【犬】ドッグスポーツ”アジリティー”のわかりやすい解説【参加案内】

ドッグアジリティに興味ある方必見 世界大会の参加資格や各種主催団体も紹介

 アジリティー(Agility)は『人間と犬が息を合わせて行う障害物走』です。規程の障害物を人の指示によってクリアしていくわんちゃんたちの姿は、見る人に大きな感動を与えてくれますね。

 アジリティーでは以下のような障害物の組み合わせで行われます。個数や大きさなどは犬のサイズなどから判断したクラス分けにより細かく調整されています。

・ハードル
・トンネル

・坂道
・シーソー
・スラローム(ポール間走)

 アジリティーは様々な『』関連の団体で行われる大会であり、大会により使われる障害物は多少異なりますが、障害物の数や大きさなどの規程はほぼ統一されているため大きな差異はありません。ここでは世界的に有名な『国際畜犬連盟(FCI)』と日本で最も知られているであろう犬関連の一般社団法人『ジャパンケネルクラブ(JKC)』で扱うアジリティーを元にわかりやすく解説していきます。

国際畜犬連盟(FCI)
 アジリティーの競技規則は こちら(英語)
ジャパンケネルクラブ(JKC)
 アジリティーの解説は こちら
内部リンク
 ドッグスポーツ(16種)の紹介記事は こちら

アジリティーを知らない方向けのわかりやすい解説

 アジリティー(Agility)。日本語では『機敏』と訳されます。フィールドに置かれた障害物をわんちゃんがクリアしていく競技ですが、予め定められたコースではなく、運営側により大会前に作成され公開されます。つまり、アジリティーは人間が指示をしてがそれに応えて走る『飼い主とペットの絆』が試される競技と言えるでしょう。

 人間は『ハンドラー』と呼ばれ、コースを走る犬に指示する役目を負います。指示をうまく伝えられなければ犬たちは走行を中止したり拒否したりして失格となってしまうでしょう。飼い主の指示で奔放に駆け抜けるわんちゃんたちの姿は美しいものですが、その裏では想像を超える努力をしているのです。

 FCIが行うアジリティーは犬の体高(人でいう身長)などにより4部門に分けられます。

スモール(Small)
  体高 35cm 未満
ミディアム(Medium)
  体高 35cm ~ 43cm 未満
インターミディエイト(Intermediate)
  体高 43cm ~ 48cm 未満
  日本語で”中級中間“などの意味

ラージ(Large)
  体高 48cm 以上

 JKCサイト内に日本語訳されたアジリティー規程があります。FCI基準ルールを訳した内容に加え日本での開催に関する各種規程も盛り込まれていますが、一部改定される前の古い記述があります。英語を読める方はぜひ国際畜犬連盟のアジリティー規程を併せてご参照ください(上記リンクにありpdf形式ファイルをダウンロードします)

・ジャパンケネルクラブ(JKC)
  アジリティー規程(2018年版)は こちら

たくさんのわんちゃんがゲンキに走る!

YouTubeチャンネル、FOX Sports:投稿動画より 業界最速レベルのわんちゃんです

 わんちゃんたちは障害物が用意された広大なエリアを駆け巡ることになります。

リング(競技場)の広さ
  20m × 40m
コースの長さ
  100m ~ 220m
障害物の数
  15個 ~ 22個
  ※ 7つ以上はジャンプ台を設置 など細かい規程あり

 犬が最大限加速できるよう障害物間の距離は最低5m空ける必要があります。ただし、どのようなコースにするかは規程違反でなければ審査員がいくらでもアレンジすることができます。

下見は念入りに

 コース上での練習は禁止されていますが、ハンドラーはリングを下見することができます。この時間でどう走れば良いか、犬にどう指示を与えれば良いかなどを吟味します。

 審査員からコース内容ルール標準タイムなどを聞いたら準備万端。順番がやってきたらハンドラーはリング内へ、犬はスタートライン手前で待機します。スタートの笛などはなく犬がスタートラインを切ったらタイム計測が始まります。そしてゴールラインを通貨したタイミングで競技終了。その瞬間のタイムを基に以下の要素を吟味して最終的なスコアが決定されます。

