【SDGs】企業ができる環境貢献

企業とSDGs 参画のカギを握る”2つのチェーン”

 持続可能な開発目標SDGsでは、国際連合が定めた17のゴール169のターゲット32の指標が掲げられています。SDGsの概要、17のゴールについては以前の記事で取り上げましたのでそちらを参照していただき、今回は利潤追求しながらもSDGsの思想に則った活動を行える、2つのテクニックを紹介していきましょう。

国際連合経済社会局(UNDESA)運営:SDGsが掲げる17の目標は こちら(注:英語)
内部リンク:SDGsの概要、17の目標に関しては こちら

SDGsは経済活動と社会活動を並列できる

 国際連合で掲げられたSDGs。内容の重大さや項目の多さを見ると「ウチの会社ではできそうにないな」と考える方もいるかもしれません。ですが、SDGsは経済活動を行いながら社会貢献できるような良い仕組みが用意されています。

 『ビジネスと持続可能な開発委員会BSDC』の発表では、以下の分野で大きな経済価値の創出が見込めると発表しています。

・食料と農業
・都市
・エネルギーと材料
・健康と福祉

 農業にテクノロジーを活用することで環境に配慮したり、オフィスシェアでの経費削減やハイブリッド車の導入も良いでしょう。リサイクル用品を多用、生産。より効率の良いエネルギー生産方法の研究、補助器具を用いた介護などあらゆる社会問題には経済活動のチャンスが潜んでいるのです。

ビジネスと持続可能な開発委員会(BSDC):公式サイトは こちら(注:英語)

SDGsを理解する

 SDGsに取り組むといっても17すべての目標を達成しようとするのは大企業であっても難しいでしょう。そのような無理難題に挑むのではなく、企業が普段行っている事業と、SDGsで掲げられている17の目標のうちどれがマッチしているかを考えれば良いのです。

 たとえば『目標15:陸の豊かさを守ろう』を実践するために、漁業を生業としている人に「森林伐採をやめよう!」と言うのはベストマッチとは言えませんよね? 漁業であれば『目標14:海の豊かさを守ろう』を目標として検討したほうが実践しやすく、また自社のノウハウを活かすことが出来効率的にSDGsと利潤追求を両立することができます。

 SDGsは投資家たちにも注目されています。SDGsに取り組むことは企業イメージの向上にも繋がりますし、他のSDGsに取り組んでいる企業と協力することによって、新たなビジネスや雇用を生み出すこともできます。

 昨今は過酷な労働環境や暴力などが横行する『ブラック企業』に対する批判が多くなっていますね。これらはSDGsでも『目標8:働きがいも経済成長も』の項目で掲げられており、良好な職場環境を目指すことこそがSDGsにつながると考えれば、SDGsに取り組むハードルは下がってくるのではないでしょうか?

SDGsを導入する”SDGコンパス”

 SDGsを導入しようとしても、ではどこから手をつければ良いのか? という問題がありますね。そのために必要な考え方として『SDGコンパス』が挙げられます。SDGコンパスは以下のようなステップに分けられます。

① SDGsを理解する
  SDGsの意義や効果を理解する
  SDGsに関する概要は こちら(内部リンク)
優先課題を決定する
  自社の状況、将来的なプラスとマイナスを分析して
   優先すべき課題を決定する
  → どの目標なら最もスムーズに始められるだろうか?
目標を設定する
  優先課題に対し具体的かつ期限つきの目標を掲げ
   組織内のパフォーマンスを向上させる
  ※SDGsは”2030年“までの開発目標です
④ 経営へ統合する
  企業内すべての部門と協力して目標実現のため取り組む
報告コミュニケーションを行なう
  進捗を内部で確認し合い頻繁に意見交換を行なう
※ ②~⑤をループさせることが重要
  手法としてはPDCAサイクルがおすすめ

