【日光市】華厳の滝は消滅します【地元民の解説】

画像:いろは坂(一般社団法人日光市観光協会)

日光市名物”華厳の滝”に関するわかりやすい解説

 日光市の観光名物といてば何が思い浮かびますか?

<strong>観光客</strong>
観光客

東照宮!

<strong>観光客</strong>
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いろは坂!

<strong>観光客</strong>
観光客

鬼怒川温泉!

 秋の間は紅葉ということもありたくさんの観光客が訪れます。ほかにもゴールデンウィーク夏休みなどは多くの人でにぎわい、外国からの観光者も多いですね。

 わたしは日光市に生まれ、日光市に住んでいます。日光市の魅力を少しでも紹介したいので、今回は『華厳(けごん)の滝』に関するわかりやすい解説をしていきたいと思います。

華厳の滝は”確実に”消滅します

YouTubeチャンネル、ドローン男子 7sky creative:投稿動画より

 華厳の滝は落差97メートル、幅7メートルの巨大な滝です。和歌山の那智(なち)滝、、茨城の袋田(ふくろだ)の滝とを合わせて『日本三大名瀑』と呼ばれています。

 日光市は山岳地帯のためたくさんの滝があります。その中でもとくに荘厳で雄大な華厳の滝は、まさに日光市のシンボルと言えますよね。日光市では日光の滝をめぐるツアーなどもおすすめしています。

 有名な華厳の滝ですが、実は華厳の滝は将来的に消滅してしまうことが確定しています。いったいどういうことなのでしょう?

とちぎ旅ネット
 日光滝めぐりツアーは こちら

華厳の滝はどんな滝?

画像:中禅寺湖・千手ヶ浜(一般社団法人日光市観光協会)

 華厳の滝は、その北西部にある『男体山』、『中禅寺湖』と深い関わりがあります。

 1万年以上前、男体山の噴火によって麓の地形が変わり、川がせき止められました。その結果巨大な湖(中禅寺湖)が誕生し、そこからあふれ出した水が崖まで達し、華厳の滝となりました。

 現在は奥日光の湯ノ湖から水が流れており、日光市の貴重な水源になっています。中禅寺湖からの水は中禅寺ダムによって調節され、華厳の滝はいつも同じような姿をわたしたちに見せてくれています。

華厳の滝の発見者は?

画像:季節ごとに姿を変える華厳の滝(一般社団法人日光市観光協会)

 華厳の滝は『勝道上人(しょうどうしょうにん)』が発見したとされます。彼は奈良時代の僧侶(天台宗)で、日光を開山し二社一寺とも深い関わりがあります。

 華厳の滝と名付けられた理由は諸説ありますが、一説では仏教経典の『華厳経』から名付けたというものがあります。華厳には以下のような意味が込められています。

・華厳 = 雑華厳浄(ざっかごんじょう)
  → 自然界にある多くの草花のうつくしい様

 勝道上人は華厳の滝に自然界の神秘を見たのでしょうか? 華厳の滝は夏場はは新緑と涼しい水しぶき。秋には紅葉が美しく広がり、冬は凍てつき、春はしぶきの中から芽吹く草花が見えるなど四季折々の景色を楽しむことができます。

 紅葉シーズンだけ日光を訪れても、華厳の滝が見せる本当の姿のはんぶんも見ることができません。季節ごとの姿を見せるからこそ華厳の滝と呼ばれるのかもしれませんね。

華厳滝エレベーター
 華厳滝の由来については こちら

日光市の観光問題

 日光市は、日光の旅情報をまとめた『日光旅ナビ』というウェブサービスを展開しています。紅葉の見頃情報、渋滞など各種情報が提供されているのでぜひご活用ください。

 日光市はとても広いので、地元民としては『』の利用をおすすめするのですが、ゴールデンウィークや紅葉など観光客が押し寄せる季節は公共交通機関の利用をおすすめしています

 日光市は山道が多く車が通れる道が限られるので、たとえば紅葉時期のいろは坂などは文字通り車が止まります。数時間はあたりまえのように止まります。

 どうしてもという方は朝7時に日光市に到着するか、もしくは夜に来て宿泊し、次の日の朝から日光観光を楽しむようにしましょう。詳しくは下記リンクに記されています。

日光旅ナビ
 公式サイトは こちら
内部リンク
 日光市の交通事情に関しては こちら
内部リンク
 日光市のお得観光ルートは こちら

華厳の滝が消滅する!?

 中禅寺湖から華厳の滝まで、全長数百メートルほどの大尻川という川が流れています。この川には中禅寺ダムがあり流水量を調節しているのですが、将来的に華厳の滝は確実に消滅することがわかっています。

 華厳の滝は年間平均1.8cm中禅寺湖に近づいています。97メートル上から落ちる水に削られ、さらに地下水は華厳の滝に隠れるようなもうひとつの滝『十二滝』として染み出すことで内部からも侵食。その結果滝の後退が進んでいるのです。

 年間1.8cmと聞くと大したことないように思えますが、これは将来的に華厳の滝が中禅寺湖まで後退し、中禅寺湖の水がすべて日光市街地へ溢れ出ることになる可能性があることを指しています。そうなった場合、日光東照宮をはじめとした世界遺産は無事では済まないかもしれませんね。

 1986年10月24日には華厳の滝流出口の岩盤が崩れたという事件もあります。今の時代しか見られない世界遺産だからこそ、しっかり楽しんでいきたいですね。

J-STAGE 地学雑誌:早川祐一、松倉公憲
 日光、華厳滝の後退速度は こちら
日本の地質百選 日本の地形千景プラス
 栃木県:中禅寺湖と華厳の滝は こちら

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