標準タイムを超過
  過ぎた時間()だけ減点

  タイムは100分の1秒単位まで計測する
コース上での不具合
  障害物を超える際転倒した
  ハンドラーの命令を拒絶した
  ハンドラーと接触した
  障害物の一部を省略した(シーソーの途中で跳び降りるなど)
   → すべて1回につき 5点 減点

 減点は痛いだけでなく最終的な順位にも影響するので、いかにミスなくコースを周れるかも重要な要素となります。

アジリティはどこで開催するの? 大会に参加したい!

YouTubeチャンネル、Eyepetizer:投稿動画より 様々な競技楽しむわんちゃんたち

 ドッグスポーツとして有名なアジリティですが、実際の競技はどこでどのように行われているのでしょう?

 アジリティーは各種『』にかかわる団体による主催で行われています。代表的なのは『ジャパンケネルクラブ(JKC)』ですが、国内では以下のような団体が有名ですね。

ジャパンケネルクラブ(JKC)
 公式サイトは こちら
犬の総合教育社会化推進機構(OPDES)
 公式サイトは こちら
ジャパンオープンアジリティ(JOA)
 公式サイトは こちら
日本ドッグアジリティ協会(JPDAA)
 公式サイトは こちら
 ※ 上記3団体の情報を提供しています

 JOAは団体関係なくオープンに参加できる大会として有名ですね。このほか、たとえばトレーニングスクールを開いてる団体や動物専門学校、はたまたアジリティ愛好家が共同で開催したり個人で開催するなど多種多様なアジリティー大会があります。興味ある方はマイナーなアジリティー大会を探してみるのも良いですね。

世界規模の大会は?

YouTubeチャンネル、Christian Prinz:投稿動画より FCI-AWC2022好成績納めた動画です

 世界的に有名なアジリティー大会といえば『国際畜犬連盟(FCI)』主催の選手権大会『Agility World Championships』でしょう。最も歴史があり、世界各国のアジリティー競技者が集まる国際大会です。ほか世界で行われるアジリティー大会をいくつか紹介します。

アジリティーワールドチャンピオンシップ(Agility World Championships)

 『国際畜犬連盟(FCI)』主催で開催されます。FCI公認の血統書に基づいた犬種、FCI会員であるハンドラーが参加できます。現在もメジャーな大会ですが、参加資格などに問題があるとして、現在多くのアジリティー大会が世界各地で開催されるようになりました。

ユーロピアンオープン(The European Open)

 2002年初開催。はじめ非公式大会として、犬種の差別なくだれでも参加可能の大会として運営されていましたが、年を追うごとに参加国が増えていき、現在ではFCIが主催し大規模大会になるまで発展しました。18歳以下ハンドラーが参加する『ジュニアオープン』も行われています。

国際畜犬連盟(FCI)
 上記2大会の公式ルールは こちら(英語)

ワールドアジリティーチャンピオンシップ(World Agility Championships)

 『国際犬学スポーツ連盟(IFCS)』主催で2002年初開催。血統関係なくあらゆる犬種(雑種含む)が参加可能で、半年に1度という頻度で開催された時期もありました。現在も年単位で開催されており、年々人気が上昇しています。

国際犬学スポーツ連盟(IFCS)
 公式サイトは こちら(英語)
 大会公式サイトは こちら(英語)

ワールドアジリティーオープン(World Agility Open)

 2011年初開催。アジリティー競技者が管理する団体に頼らない国際アジリティー大会です。毎年開催されており、今後数年間はオランダを部隊として大会が催されるようです。イングランドに本社があるのでヨーロッパ圏での開催が主のようですね。

ワールドアジリティーオープン(WAO)
 公式サイトは こちら(英語)

出場資格は?

