日光市民の”SL大樹”乗車体験 鬼怒川散策 ~ SL展示館・転車台広場編
地元民が日光市を走る『SL大樹』の乗車体験を語る。今回は『鬼怒川温泉駅』に到着し散策、16時43分発の『SL大樹8号』に乗車しイルミネーションを楽しみ、さらに『SL展示館・転車台広場』についても書いていきます。
諸注意:今回の記事は“完全な個人的な日記”になります。で、内容がちょっぴり長くなってしまったので今回は『前後編』の後編になります。前編は以下のリンクからどうぞ。
内部リンク
前回の記事:SL大樹初体験(下今市~鬼怒川温泉駅到着まで)は こちら
地元民と”こころの交流”を経て鬼怒川温泉駅へ
前半では『SL大樹7号』に乗車して鬼怒川温泉駅までたどり着く過程をブログに書きました。ふだんは地元民として“手を振る側”だったわたしですが、実際大樹に乗車して地元民からの熱い歓迎を受けると、どこか心にジーンとこみ上げてくるものを感じましたね。鬼怒川への旅路では『16羽の木彫りふくろう』や『倉ケ崎SL花畑』など魅力あふれるスポットが目白押しで、地元民として日光市の魅力を再確認することもできました。
さて、今回はいよいよ『鬼怒川温泉駅』に到着です。これからさらにSL大樹との思い出を作っていきましょう!
鬼怒川温泉駅でぶらぶら
車内アナウンスによると、鬼怒川は『大雨が降ると鬼が怒ったように川の流れが激しくなる』ことが由来だそうです。諸説ありますが、わたしはおねえさんが解説したこの言葉を信じることにしましょう。
大樹を降りた際、乗車時に見られなかった大樹機関室を覗いてみたのですが、やたらめったら厳ついパイプやバルブが何十個もありヒジョーに物々しい雰囲気でした。大樹の正式名称なのか、サイドに『日立 C11 207 笠戸工場 昭和16年』という文字が。わたしはこれらの文字が何を意味するかわかりませんが、マニアからすると「ああ、なるほど」みたいな感じで一瞬でわかるのでしょうか?
プラットフォームを歩いていると興味深いポスターを発見。なんとこのあたりの駅は国から『登録有形文化財』の登録を受けているようです。大雑把に解説すると『昭和4年当時、下野電気鉄道時代から運営されている”歴史ある建造物”』とのことで、紹介されていたのは以下の通りです。
(注:すべて頭に”東武鉄道“の文字が挿入されます)
・小佐越駅プラットホーム
・新高徳駅プラットホーム及び上家
・大桑駅プラットホーム
・大谷向駅上り(下り)プラットホーム
・下今市駅旧跨線橋
・砥川橋梁
文化庁、文化遺産オンライン
ホームページは こちら
さて、鬼怒川温泉駅に到着したものの「それからどうする?」的な問題に直面していました。鬼怒川はそこまで通わないといっても地元ですし、用があるならとっくに済ませてますし――↓↓
う~ん、大樹が転車台で回転する様子は『結婚式披露宴』で見たからなぁ
せっかくなので駅構内のカフェにある有名な『ミルフィーユかつサンド』でも食べようと思ったらまさかの閉店時間過ぎ。で、結局鬼怒川まで行きながら図書館で本を借りてくだけっていう結果に。それからは1時間、ただひたすら鬼怒川温泉駅周辺をさまよっていました。
ちなみにその時借りた本は『犬の医学』と『最新版・獣医からもらった薬がわかる本』の2冊。それぞれ獣医学博士のみなさまが詳細に記した事細かな専門書で、1から10まで情報がミッチリ詰まった価値の高い本です。
犬のことを本当に詳しく知りたい! 飼い犬のためにしてあげられることをしたい! という方にはどちらもゼッタイにおすすめできる本ですね。
あ、ちなみに日光市民ならカード1枚で『日光図書館』『今市図書館』『藤原図書館』の3館を利用できます。べんり!
