認知症は予防できる すぐにできる認知症対策【わかりやすい解説】

認知症は発症の25年前から始まっている 若いうちから認知症対策を

 認知症は『様々な原因で脳の細胞が死滅、もしくは働きが鈍化したため様々な障害が発生する状態』です。『厚生労働省老健局』が公表した情報によると、2012年の認知症有病者数は462万人のようです。そして認知症の有病者数の割合が変わらない場合、2025年時には約700万人にも登るだろうと予測されています。

厚生労働省老健局:認知症に関する知識、施策の推進については こちら

 すでに『人生100年時代』に突入しようとしています。長生きすればするほど様々な疾患にかかる可能性は増えていき、当然認知症のリスクも飛躍的に高まっていきます。せっかく100歳まで生きていたとしても、五体満足でなければ『幸せ』を感じる機会は少なくなるでしょう。身体の衰えは運動、筋力トレーニングなどで軽減できるとして、では脳の神経回路を衰えから守るにはどうすれば良いでしょうか?

認知症の”予備軍”から脱出しよう

 認知症はある瞬間突然に発症するものではありません。はじめはただの違和感からはじまり、心身の衰えが徐々に進行して認知症になっていくものです。こういった『軽度認知障害MCI』の状態であれば、生活習慣の改善だけで予防どころか改善することさえ可能です。ここで重要な概念として『フレイル』をご紹介しましょう。

 フレイルFrailtyとは『加齢に伴う心身の衰え』です。上記のとおり、今まで健康だった方がある瞬間、突然に要介護状態になることはありえません。フレイルは言わば健康と要介護の中間と言い換えることもできるでしょう。

 体の節々に痛みを感じるようになり、やがて外出を控えるようになって、結果として筋力体力が減少。思うように身体が動かなくなる実感を元に気分も落ち込んでいき、要介護状態へ少しずつ近づいていくのです。下記画像では認知症に当てはめたフレイルを紹介していますが、縦軸を『筋力体力』など様々な指標に置き換えることも出来ます。

 気をつけたいのは心身の衰えだということ。もし身体が弱っていたとしても心が元気であれば活動的になり、また元の体力を取り戻すことだって可能なのです。しかし気力が沸かなくて、もし「自分はフレイルなのかもしれない」と感じるのであれば、下記のサイトでチェックすることをおすすめします。いちど自己診断してみて、不安であれば迷わず病院へ通ってみましょう。

国立長寿医療研究センター:フレイルのチェックについては こちら

 認知症と深い関係にあるのが『アミロイドβ』という脳内に生まれるタンパク質です。脳の中にアミロイドβが蓄積されていくとやがて健康な神経細胞に害を与えてしまうのですが、精神科医の『樺沢紫苑』氏著作『精神科医が教える ストレスフリー超大全』によるとおよそ25年前からすでにアミロイドβの蓄積がはじまっていると記されています。著書ではこういった事実もあり、認知症予防は40代より前にスタートすべきだというのです。では、認知症対策としてわたしたちができる『対策』とはいったい何なのでしょうか?

精神科医が教える ストレスフリー超大全 ―― 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト
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運動

 最も簡単かつ効率的な対策は『運動』です。週150分以上の『有酸素運動』で、アルツハイマー病のリスクを2分の1 ~ 4分の1にまで減少させることができるのです。有酸素運動に関しては『最大心拍数(220-自分の年齢)の60~65%』などイロイロ言われていますが、最も簡単なイメージは『息が軽く切れて会話ができないレベルの運動』ですね。

 週150時間は週7日換算にすると『1日20分強』程度。週5日とすると『1日30分』です。週に150分も運動する時間がない! という方は、少しずつでも良いので、身体を動かす習慣を身につけていくことが重要です。運動週間は認知症予防だけでなく心身の健康、ストレス対策に大きな効果を生み出します。最近ストレスが溜まっている、心が落ち込んでいる時にこそ、ぜひ運動の習慣をつけていきたいですね。

睡眠

 アミロイドβの蓄積を防ぐ意味でなら『睡眠』は最強の予防策です。多くの睡眠研究によって6時間以内の睡眠がもたらすリスクはかなりの数報告されています。とくに睡眠時間と死亡リスクの関連性は顕著で、睡眠時間が短くても長くても影響があることが示されています。

厚生労働省、e-ヘルスネット:睡眠と生活習慣病の関係については こちら
がん対策研究所 予防関連プロジェクト:睡眠時間と死亡リスクとの関連については こちら

 睡眠中、脳はメンテナンスモードに入り、その間脳に溜まったアミロイドβが脳外に排除、掃除されていきます。これらの情報を踏まえて、個人的なおすすめは『毎日最低7時間の睡眠』です。これは上記で紹介した精神科医の樺沢紫苑氏も提唱しているものですが、睡眠不足は脳のパフォーマンスを思っている以上に奪われる大きな問題です。

 毎日最低7時間、欲を言えば8時間程度の睡眠がほしいところです。ただ眠れない=不眠症というわけではありません。1日6時間睡眠になってしまったとしても、朝目覚めた時心や身体がスッキリしている実感があれば、快適な睡眠を得られた可能性だってあります。普段の生活で眠気を覚えない睡眠時間を確保し、起きている間の作業効率をグンと向上させていきましょう。

食事

 何を食べ、何を避ければ脳に良い『食事』につながるのか? 最も多く言われていることは『』です。魚には『DHAEPA』といった昨今の健康番組でほぼ紹介されいてる成分が豊富に含まれており、血中コレステロール値を下げ動脈硬化の予防につなげることができます。

 2015年、アメリカの『ラッシュ大学医療センター』が発表した『マインド食MIND』によれば、地中海沿岸の国々で食べられる『地中海式食事』と、高血圧を予防する『ダッシュ食DASH』を組み合わせた食事がアルツハイマー型認知症の予防に効果的だと言います。そのリスク低下率は食生活を厳守したグループでは53%減少し、適度に守った参加者でも約35%のリスクを減らしました。以下がそのメニューになります。

・全粒穀物、サラダ、その他野菜1杯、グラスワインを毎日食事に取り入れる
・ナッツを間食とし、豆を1日置きに食べる
・鶏肉とベリーを少なくとも週2回食べる
・魚を少なくとも週に1回食べる

 バター、チーズ、揚げ物、ファストフードなどの食べ物は食事療法士によって制限されていますが、禁止されているわけではありません。この研究内容を見た限りでは、油を使う場合はオリーブオイルが良いようですね。

ラッシュ大学医療センター:MIND食の実験結果については こちら(注:英語)

その他の認知症対策

 上記『運動睡眠食事』に気をつけていれば、認知症のみならず生活習慣病の予防になります。生活習慣病の予防はつまり認知症の予防にもつながるため、これらに気をつけるだけでアナタの心身は健康に大きく近づくことができますね。

 また他者と積極的にコミュニケーションをとることも認知症対策になります。他者との会話勉強など、とにかく『脳を使い続ける』ことで認知症を予防することができます。堅苦しい勉強でなくても、たとえば囲碁や将棋などのボードゲームなら楽しく学ぶことができますね

 一生学び続けることが最大の認知症予防なのかもしれません。

 人間だれもが衰えるものです。しかし、フレイルにより心身が弱ってきた時にこそ新しい刺激を脳に与えてみてはいかがでしょう? アナタの心身の健康を心から祈っています。

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