上記類系のいずれかに割り当てられます。

・新型インフルエンザ等感染症
  新型コロナウイルス感染症もここに含まれ二類扱い
・指定感染症

  2023年1月現在該当なし
  過去、新型コロナウイルス感染症が含まれた
・新感染症

  2023年1月現在該当なし

 国は感染症法に則って『その感染症に罹患した場合、どのような重篤性があるか?』を考え危険度が極めて高い感染症を一類、二類に分類しています。これらの情報は厚生労働省。動物関連の感染症は農林水産省や環境省にも詳しく記されています。

厚生労働省
 感染症法の分類と考え方に関しては こちら
 コロナが指定感染症扱いだった時の国の対応は こちら
 五類化に向けた検討会のいち資料は こちら
農林水産省
 公式ページは こちら
環境省
 公式ページは こちら

一類、二類感染者が出た時国はどう対応するの?

 ペスト、エボラなどの一類感染症、そしてジフテリア、結核などの二類感染症都道府県知事の判断のもと入院処置になります。どちらも国が指定した『特定感染症指定医療機関』にて入院になり、第一種、第二種ごとに指定された医療機関で入院することになります。いずれも国に感染者の個人情報、状態を知らせる義務があります。

 法律では理由がある場合入院を断ることができるようですが、それ以前に入院させるための権力が大きいのでほぼすべての感染者が入院することになると思います。詳しくは感染症法の第19条【入院】をチェックしてみてください。ほか、主に以下のような違いがあります。

一類感染症
  入院(第一種感染症指定医療機関)
  全額公費負担
二類感染症
  入院(第二類感染症指定医療機関)
  入院のみ医療保険適用、残額はすべて公費負担

 入院期間は原則72時間ですが感染症が治ってないのに病院外に飛び出しちゃったらタイヘンですよね? そのため法律では入院期間を延長できることが定められています。ウイルスとは徹底的に戦う。そんな決意が感染症法にはひしひしと伝わってきます。

 人類の歴史は感染症との戦いなのですね。

厚生労働省
 感染症指定医療機関の概要は こちら
 感染症指定医療機関の指定状況は こちら

ウイルスVSヒト 人類は見えない敵とどのように闘ってきたのか
人類がコロナに打ち勝てるこれだけの理由! 人類は見えない敵(病原体)に直面するたびに、知恵を絞って対処してきた。 逆境に直面するたびに、それを乗り越えてきた人間はこの未曽有の危機にもきっと対応できることだろう。 読めば未来への希望が湧いてく...

三類以降の感染症対策

 二類まではこのように厳しい感染症対策がなされているのですが、あまりに感染者が多いと医療機関が逼迫するなどの弊害がありますよね。

 三類以降は一般の医療機関受診となり、医療保険適用で自己負担もあります。ただし三類は飲食業など特定事業への就業制限が設けられ、鳥インフルやエイズなどの四類は消毒などの対物措置、インフルエンザやウイルス性肝炎などの五類発生動向の把握が急務となります。これらの感染症は動物から人間にうつる場合もあるので、たとえばコウモリなどの動物を輸入禁止にする措置もとることがありますね。

 一類、二類は公費によってワクチン接種が可能ですが五類の場合自己負担になります。

 テレビなどでは鳥インフルエンザが出た養鶏所をすべて殺処分しているニュースが流れることがありますね。見てて残念な気持ちになりますが、感染症は少しでも見逃すと瞬く間に広がってしまいます。国内のあらゆる感染症に関する情報は国立感染症研究所(NIID)に掲載されているのでぜひチェックしてみてください。

国立感染症研究所(NIID)
 公式ページは こちら
厚生労働省
 すべての感染症に関する最新情報は こちら

たいせつな家族をまもるために

 感染症に敏感になった時代。手洗いうがい、ワクチン接種など個人でできることは多くありますが、最も大切なことは『感染症に関する正しい知識をもち冷静に対処すること』だと思います。

 世の中には感染症の恐ろしさを大げさに語り、不安を煽ってアナタの心を揺さぶろうとする輩がいないとも限りません。だからこそ、家族やアナタ自身をまもるために必要な情報をインプットし、いつでも準備できてる状態にしておくことが重要なのです。

 感染症だけでなく擦り傷切り傷、打ち身などの身近なケガに冷静に対処して、家族みんなで乗り越えていきたいですね。

Bitly

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