帰りは幻想的なイルミネーションで
冬の太陽が沈み始めるころ、鬼怒川温泉駅から下今市へSL大樹が車輪を回し始めました。こちらへ向かう際に楽しんだ各スポットにおいて、次はイルミネーションが輝く時間です。そのため、大樹車両内部の電気が暗くなり外の景色がよりハッキリと浮かび上がるようになりました。
わたしの心に強く印象付けられたのは『新高徳駅』にある1本の大きなクリスマスツリーです。駅前広場にぽつんと1つあるだけですがだからこそ存在が際立ち、より大きく見えるような気持ちになりました。16羽の木彫りふくろうも美しいライトで着飾って、行きとはまた違う姿を見せてくれています。
特に印象深かったのはやはり撮り鉄スポットの『倉ケ崎SL花畑』でしょう。幻想的なブルーとグリーンのライトが暗闇に浮かび上がり、ハート型の池に高い柱から電飾を吊るしたイルミネーションは必見です! こんな時間でも手を振ってくれる地元民の姿もチラホラ見受けられ、大樹からも展望デッキに訪れた方々が笑顔で手を振返していました。
YouTubeチャンネル、touhokuline 728:投稿動画より
わたしも展望デッキに向かいましたが、休日ということもあり大盛況! 順番待ちのような状態に。冬場の日光は外に出て風を受けるのはなかなか厳しく、寒がりな人は一瞬でギブアップするかもしれません。しかし風を受けながらの乗車はとても気分が良く、石炭の香りを味わいつつ、下今市駅まで最後の旅路を忘れまいと心に噛みしめるのでした。
余韻を胸に”SL展示館・転車台広場”へ
最後の『3サル』イルミネーションを楽しんだらいよいよ旅の終焉です。下今市に到着しゆっくり贅沢な時間を味わったイベントが終了。集まった人はその場で解散という運びになりました。
わたしもその流れで駅から出ようと思ったのですが、途中でとある建造物が向かい側にあるのを確認。駅員に質問してみると、なにやら『SL展示館・転車台広場』なるものがあると言うではありませんか。
そりゃ行ぐしかねーべ!(栃木弁)
ということで、さっそく建設時の写真などが並ぶ廊下を歩いて展示場へ向かいます。
東武鉄道
SL展示館・転車台については こちら
鉄道ファン垂涎の展示館
階段を降り『SL展示館』へ到着。中に入るとこじんまりとした空間のなかに展示館はありました。どうやら下今市駅の入場券(2022年11月時点で”150円“)さえあれば入場可能のようですが、SL大樹の乗車記念証を提示するとそこにハンコを押してくれて、さらに『ロケットカード“SL大樹“』というカードもゲットできます。全国の観光地をめぐるともらえるカードシリーズの1種類のようです。
お得な気分になった後展示場内を散策。2021年12月時点は故障中でしたが、中央には実際に鉄道が走るジオラマが設置されています。また以下のような展示物がありました。
・SL機関の音を収録した視聴コーナー
・歴代のSLで仕様された様々な記念板
・クイズ形式で掲載されたSLに関する知識
まさに鉄道ファン垂涎の展示館ですね。ちなみに、個人的にはクイズ形式で出題されたSLに関する知識が興味深く、特に以下のようなものが印象深かったです――あ、実際にSL展示館で答えを見たいという方はスルーしてください。
・SL機関車は3トンもの石炭を積み込める
・運転室は常に60度以上
・火は24時間絶やしてはいけない
・機関部の番号は車輪の数、形式、製造番号を表す
また展示館では訪れた方が自由に書き込める『展示館ノート』なるものがあり、下今市駅をとても上手に描いた絵が印象的でした。
仕事人を見学できる広場
『転車台広場』では、機関車と作業をする機関室作業員たちの姿を見学することができます。もちろん転車台で回転する姿も見られますし、ベンチに座りながら下今市駅を眺めることができるので、SLに乗らなくても出発の瞬間を目に焼き付けることもできます。
世界遺産の所在地として全国区でも有名な日光市。そこに『SL大樹・ふたら』という象徴が加わり、さらに日光市の魅力は加速していくことでしょう。ただし、日光市を楽しむときはぜひとも“ゆっくりスローペース”でお願いします。
YouTubeチャンネル、SL大樹【公式】PR動画チャンネル:投稿動画より
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