 SDGsは17の目標が掲げられているため、自社が行なう事業とマッチするか? その活動を行なう上でどのようなリスクがあるかを確認するのは大切ですね。これらは後述する『バリューチェーン』を用いればスムーズに選択肢を絞り込むことができます。

SDGsを導入する前に知っておくべき”2つのチェーン”

 せっかくSDGsに参画したのに、大した貢献もできなく儲けもなかった、なんてことは避けたいですよね。そうならないために、ここではSDGsを検討するため知っておくべき2つのチェーンを紹介していきます。

バリューチェーン

 バリューチェーンは『いち企業の業務の流れを機能単位に分割したもの』です。SDGs導入において、優先課題を決定する段階で活用できます。原材料の調達から製品への加工、それらが顧客や消費者に届くまでの流れを機能単位に分割します。

 以下に服飾の原材料作成から販売までを行なう企業を例を書いていきましょう。

原材料である麻や綿の農場
  『目標15:陸の豊かさを守ろう』に関連
  → 土壌を汚染しない農薬はないか?
サプライヤー仕入先業者に材料が入荷
物流に乗り操業工場へ
  『目標11:住み続けられるまちづくりを』に関連
  → ドライバーの事故を防ぐ仕組みはないか?
操業工場
  『目標3:すべての人に健康と福祉を』に関連
  → 全従業員の健康管理は万全か?
販売
製品の使用・廃棄
  『目標12:つくる責任つかう責任』に関連
  → リサイクルできる機会を用意できないか?

 これらのうち、すべてを実践するわけではありません。あくまで重視するのは『自社の優先課題』です。それらの活動を鑑みてリスクが高いと判断するのであれば、ムリに参画することはありませんよね。

 SDGsは、あくまで自主的に参加する社会貢献活動です。株主を引き込もうと、実態がなくファッション的にSDGsに取り組む姿勢だけ見せることを『SDGsウォッシュ』と呼び、実際にSDGsウォッシュの実態が判明し、多方面から批判を受けた企業も実在します。せっかくSDGsに取り組んでいるのに「SDGsウォッシュだ!」と批判されないよう、いざ参画した際は大々的に公開し、具体的な目標を積極的に世間に公表していきたいですね。

サプライチェーン

 サプライチェーンは『原材料の調達から商品が消費者に届くまでの全プロセス』を指します。上記バリューチェーンと似たような概念ですが、こちらは『自社のみならず、関連する企業すべての流れ』をまとめて指します。逆に言えば、バリューチェーンはサプライチェーンをいち企業単位で見立てた概念ということになります。

 バリューチェーンの各段階を、他企業が行なうものだと考えればイメージしやすいでしょう。たとえばアナタが服飾の販売店を経営しているとして、上記のなかでは『』を担っていることになりますね。この一連のチェーンを形成する一員として「チェーンの全体に問題はないか?」を考える上で役に立ちます。仕入れている服飾の生産工場管理業者に時間外労働や過労自殺などの過酷な実態があったとすると、犯罪の片棒を担ぐことにもなりかねません。

大企業がサプライチェーンを意識すべき理由

 大企業でも海外からの輸入に頼っている場合、たとえば途上国にサプライチェーンをもつ大企業は、そこで行われている労働問題や環境汚染問題などを考慮しなければなりません。1997年、スポーツ用品メーカーとして有名な『ナイキ』参加の下請け工場において、児童労働などの過酷な労働環境の実態が明らかとなり大々的な不買運動が巻き起こりました。ほかにも歴史上このような問題は繰り返し起こっています。

 下請け工場ですから本来直接の関係は無いように思えます。しかし、サプライチェーンを抱える企業は商品の仕入れから製造、それらの労働環境をしっかり把握しておく必要があるのですね。

日本貿易振興機構(JETRO):サプライチェーンと人権については こちら

 SDGsは徐々に世界に浸透しており、日本でも大企業を中心にSDGsの波が来ているようです。アナタの企業はSDGsにどう貢献できるでしょう? 今からでも考えてみてはいかがでしょうか。

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