 FCI及びJKC主催大会に関しては以下の条件があります。


  FCI公認血統書を所持
   ※ JKC主催大会は血統書が無くとも問題なく出場可能
  タトゥーもしくはチップを入れる
  有効なアジリティー手帳もしくはライセンスを保持
  生後一定期間経過
   海外:生後 24ヶ月 以上
   国内:生後 18ヶ月 以上
ハンドラー
  FCI会員、もしくは大会出場可能となるライセンスを保持する

 アジリティーには一定のクラス(レベル)があり、はじめはレベル1に挑戦します。最終的にレベル3までの挑戦が可能になり成績はチップに反映されます。国内で一定の成績を挙げたハンドラーは国際大会へ出場する資格を得ることができます。

血統書がなければ参加できないのか?

 出場資格を持たない犬もいます。

妊娠
ケガ病気が明らか
ドーピングが判明した

 ドッグスポーツの世界でもドーピングが問題になっているのですね。これらはまだわかるのですが、FCI主催大会では血統書に関する規程がありますね。これはいったいどういう理由があるのでしょうか?

 FCI主催大会では公認血統書がなければ参加することができません。わたしの調査力不足でFCI公式サイトを調べても情報を見つけることはできませんでしたが、おそらく『血統書にアジリティー等の記録をつける』ので必要になる、という理由があるのかもしれません。これはわたしの感想でしかありませんのでなんとも言えませんが……。

 これに対し他多くの団体ではスポーツの精神に反するなどの理由でどんな犬種でも参加可能としています。むしろ血統書がなければ参加できない大会のほうが少ないのです。

アジリティーに参加したい方に朗報!

YouTubeチャンネル、Sora mocoボーダーコリーとポメラニアン:投稿動画より

 現在、日本では多くの団体がアジリティー大会を主催しています。ジャパンケネルクラブで公認訓練所を紹介しているほか、警察犬訓練所、各地域のドッグスクールなどでもアジリティー訓練を受けられる場合があります。アナタの地域でも『地域名 ドッグスクール トレーニング』などで検索するとヒットするかもしれませんね。

 またお家でたのしいアジリティートレーニング用品も一般で販売されています。ちょっとしたお遊びやわんちゃんのストレス解消グッズとして、アジリティーで扱う障害物のどれかをチョイスしてみるのも良いですね。かんたんに設置できて持ち運びもラクちん。わんちゃんはもちろん飼い主さんにもやさしいですね。

スラロームを超光速で突破していくわんちゃんの姿、カッコイイですよね!

Bitly

 FCIライセンスが無くとも、国内ではドッグスクールや専門学校など多くの団体がアジリティー大会を開催しています。愛犬との絆を深め、トレーニングを積み、いざ出場するぞという方は、まずは地域ごとの大会を経験し、徐々にいろいろな団体にエントリーしてみると良いでしょう。

 あちこちの団体ごとにアジリティー参加申込書があってめんどくさい! ――っということで、アジリティーを常日頃からやってる方(アジラー)の中には「申込みページをまとめたサイトを作ろう!」という熱い想いをもつ方が独自にアジリティー総合情報サイトを開設しています。大会案内だけでなく最寄りの宿泊施設温泉車中泊できる駐車場などお役立ちな情報が満載のサイトです。アジリティーのみならず一人旅が好きな方は覗いてみてはいかがでしょう?

・Contact zone
 アジリティ競技会申込書リンクページは こちら

 また「アジリティー情報がほしい!」という方には、アジリティーを専門に扱う情報誌『Japan Dog Agility Magazine』の購読がおすすめです。メールでかんたんに問い合わせ可能で、地方アジリティー大会や協議会撮影サービスなど、入門者向けの情報から専門誌ならではのディープな世界まで広く楽しめます。人間と犬のが試されるスポーツ、アジリティー。ぜひ一度体験してみてください。

Japan Dog Agility Magazine(JDAM)
 公式サイトは こちら

Bitly

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