『我思う、ゆえに我あり』を考えたデカルトの自由意志はすごかった

デカルトの名言をわかりやすく解説! なんでこんなこと言ったの?

 ルネ・デカルト[René Descartes]はフランスの数学者、物理学者、哲学者です。彼は現代科学に大きな影響を与え、今でもデカルトはわたしたちの生活に関わっています。

 たとえば、数学の授業で習うグラフは“デカルト座標”と呼ばれています。また慣性の法則はニュートンが提唱したことで有名ですが、実際はデカルトやほか学者らの考えをまとめたという側面もあります。光学、解剖学など多方面で才能を発揮した彼ですが、そんな彼がほんきのホンキで悩み抜いた問題がありました。

画像引用:wikipedia

<strong>デカルト</strong>
デカルト

自分が感じてるこの”感覚”は、果たしてホンモノなのだろうか?

 デカルトの『我思う、ゆえに我あり』とはどのような意味があるのでしょう?

我思う、ゆえに我ありの意味は?

 デカルトが生み出した哲学に『方法的懐疑』があります。これは『否定できる可能性があるのならそれを否定する』。彼はこの考えのもと、自分が感じている五感すべてを疑うようになりました。1+1=2のような数式ではない「まぶしい」などの感覚という曖昧な概念は、彼にとって疑うべき確実性がないものだったのです。

 感じてる世界はすべて偽物なのではないか? ――そう考えたとき、彼はある気づきを得ました。

<strong>デカルト</strong>
デカルト

自分自身を疑うこころ“が今ここにあるなら、それはつまり”わたしという祖納がここに存在する証拠“のではないか?

 つまり『考えてる自分』という意志があるなら、それは『自分という存在がある証拠だ』としているのですね。存在しなければ疑うという行為はできません。見方によってはあまりにも当たり前で「哲学者はこんなくだらないことばかり考えてるのか?」と言いそうな人もいそうですが、デカルトは現代科学に多大な影響を及ぼした人物であることには間違いありません。

 彼の思想や現代に与えた影響は多くの本にまとめられています。マンガでわかりやすく紹介されている場合もあるので選択肢はとても多いですね。まずはデカルト入門的な本がおすすめです。

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自由意志は存在しない

YouTubeチャンネル、アリストテレス大学【心理学と脳科学】:投稿動画より

 自分という存在は確かにいる。ルネ・デカルトは自分の意志でその答えにたどり着きましたが、実は『脳は意思決定する前にすでに意思決定している』と言われたら驚きますか?

 意志とは『脳がもつ機能のひとつ』です。驚くことに、わたしたちの意志は自由ではないという研究結果が数多くあるのです。初期の研究ではfMRIという脳の活動を調べる機械を使い実験したところ、被験者が意思決定し、実際に行動する7秒前に脳が活動していた事実が明らかになっています。

 これらを裏付ける研究論文が続々と発表され、2018年には脳の意思決定は、脳の一部位ではなくネットワーク全体で意思決定すると主張する論文も発表されました。

 自由意志に関する研究が進んでいるところですが、実は「自由意志など存在しない!」というのが脳科学界ではわりと通説になっています。わたしたちが当たり前に考える自由意志とはいったいなんなのでしょう? 実は選択するまでもなくはじめから運命付けられているのでしょうか?

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Nature Neuroscience
 自由意志の古典的研究論文は こちら
PANS
 自由意志と脳のネットワークに関しては こちら

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